難しい話
「これは、、、」
ブルに馬車を引いてもらっているんだが、すごいこれじゃない感、、、
「まだ馬車が小さいですね。」
アラクネよ、これ以上大きくしたら部屋になっちゃうんだけど。
ん?いや待てよ。部屋にしちゃうか?
「よし!コンセプトは動く部屋だ!」
そう宣言し、急ピッチで作っている。しかしもう夜だ。明日は来客。寝よう。
翌日、お昼過ぎくらいに例の客人が来訪した。
護衛?っぽい人が十人くらいついてる。あと執事みたいな人も連れてる大所帯だ。
「初めまして、私はここから一番近い国、緑地国家ミナルゴスという国のしがない貴族であるアルミナと申します。」
物腰の柔らかそうな中年の男だ。
丁寧なのだが、少し貴族というだけで気後れしてしまう。
「私は一応ここの主をしています。タナトスと申します。こんな辺境の地までどうされましたか?」
俺は単刀直入に聞く。挨拶合戦しても仕方ないからな。
「これは驚きました。噂では聞いていましたが、本当にこのような年齢の方が主とは。ここに屋敷を建てたことですら驚きなのですが。」
一応来客なので綺麗な応接室に通している。
俺の護衛と使用人たちが沢山いたので、俺が主だと分からなかったのだろう。ってより噂って何?!
「どのようにしてここで屋敷を建てられたのか気になるところではありますが。今回の要件はそこではありません。」
おお、何か凄く不穏な気配、、、
「ご存知かとは思いますが、この地は誰の国の持ち物でもありません。理由は魔物が多く、強いからです。入ることは出来ますが、このような所に拠点を構えるなどとても出来なかったのです。」
俺は皆の顔を見るが、首を振っている。俺としてもそんなに住みにくいとは思わないんだけどなぁ。
「単刀直入に言いますが、この地は資源に溢れています。正直我が国としても一個人としても喉から手が出るほど欲しい場所なのです。噂が入り次第他の国も動き出すでしょう。」
なるほど。譲れと。ってことは屋敷ごと?それは困るんだけどなぁ。
「貴様。ここは我が主様が最初に住まわれた土地。もはや主様の領土と言っても過言ではない。そこを譲れと?何を言っているか分かっているのか?」
エクスの言う通りだよな。もし本当に俺の領土とするなら普通は戦争になるわな。
エクスの殺気に護衛達も身構える。しかし動けていない。それ程までに強い殺気だ。
「悪いのですが、ここは譲れませんよ?私にとっても私の仲間にとってももはや安息の地なのです。」
「いえ、何も奪おう等とは思っていません。他の国では戦争を仕掛けてくる可能性もあるのです。ですので、我が国と友好を結んで頂きたいのです。もちろん交易もそして、戦火から守ることも我が国ならば可能です。」
ふむ。なるほど。ここを一つの国として見るというレベルの話だな。
あ、エクス。もう殺気は出さなくていいよ。
俺が窘めると睨みはきかせたままだが落ち着いてくれた。
「ここを一つの国として見ると?」
「それは主殿が決めて下さってかまいません。何度も言いますが、この森は誰の持ち物でもなかったのです。国を興すことも出来ましょう。」
「分かりました。すぐには決めかねますので、後日もう一度来て頂けますか?」
俺はとりあえず皆と相談したい。国を興すのは微妙だが、友好を簡単に結んでしまうのは危ない。取りいられる隙が生じてしまう。
「分かりました。国王様にも伝えておきます。使者として私が選ばれたのはここの価値を重んじてです。どうか熟考お願いいたします。」
そう言って帰っていった。
あー、個人的に来たんじゃないのね。
難しい話になってきたなー!もー!




