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階段の数が…

作者: 神名代洸

僕の家は昔からある二階建て。

だから当然階段もある。

でもね、その階段…ちょっとおかしいんだ。

だってさ〜毎回数が変わるんだよ?本当変だよね。

学校の怪談なら七不思議の1つと言われても仕方がないけど、僕の家の階段だからね。何といったらいいのか…。

時々だけど13段になるんだよ?おかしくない?

13という数字はあの恐怖の映画を連想させるよね。

13日の金曜日。

そう、ジェイソンだ。


その日の夜、僕は嫌な夢を見た。

そう、ジェイソンに追いかけ回されるという恐怖しかないものだ。

逃げ回る僕は徐々にジェイソンに追いつかれてしまい、斬り殺されるという…汗びっしょりかいている。

まだ息も荒かった。

それでも気持ち悪いので服を変えにタンスのある部屋へ急ぐ。

タンスからは着替えを一式だし、その場で着替える。この時間は誰も起きていないので、ある意味静かだ。でもね、悪寒が止まらなかったんだよ。なんでだろうね。

着替え終わり、一式を洗濯カゴへと放り込む。その時隣の部屋でミシッと音が聞こえた気がした。多分気のせいだよ。うん、そうだ。僕は嫌な夢を見た後だったので、逆にそう言う風に敏感になってるんだろうなと思い込んでいた。

でもまたミシッと音が聞こえる。誰かが起きているのか?まさか…ね。だって今夜中の2時だよ?寝てて当然の時間だ。

そんなのに何しに起きてるのか…気になった。

だからね、音がする部屋へソロリソロリと歩いて行く。

なぜだか忍び足になっていたのには全く気づかなかった。ただ、音がしなかったのだ。足音…というものが。


部屋についた時、その部屋はなんの変哲も無いただの部屋だと気付いたが、音がしないか聞き耳を立てていた。でもね、何にも聞こえないんだ。可笑しいよね。

さっきまで聞こえていたんだよ。それは間違いない。でもなんで?

その時足元を何かが通り過ぎた。何?

真っ青になった僕は足元を見るとそこには飼っている猫がいた。

「なんだよ〜。脅かすなよ。」

その時になって初めて僕は両手に汗びっしょりかいているのを実感した。

何も無いのを確認すると僕は自室へと戻って行った。

そして今度は頭から布団をかぶる。

そして目を瞑り眠ろうとした…。

ピシッと音がした。

今度はなんの音?

パシッ。ピシッ。



今度は何処から?



耳をすませて聞いてみたが、どうやら階段あたりから聞こえてきているかのようだ。ピシッ、パシッと音がする。

これってもしかして霊が出てるってやつか?

まさか…うちが?


僕は信じられなかった。

眠気も何処かに行ってしまったようだ。

布団をガバッとめくり、階段へと急ぐ。

すぐに階段まで来たが、ピシッ、パシッという音が聞こえてくるのは変わらなかった。

僕はガタガタと震えてしまった。

怖いよ〜。

でも、霊らしきものはまだ見えない。というかこの階段の電気、暗くしてあるから見えないだけかもとスイッチを押した。しかし何度押しても電気はつかない。

寝る部屋が2階な為、階段を降りようと手すりを掴んだ。その時ひやりと何かに触った気がした。

慌てて手を引っ込める。

慌てて階段を降りたが、何故か数を数えていた。1、2、3…11、12、13、?13?ガクガクと足が震えた。



両目をつむりそしてパッと開けた時の驚きはなかった。すぐ目の前に髪の長い女性が立っていたのだ。それが誰なのかは分からなかったが…。下を向いたままなので誰かはわからないが、片手を上げて僕を捕まえようとしている感じがした。

慌てて僕はさっと後方へ下がった。でもね、握られたんだよ。まるで氷のような手だった。

「うわっ、うわー!」

慌てて叫んでしまったが、誰かが起きてくる気配はない。


それ以降の記憶はない。

ゴッソリと抜け落ちてしまったかのようだ。

良かったと思いたい。

髪の長い霊が僕を捕まえてどうしようとしていたかなんて知りたくもなかったから…。

あとあとになって両親にそのことを話すと真っ青になった両親の顔が目に焼き付いて離れなかったよ。

聞いてみると昔、何代か前の先祖が殺されたと言っている。それも僕が生まれたその日に。

怖いよ。

正直…。

でもね、考えないようにしていたらある日とても怖い思いをしたんだ。

階段の隅に盛り塩を置いてあるんだけど、その山が崩れていたんだ。その時だった。昼間だと言うのにその場所は寒く、凍えそうだったのだ。窓もないので風など入ってこないはず。でも吹いたんだ。風が。

そしてあの女性の霊が現れた。


「ひっ!?」

叫んでいた…。

家族は誰1人家にいない。

恐怖のあまりちびりそうになったよ。



「ごめんなさい、ごめんなさい。何がして欲しいのかわかりません。すみません。」

僕はそう言いながら両手を合わせて祈った。すると目の前にいた女性の霊はフッと消えたのだ。

一体何がしたかったのだろう…。

僕は未だにわからない。それにそれ以降、階段の数は12段になるだけとなった。ホッとしたよ。これでもう悩まされることもない。

でもなぜ女性の霊が現れたのかが未だにわからない。まるで何かを探しているかのようだ。でもそれが物なのか人なのかはわからないままだったのだが…。

今は日常生活を普通におくっている。

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