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コロナとクルーズ船

作者: とみた伊那

コロナとクルーズ船


新型コロナ肺炎で、ダイヤモンドプリンセスが問題になっています。結果として14日間の下船待機期間にコロナ陽性の人が多数現れてしまいました。

ここで、クルーズ船に何度か乗ったことがあるので、中の様子について書いてみたいと思います。


なお、私が乗ったことがあるのは全て日本船(特にぱしふぃっくびぃなす、飛鳥Ⅱ)なので、ダイヤモンドプリンセスとは少し様子が違うと思います。


船内イベント

航行中、退屈することが無いように、さまざまなイベントがあります。船内ではショーや手芸教室、映画など。毎日船内新聞が発行され、その中で好きなイベントに参加します。もちろん部屋やデッキでぶらぶらすることも可能。


船外イベント

寄港地に着いたら、いくつかのオプショナルツァーが用意されています。何種類かのバスツァー、タクシー・プラン、自由行動、船に残るなど選ぶことができます。


食事

船内は特別にルーム・サービスを頼む以外は、レストランに集まって食事をします。私が乗った船では、スイートルームのお客様は各部屋ごとのテーブル(二人席)、他は4人から10人程度の相席になります。相席によって食事中の会話をすることが、クルーズの楽しみの一つです。聞いた話だと、ダイヤモンドプリンセスでは、最初から最後まで同じ席とのことです。


部屋

よくテレビで紹介されるようなスイートルームは除外します。値段順に大きく分けて

*バルコニー付きの部屋(上層階で、値段も高い)

*バルコニー無し。窓付き(下の階、バルコニーより値段が低い)。窓は開かない。

バルコニー無し。窓無し(下の階、値段が一番安い)

普通は部屋を使うのは、寝る時と着替えの時くらいなので、安い部屋でもほとんど問題ありません。しかし今回のダイヤモンドプリンセスのような場合、バルコニー付きの部屋は窓を開けて換気をすることができます。しかしバルコニー無しの部屋は普通のホテル以上に密封性が高いので、14日間留まるにしても、かなりの違いがあると思います。


長々と書いてきました。何が言いたいかと言うと、クルーズ船の乗客、乗員は三千人以上という大人数ですが、その人達は閉じ込められた空間の中での何日間かのクルーズで、その行動を後追いするのは案外簡単だということです。

例えば十日間の旅行で、普通はその十日間にどこへ行って何をしたかと聞かれて、正確に答えられる人は多くいません。また、ちょっとコンビニに行ったくらいは忘れてしまっていることが多いです。しかしクルーズ船の場合、毎日の船内新聞を渡して、自分が参加したイベント(ショー、映画、ビンゴ大会など)、行った場所(大浴場、喫煙室、トレーニングジムなど)、レストランの席、寄港地で参加したオプショナルツアー、に〇を付けてもらえば、おおまかな行動を把握することができます。部屋の掃除も決まった乗員がやります。

それを集計していけば、七百名以上の感染者の傾向を知ることができるのではないでしょうか。


ダンスに参加した人の陽性が多いなら、接触感染が疑われます。

食事で同じテーブルの人が多いなら、飛沫感染かもしれません。

大浴場を使った人と使わない人とで差があるのでしょうか。

下層階に陽性の人が多ければ、エアロゾル感染が考えられます。


クルーズ船で多くの感染者が出てしまったことは残念ですが、ほぼ同じ環境で何日間か多数の人が生活をする。これは滅多に無い出来事です。この事件を集計していけば、世界中に広がっているコロナウィルスの感染経路を探る上で、重要な手掛かりになるのではないでしょうか。

しかもやる作業は、乗客乗員にスケジュールに〇を付けてもらい(部屋番号以外、無記名でできる)、それを集計するだけ。

クルーズ船で感染してしまった方は本当に気の毒です。それを反省し、何が原因かを研究して感染経路を推定する事が、今後の感染の拡大を防ぐ効果につながると思います。


やればできる作業だと思うけれど。

今の国会を見ていると、コロナ対策の内容を記録に残すかどうかで議論が止まっている。

今の政府には期待できそうもありません。


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