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異世界無能者の観測記録  作者: ホムポム
第1章
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記憶喪失

「大丈夫〜?お水飲めますか〜?」

赤い髪をした小柄な女性が

竹の水筒を手に持ったまま覗き込む



いつの間になのか青髪の、大柄な女性の柔らかくも

引き締まった腕で、優しく支えられていた


「意識はあるみたいだな

ゆっくりでいいから飲みな」




その言葉を聞き

赤髪の女性が水筒を差し伸べてくれる 


それを手にとり口に含む 

すると全身に水分が行き渡るのを感じ

夢中で水を飲む



「気にせず全部飲んじゃっていいからね〜って 

もう飲んじゃってるね」

赤髪の女性はホッとして腰をその場におろした



「落ちついたか?

いくつか質問したいのだが、まだ無理か」

青髪の女性は心配そうに、俺を見つめている



「……大丈夫……ありがとう助かったよ」

かすれた声を出しながらそう言うと


「そうか良かった……」


と笑みを浮かべ少しだけ息を吸うと

「まず名前は?何故ここにいる?、なぜ倒れていた?

一人で森に入ったのか?

水や食料はいつから口にしていない?」

と まくしたててきた



「はい ヴァネッサちゃんストーップ

そんなんじゃ、誰だって混乱しちゃうよ

1個ずついきましょ〜」

赤髪の女性がドウドウと肩を

揉みながら落ち着かせ



「あぁ……悪いそうだな」

と肩の力を抜き


「まずは自己紹介からかな

私はヴァネッサ.ラウ。主に護衛や傭兵などをを

生業にさせてもらっている」

青髪の女性が 凛とした声で言い



「はい次は私ね。ミカ.レミナス

ヴァネッサちゃん風に言うと

主に神に仕えることを

生業にさせてもらっている」



と微妙に似ているマネをして

頭を小突かれていた


「というわけで最後は君だよ!どうぞ〜」

明るく俺に両手をヒラヒラさせながら

俺の言葉を待っている



数秒の間をおき

「ゴメン………わからない名前……

自分のことが何も思い出せない」

自分で発言したことに愕然とした





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