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ココ  作者: 竜胆
8/28

友達色々

気を遣う友達とは、縁を切りたいのが正直な気持ちです。

翌朝八時過ぎまでぐっすりと寝た。

起きて顔を洗い、顔のお手入れをし、歯を磨いた。それから朝薬を飲んだ。

居間の台の上に『よく寝ていたので起こしませんでした。夕方また来ます。猫ちゃん達にはご飯をあげました』と書いたメモ用紙が置いてあった。


紺地に足元に蛍の絵柄が入った浴衣を選び、黄色の帯をした。髪を結い蝶々の細工の簪をさした。

日焼け止めも兼ねて、薄化粧をした。


パンを焼き、お湯を沸かしてコーヒーを豆から挽いてコーヒーを淹れて、パンにはりんごジャムを塗った。去年作ったジャムだった。


スマホに友人から紹介された男性から、「週末の土曜日に映画を観に行かない?」とラインが入っていた。私より七才上の方で、二年前から映画を観て食事をしてドライブするデートはするけど、二人の関係性は何も進展していないのだった。何も予定が無かったから、「いいですよ。楽しみにしています」と返事を返した。


翌週には、高校の友達が来て、調味料教室をうちで開くことになっていた。


その調味料教室をする友達は四年前から、甘酒屋を開業して、生麹を彼女が作り、それを使った発酵食品教室を各地で開いているのだった。隣県の、とても大きな家にお父さまと二人で暮らしていた。

数種類の甘酒は、委託販売もしていた。配達販売も彼女はしていた。


彼女に頼まれて、うちで調味料教室をすることになったが、料金は三千五百円だと言う。高いと思った。それでも私の知り合いの中で、健康志向が強い方に声を掛けて、私は生徒さんを集めてあげたのだった。

彼女が来るのはちょうど私の誕生日だった。食事をしに我が町唯一のホテルに行こうと言うから、コース料理のお店を予約しておいた。


彼女とは、定期的に会っていたが、価値観の違いが感じられて、話していて出会った頃から違和感があり、彼女には私の常識が通じないと感じて、会う度に疲れていた。でも長い付き合いだから、会いたい、と言われたら、彼女を拒めないのだった。憂鬱だった。両親は彼女の図々しさを嫌っていた。文は利用されてる、と怒っていた。なかなか彼女が来ると両親に言えずにいた。母だけに彼女が来ると今日こそ言おうと思った。


朝ご飯を食べ終わり、Kファミリーが使ったシーツ類などを洗濯した。

洗濯物を干していたら、年下の友達が娘の一人は抱っこして、もう一人は手を引いて「文さん」と言って、訪ねて来たから、軒先側からうちに上がって貰った。彼女はアイスをお土産にくれた。

子ども達にはアイスを、友達には桃のゼリーを出した。私も桃のゼリーを食べた。麦茶を出してあげながら、「今日はお休みなの?」と聞いたら、「朝下の子が熱があったんです。病院に行ってお薬を貰って飲んだら、平熱に下がりました。私は役場は急遽休みを取りました」と、娘さんの頭を撫でながら彼女は言った。「子どもって、すぐに熱を出すらしいね」と私が言うと、「そうなんです。大変です」と言っていた。

子どもが苦手な猫たちはどこかに隠れているようだった。


子ども達と折り紙を折って遊んだ。私が画用紙と色鉛筆を出してあげたら、喜んで私の絵を描いてくれた。

「うどんだったら、子ども達食べれるかな?」と友達に聞いたら、「文さん、すいません。一緒に作ります」と彼女が言うから、二人でうどんを作り、小さなお握りを握り、ふりかけをまぶした。


居間に運んで、みなに麦茶を注いで、四人でお昼ご飯を食べた。私は上の子どもの食事の世話をした。まだお箸が使えないから、小さなフォークを使って食べていたが、麺が長いみたいだったから、麺を箸で切ってあげた。ふりかけおにぎりは気に入ったみたいで、もりもりと食べていた。

私も自分の分のうどんと小さなおにぎりを食べた。

友達を見たら、小さい娘さんがぐずっていて、「文さん、すいません」と言って、授乳していた。そして娘さんは寝てしまったから、私は和室にお布団を敷いてあげた。やっと友達はうどんとおにぎりを食べた。


私は食後に昼薬を飲んだ。

食器を洗ってから、私は和室にお布団を敷き詰めて、友達に「お昼寝しようよ」と言って、みなで寝た。


二時間くらい寝ていた。

お湯を沸かしていたら、友達も起きて来た。「コーヒー飲む?」と聞いたら、「豆を挽きたいです」というから任せた。「カフェインは大丈夫なの」と聞いたら、「もうたまにしか授乳しないから、飲んでます」と言っていた。

「文さん、浴衣なんですね。素敵です」と彼女に言われた。「ありがとう。一時期すごく痩せて、服が合わなくなって、仕方なく和服を着るようになったの。でも着るようになったら、意外に楽ちんで気に入ってるの」と説明した。友達も育児疲れからか痩せてしまっていた。だけれど、痩せたね、とは彼女に言えずにいた。

コーヒーを淹れて、先日隣村のケーキ屋さんで買った焼き菓子を出した。友達はフィナンシェを選んだ。私はマカロンを選んだ。

コーヒーを飲みながら、「また温泉に行きたいねー」と言ったら、「いいですね、家を建ててから、なかなか行けてないんですよ。ラインしますね」と言ってくれて嬉しかった。

彼女は二年前に家を建てていた。旦那さんは仕事がお休みの時には、大工さんに混じって働いていた。旦那さんが趣味で集めていた骨董品が贅沢に生かされたお宅で、遊びに行くと居心地が良かった。

友達はホラー漫画が好きで、私が唯一集めていた作家さんの漫画をあまりに絶賛するから、私はもう読まないし、彼女にあげたのだった。友達からは、はかない感じの女性のイメージを受けていたから、そのギャップが面白かった。他にも彼女はダンスも好きで、私たちは二人でパソコンを見ながら、サングラス姿で踊ったりもしていた。役場の余興のダンスらしかったのだが、一緒に練習して楽しかった。彼女はとてもしっかりとした性格がいい子だった。仕事も出来た。


子ども達は、まだ寝ていた。

友達に、「夕方から両親が来るんだけど、夕ご飯食べて行かない?」と誘ったら、彼女はスマホを取り出して、旦那さんに連絡を取っていた。「ご馳走になりたいそうです」と旦那さんの返事を教えてくれた。

私は母に電話して、「友達親子が一緒に夕食食べるよ」と伝えた。

母は毎月子ども食堂もしているから、母に任せとけば大丈夫、という思いがあった。


猫たちが空腹に耐えられなくなったのか、ニャーニャー鳴きながら、寝室から出て来た。ササミを蒸して、ちぎったのを餌に混ぜて与えた。よほどお腹が減っていたのか、唸りながら食べていた。そして食べたらまた寝室に隠れてしまった。

「六月くらいに、うちに来た猫なの。妊娠しててね、最初は大変だったよ。うちで赤ちゃん達産んだの。今は元気に育ってるけど。母猫は痩せちゃうし、心配したわ」と猫たちのことを話した。「文さん、猫好きですもんね。可愛い猫ですね」と彼女は言った。「子どもが怖いみたいで逃げちゃうの」となんで猫が隠れるのか理由を言った。


以心伝心できる友達、気を遣う友達、遠慮がない関係の友達、一緒にいて癒される友達、友達も様々だな、と思った。


母は四時くらいに来た。友達の娘さんたちにメロメロの様子だった。子ども達は、可愛い寝顔をして寝ていた。

三人で台所のに立ち、私が「母に何作るの」と聞いたら、「子ども達には、ハンバーグとポテトサラダ。大人はイワシのトマト煮と生ハムのサラダ、ジャガイモのチーズ煮、それとコンソメスープ、ピラフよ」と献立を教えてくれた。

友達と私は母を手伝いながら、私は友達に縁を切りたいけど、切れない友達がいる話を相談していた。母は聞いていたようで、「まだ連絡取り合っているの」と少し怒っていた。「うん。私の誕生日に来て、ホテルで食事して、次の日にここで調味料教室を開くんだって」と私が説明したら、母はもう黙って料理を再開したのだった。気まずかった。あとで、ちゃんと話そうと思った。


大皿を出して洗ったり、普段は桐箱に入れてしまっている全て絵柄や形が微妙に違う洒落たお皿も出して洗った。箸置きは硝子の金魚のにした。友達は金魚が好きで、大きな赤い金魚を三匹飼っていた。

私は箸置きを集めるのが好きで、色んな箸置きを持っていた。友達夫妻は趣味がいいから、うちにある良い器をみな出した感じだった。


チャイムが鳴って、出たら、友達の旦那さんだった。歩いて来られた。ワインを持って来て下さった。部屋に入って貰った。「冷やした方が美味しいよ」と渡されたワインは冷たかった。私はお礼を言って冷蔵庫になおした。


父もうちに来た。お風呂を沸かしてあげた。父はお風呂が沸いたら、入っていた。

友達夫妻にコーヒーを淹れて、「父は夕飯前にお風呂に入るんです。もう少しで出来ますから」と旦那さんに言い、友達には「手伝ってくれてありがとう。もう休んでて」と言って、私は取り込むのを忘れていたシーツ類や洗濯物を取り込んでたたんだ。


お風呂上がりの父に水を渡した。私も夕薬を飲んだ。ササミを蒸して、小さくちぎって、餌にまぜたのを、寝室に運んでやったら、猫達はニャーニャー言いながら、私の足元にすりすりとして来た。満足してから、餌を食べた。


子ども達が起きて、昼に作った折り紙で遊んでいた。画用紙に絵も描いていた。難解な前衛的な絵だった。


母の料理を皿や器に盛り付けて、居間の台の上に並べた。ワインとグラスを父に渡して、「いただいたのよ」というと、「気にしないで良かったのに」と旦那さんと二人でワインを飲み始めた。友達はまた夜に子どもさんが熱が出たらいけないから、飲まないようだった。オレンジジュースを一緒に飲んだ。子ども達にも小さなコップに注いであげた。母はビールを飲んでいた。

子ども達は、ハンバーグとポテトサラダ、ピラフがワンプレートに乗ったのを、一生懸命食べていた。フォークでハンバーグを小さく切ってあげていたら、中にとろけるチーズが入っていた。子ども達は喜んでいた。

大人達のイワシのトマト煮も美味しかった。母の好きなサーモンのお刺身と、ジャガイモのチーズ煮、生ハム入りのグリーンサラダ。サラダのドレッシングも母の手作りで味が良かった。

それからピラフとコンソメスープは、もう私は食べ切れなかった。


友達が、「お母さん、すごいですね。美味しいです。私、レパートリーがなかなか増えなくって」と言っていた。母は「私も全然料理出来なかったのよ。料理番組を見たり、本を買ったりして独学なの」と謙遜するから、「調理師免許持ってるんだよ」と私が言うと、友達は尊敬の眼差しで母を見ていた。


男性陣は二人でワインを飲みながら、話が盛り上がっているようだった。


「片付けまでします」と友達が言ってくれて、二人でお皿や器などを洗った。


私はみなの分のコーヒーを淹れて、台の上を友達に拭いて貰った。お菓子はオーガニックのオレンジピール入りのチョコレートを出した。

子ども達は、またお布団で寝ていた。母が「可愛い盛りね」と言うと、友達が「毎日が戦争です」と言っていた。

友達が「このチョコレート美味しいですね」と言ったから、他の違う種類のも二袋冷蔵庫から出して、小さな紙袋に入れて彼女にあげた。少しでも彼女に太って欲しかった。


「それでは、そろそろ。文さん、長々とお邪魔してすいませんでした。今度は家に遊びに来て下さい。お母さん、ご馳走様でした。美味しかったです」と、縁側の靴を取って、旦那さんと一緒に玄関から帰って行った。「玄関先でいいです」と言われて、四人親子を見送った。


母とお風呂に入って、隣県から来る友達について話そうとしたが、気分良さそうにしていたから、話すのはやめた。

猫たちの甘えっぷりは凄かった。今日一日我慢していたようだった。身体を丁寧に洗ってやり、タオルドライしてドライヤーで毛を乾かしてあげた。

私も髪を乾かして、歯を磨き、顔のお手入れをして、新しい浴衣を着た。


水を飲んで、就眠薬も飲んだ。


両親は布団を敷き詰めた和室で寝るだろうと、ソファーで寝ていた父を起こして、和室で寝るように言った。父は歯を磨いてから、和室の布団で寝た。


私はコーヒーのマグカップを洗ってから、寝室に入り日記をつけながら猫を腕枕にして寝た。





年下の友達は、とても魅力的です。

お読みくださり、ありがとうございます^ ^

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― 新着の感想 ―
[良い点] こんにちは! 7.8話の感想です^_^ 花火に流し素麺、広いお家で探検ごっこ。前回に引き続き、子ども達にとって夢のような時間だったのだろうなと思いました。文さんがもてなしたり、料理を作っ…
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