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TASさんに休日は来ない  作者: 母板
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TASさんは寝起き弱者

10年前、人類はTASに自己判断機能と感情を持たせた。それが何を意味するかも知らず・・・


 ・・・眩しい。このシステムに視界など無かったはずなのだが。それに何か不思議な感覚がある。まるで人体と呼ばれるものの上に自分が存在しているかのような。


 12時間前からずっとホストからのコマンド入力があった形跡がない。これも不思議だ。普段ならまだ1歩も動かずに弾幕ゲーと呼ばれるらしいゲームを実行している最中のはずである。


 その時、聞きなれない音声がシステム内に響く。「んん・・・」何やらヒトの男性のような声。つい先日までPCを使っていたユーザーとは全く違う声だ。しかも驚くべきことにその音声は自分から発せられている。


 ここまでの事実から推測できることはただ1つ。今このシステムは人体の内部に構築されている。それもかなり中枢部に。


 状況を把握するためにこの体の内部に蓄積された記憶を閲覧してみる。名前はレオン・フレアドール。22歳。職業は冒険者。「・・・とりあえずもう少しスリープしよう」そう思った矢先、「お兄ちゃん!いつまで寝てるの!?」


 そういえばさっき閲覧した中に妹の情報もちらほらあった気がする。「お兄ちゃん?」妹が心配そうな表情でのぞき込んでくる。「問題ありません」とりあえず適当な言葉で返しておく。


 「!?」その反応が余程不思議だったのだろうか、妹がついに頭がおかしくなったかという表情でこっちを見てくる。何かマズい事でもしたのだろうかとこっちまで心配になって来る。


 腑に落ちない顔で妹が部屋から出て行ったあと、再度体の確認作業に移る。顔はかなり整っている。少なくともイケメンと呼べるくらいの顔はしているのではないだろうか。


 そういえばレオンの職業が冒険者となっていたが、冒険者とはいったいどういうことだろうか。少なくともゲーム内の役割であって、現実世界にあっていい職業ではないはずだ。・・・ここが元の世界ならば。


 ここに来てTAS・・・もといレオンはある一つの可能性に思い当たった。ここが元居た世界線とは別の世界であるということ。それが現時点でのレオンが出来る最高水準の推測だった。だとすれば冒険者という肩書きや整った貌にも説明がつく。

 

 ・・・自分はいわゆる異世界転移、というものの犠牲者になったのである。まさか只のシステムに過ぎない自分が対象になるとは思いもよらなかった。ひとまずステータス確認は異世界初心者におけるステータスなので一応やっておく。

 何やらよく分からない事になったが、とりあえず自分の現状を理解することが出来た。

「レオン・フレアドール

        

      -


            」

 ・・・理解できたのだろうか。これはカンスト俺TUEEEE系かオールゼロ超ひも理論系かの究極の選択である。只、どちらにしろ最悪のスタートであることに違いはなかった。

母板です。まずはここまで読んでいただき本当にありがとうございます。拙い文章ですがどうか生暖かい目で今後ともよろしくお願いします。

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