両親
両親との関係性も治療していく中で変わって行きました。
自宅に父に連れて帰って貰って、玄関の扉を開けたら猫たちがニャーニャーと鳴いて出迎えてくれた。母が「さっきまで寝ていたんだけど、あなたが帰って来たら鳴いて玄関に行ったのよ」と言うので、いじらしくなった。
手を洗い歯を磨いて、うがいをした。猫たちと一緒にシャワー浴びてを浴びて、母に猫たちをタオルドライするのを手伝ってる貰い、その間に私は浴衣を身につけた。髪にドライヤーをかけて乾かした。猫たちにも優しくドライヤーをかけて毛を乾かしてやった。病院に行った後はすぐに髪や身体を洗いたくなるのだった。
母に「何が食べた?」と聞いたら、「食べてない」と言うから、とんかつ専門店で作って貰ったカツサンドを皿に並べて、アイスコーヒーをコップに注いであげた。母は薄めのコーヒーが好きだったから、母の好みに合わせて薄めのコーヒーを作り、冷蔵庫で冷やしているのだった。
父はソファーに横になっていたが、起きて来て台所のテーブルの席に座ったから「何か食べる?パン買ったよね」と私が言うと、父は好物のカレーパンを食べ出したから、コップにアイスコーヒーを入れてあげた。
母は猫たちにねだられて、パンを小さくちぎったのを与えていた。父はカレーパンを食べ終えて、一服してからまたソファーに横になった。
母から「先生になんと言われたの」と聞かれたから、「主治医の先生は、相変わらずブラック・ユーモア満載だったよ。睡眠薬って国の決まりで、三種類までしか出せないそうなの。だから、先生にお願いして、脳の働きを穏やかにさせてくれるお薬と、気分を穏やかにしてくれるお薬を増量して貰ったの。カウンセリングの先生には、友達が来たり妹家族が来たり、親戚が来て躁がひどくならないか心配です、とご相談したの。間が空いてるから、眠れないというのはないですよって。それから、お客さんが来るからと何か特別なことはしないでくださいねって言われたよ」と母に二人の先生と話した事を話した。
「そうよ。大丈夫よ。だいぶ眠れるようになっているし。みな、文の病気の事を分かっている人ばかりだから緊張しなくて済むでしょ。それから変に頑張り過ぎると疲れるよ。掃除も手抜きでいいのよ。文は綺麗好きだもんね」と母に言われた。「綺麗好きのつもりは無かったけれど、猫たちと暮らすようになって、掃除はよくするようになったね。猫と暮らすとうつになってるどころじゃなくなるみたい」と私が言うと母は微笑んでいた。
母に「お昼寝しない?」と聞いたら、「寝る」と母は言ったので、和室にお布団を二組敷いた。ソファーに寝ていた父を起こして、お布団に移るように言った。その横に母はルナと寝た。
私は寝室のベッドに他の猫たちと寝た。
病院まで約一時間かかるので、病院から帰ると疲れてしまっているのだった。
起きると約二時間たっていた。
和室を覗いたら、まだ両親は寝ていた。
冷蔵庫の中に入っているもので、夏野菜とツナのパスタとミネストローネを作ることにした。
作る前にまず猫たちに餌をあげた。
パプリカやパーマン、玉ねぎを切り、野菜をツナ缶の油で炒めた。
トマトは一個を一センチ角に切り、トマトの水煮缶も中をあけて、中身を包丁でカットした。玉ねぎも大きめの微塵切りにし、ベーコンは一センチ幅に切った。鍋に移してローリエを一枚入れてコンソメキューブを一個入れて、沸騰してからアクを取りながら煮込んだ。
大鍋に水を入れてパスタを茹でるお湯を沸かした。水が沸騰してから、お塩を小さじ一杯入れて、菜箸でお塩を溶かした。パスタを三人分入れて麺を菜箸で時折混ぜて時間を測りながら茹でた。ザルにあけてオリーブオイルを麺にからめた。パスタの具に味付けをしてから、茹でた麺を入れて炒めた。
ミネストローネに塩や胡椒で味を整えた。
時間は六時過ぎだった。
母に「夕ご飯出来たよ」と私が言うと起きた。父も起きた。
母は冷蔵庫の中身を見て、「このササミは猫用よね」と私に聞いて来た。「うん。好きなのよ」と私は言った。
母は「買い物に行ってくる」と言って、車に乗って出掛けた。
私は父とアイスコーヒーを飲みながら、煙草を吸った。
「母さん、どこに行ったんだ」と聞かれて、「スーパーじゃない?買い物しに行く、と言ってたよ。今日ね、イタリアンなの。赤ワイン飲む?」と私が父に聞くと「いいな」とニコニコ顔になった。
母は野菜とお刺身の鯛の冊を買って来た。母に習いながら、私はお刺身を切って行った。難しかった。
母は玉ねぎとパプリカをスライスして、皿に並べて、私は母に言われる通りに切ったお刺身を並べた。最後にベビーリーフをかけて、母が作ったドレッシングをかけて、カルパッチョの完成だった。
私は猫用に二切れ、お刺身を取っていた。小さくちぎってお皿に並べたら、猫たちは唸りながら食べていた。
父と母にはワイングラスを二つ出してあげた。でも母はビールを飲んでいた。私はオレンジジュースを飲んだ。
もう夏だし、オカズは温め直しはしなかった。カルパッチョが美味しかったから、母に「美味しい」というと、「また今度違う魚で作ろうね」と言ってくれた。
父は一人で一本ワインを飲み、ご機嫌に妹にスマホで電話を掛けて姪っ子と話していた。母も姪っ子と話したいみたいで、ソワソワしていた。
私は一服してから、夕薬を飲んだ。
両親と温かいコーヒーを飲んだ。
両親がお風呂に入っている間に洗い物をした。
就眠薬を飲んで、歯を磨いて、ベッドに横になりながら日記をつけて、今日の病院のカウンセリングノートのまとめもしてから、九時には寝た。
翌朝、起きたら八時過ぎだった。両親はもういなくて、居間の台の上に『寝ているから起こしませんでした。猫ちゃんたちには餌とササミを蒸してあげました。今日も来れたら来ます。』と母の字でメモ書きが置いてあった。
外を見たら、曇り空だったから、シーツ類は洗えないな、と諦めて、私は顔を洗い肌のお手入れをして、歯を磨いた。猫たちが足元に来てニャーニャー鳴いてまとわり付くから、「朝、お母さんからササミを貰って良かったね」とそれぞれの身体を撫でてやった。ついでにブラッシングもした。
朝薬を飲んで、食欲が無かったから、オレンジジュースとヨーグルトだけ食べた。
第一弾の友達ファミリーが来るのに合わせて、部屋の掃除を少しずつ始めた。一日二時間と決めて掃除をした。
掃除に満足してからは、花瓶を出して花を生ける為に、どれがいいか選ぶのは楽しかった。
少しだけ模様替えもした。飾っている絵を替えたのだった。
昼薬だけ飲んで、くたびれてベッドに寝た。
起きたら、母が「文、頑張ったみたいね。夕ご飯はお母さんが作るから、寝ていなさい」と言われて、「猫たちに餌をあげてね」とだけ言って私はまた寝た。
父に起こされた。「ベッドで寝たいが、猫の毛だらけになりそうだな」と言われた。時刻は七時過ぎだった。
アジの開き、胡瓜とタコの酢の物、ピーナッツ豆腐、練り物の揚げたものがメニューだった。
両親はビールを飲み、私はノンアルを飲んだ。
お風呂を洗い、お湯を溜めた。父が一番風呂に入り、母と私は一緒に入った。
母と入浴しながら、ぼんやりと『良く見せたい自分がいるのではないか』『見栄っ張りなだけじゃないか』という思いに囚われていた。
母は猫たちの身体を洗うのに専念していた。
私は身体を拭いてから髪にタオルを巻いて、別の浴衣に着替えた。髪をドライヤーで乾かしていたら、母が「猫ちゃんの身体を拭いてー」と浴室から脱衣所に置いたから、身体をタオルで拭いてやり、ドライヤーを優しくかけて毛を乾かしてやった。ココは毛が柔らかく、ルナは毛に艶があり、ナナはいわゆる犬毛で毛が硬く、ニコは一番母親に似ていた。
ニャーニャー鳴くので、ササミを蒸してちぎって与えた。
母はお気に入りのルナを抱っこしていた。
私は顔の手入れをして、歯を磨いて就眠薬を飲んで、猫たちと寝室に入って、本を読みながらいつの間にか寝ていた。
文は嫌なことがあると、すぐに寝てしまいますね。。。