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第二話「探れ」

今回は短めです。

なんていうか……若干夏バテっぽいです……。

「見つけましたぁ!!」

「ヤシの実じゃないですか。今は、この現象の原因を探っているんですよ? サシャーナさん」


 地球はいまや、大寒波かのように気温がだだ下がりだ。世界が変わり、色々と地球の政府機関も変わってきたが、それでもまだまだ発展途上。

 こういう大規模な異変には、対応しきれない。なので、俺たちのような専門家……と自分で言うのは、あれだけど。政府からは、公認されているので、専門家と言っていいんだろうけど。

 ちゃんと、政府機関から、今起こっている現象の解決の依頼がメールが届いている。


「いまや、極寒地帯となったこの南の島では貴重な食料ですよ」

「まだ、ここはマシですよ。けど、他のところは」


 各所のニュースを確認したが、やはりかなりやばいことになっている。国によっては、雪が降っているところもあったな。

 完全に冬タイヤではないため、スリップしてしまう車が多数。プールや海に遊びに行っていた者達は、冷たくてたまらず帰宅。政府からは、解決するまで安全なところで待機するようにと通達は出ているはずだ。


「だよね。まだ変わって間もない頃は、そこまで大きなものがなかったけど。今回のは、過去最大の異変だね」


 ちなみに今調べているのは、俺の神としての力を使って地球全体見詰めている。所謂千里眼のかなりすごい版みたいなものだ。

 これは、ニィもできるので、二人でやっている。背をくっつけ合いながら、俺が東側で、ニィが西側だ。


「ニィ、何かわかったか?」

「そうですねぇ……あっ!」

「なんだ?」

「お夕飯の準備を忘れていたのです!?」

「……早く解決して、準備しよう。俺も手伝うから」

「はーい、なのですー。あっ!!」


 今度はどうしたんだ? さすがに、この流れでボケるのは。


「学校の戸締りを忘れたのです!!」

「……俺がしておいたよ」

「ありがとうなのですー、さすが創設者さん」


 ニィは、こんな時でもいつも通りで、俺は安心しているよ。それとも、わざとこんな風にして、空気を和ませてくれているのか。おかげで、有奈も笑ってる。


「この風は……」

「お? 風神様、なにかわかりましたか?」


 と、華燐が小さく笑いながら何かを感じ取ったリリーに問いかける。


「も、もう! 風神様って言わないでよ! あ、あたしそこまですごくないんだから。刃太郎さんとかと比べたら……」

「まあまあ、神様ってことには変わりないんだし。それで、何かわかったの?」


 リリーは風を感じることで、色んなことがわかる。他のものにはわからない風に乗ってきた匂いなども察知することができる。


「う、うん。なんだか、まだ温かい風を感じるんだ」

「完全には消えていない、もしくは空間切断された夏が、どこからか漂っている……か」


 そう考えると、犯人はまだこの地球に潜んでいる可能性もある。


「華燐。今、この地球を覆っている結界をどう思う?」


 俺も神になったとはいえ、全知全能というわけではない。所詮、俺は成りたての神。それに、こういう結界だったら、華燐に聞くのが一番だろう。


「そうですね……確かに、強力且つ広範囲の結界ですけど。なんだか、ムラがあるような気がします」

「ということは、計画的に見えて、無計画なところがあるってことですかね?」


 皆のために飲み物などを用意しながら、サシャーナさんが首を傾げる。


「そうですね。もしかすると、夏を奪ってはみたものの、その後のことを考えていなくて、とりあえず隠れるために結界を張った、みたいな感じでしょうか?」

「な、なに? その当たっていそうな例え話」

「でも、華燐の例え話が本当だったら、今回の犯人……」

「相当馬鹿ってことですねー」

「なんで、こっちを見るのよ」


 リフィルも、だるそうにしながらも働いてはいる。しかし、休憩が多いな。

 それにしても、今回の事件はかなりやばいが、犯人は馬鹿? 

 とはいえ、馬鹿ほど何をしでかすかわからないから、それはそれでやばいかもしれないな。


「よし! とりあえず、大体のことはわかった。一度、このことを政府に伝えるから、しばらく休憩だ」

「ふぃ……久しぶりに、広範囲で千里眼を使って疲れたのですぅ」

「では、疲労回復のための飲み物を」

「ありがとうなのです」

「皆さんもどうぞ。あっ、刃太郎さん! 私もついていきますー!」

「あー! あ、あたしも!」

「いや、ただ連絡するだけだから、一人でいいんだけど」


 俺は、パソコンを取り出し、各政府へ今わかったことをメールに書き込み、一斉送信する。それが、終わり、サシャーナさんから貰った飲み物で喉を潤す。


「ふう、そういえばロッサ達は、どうなってるんだろ?」

「あいつらなら、世界中を飛び回ってるみたいだぞ」

「ということは、闇雲に探しているってことですか?」

「そうですね、当然のようにコトミちゃんとコヨミも一緒です。心配じゃないですか?」


 コトミちゃんとコヨミは、真魔帝軍の一員となっている。そのため、天宮の一員たるサシャーナさんは、心配じゃないのかと。


「大丈夫です! コトミ様とコヨミ様ならば! それに、ロッサ様も居ますしね! なので、私はいつでもどこでも刃太郎様のお傍に居られるようにと!!」


 元気よく、俺の腕に抱きついてくるサシャーナさんを見て、リリーがなぜか頬を膨らまし、空いている腕に抱きついてきた。

 う、うわ……なんだこの状況。最近、サシャーナさんもだけど、リリーも過剰なスキンシップを取る時があるから、気が抜けない。


「サシャーナさんは、卓哉さんの秘書ですよね!? こ、こんなところに居ていいんですか!?」

「大丈夫です! ほら! 卓哉様の公認なので!!」


 あの人は……あっ、卓哉さんか。あの人達にも、連絡をしておいたほうがいいよな。

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