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星座が導くままに、進め、少女たち。  作者: 大川魚
黄道十二宮を探せ
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第十三番 時間の問題

フェニックスとの接触を果たしたユメノたちは無事に手がかりを掴むことが出来るのか。心配ですね。


 「何でしょう?」

 不謹慎なお願いとは何なのか。ユメノには見当もつかなかった。

 「さっきも言ったと思うけどね、俺は『黄道十二宮』の力について知りたいんだ。そこで、ユメノちゃんの願いにもし、力を使うことになった時は俺も立ち会わせてほしい」

 軽く頭を下げるフェニックス。大人の人だなってユメノが思うくらいには、フェニックスから何かしらのオーラが溢れていた。

 「私は、大丈夫です。はい。フェニックスさんの学問の助けになるのであれば!」

 天文学の一部に自分の経験が含まれる可能性があるということから、ユメノは少しワクワクした感じで答える。

 「そうか!ありがとう。さて、遮っちゃった話というか質問の続き、教えてよ。ユメノちゃん」

 すっかり忘れていた。フェニックスさんに質問することを。何を質問したかったんだっけと首をひねるユメノの隣に座っている雨音が代わりに質問する。

 「フェニックスさんはどこまで『黄道十二宮』の情報を持っているんですか?それと……あの子たちは……」

 公園で遊ぶ男の子と女の子、そしてフェニックスの隣に座る青年を見やる。

 「ああ、そこは重要だね。うん。俺が持ってる『黄道十二宮』についての情報は彼らが十二人揃うと一回だけ力を使うことが出来るってことかな。そして、力を使ったとしても化身であることには変わらず、子孫に遺伝する。一回だけ使える力というのは正式にはこの限りではなくて、十二全員が新しい化身つまり子孫に化身が移った場合、再び力を使えることが出来る」

 指を使いながら分かりやすく説明するフェニックス。さすが学者だなと思う知識。

 「『黄道十二宮』の化身本人でも結構知らないことあるのねぇ」

 ぼそっと呟く雨音。

 「そして、いや、この話は参考程度に。まず、黄道十二宮とは、太陽の通り道である黄道を経過している十三星座のうち、蛇遣い座を除いた十二星座のことを言うんだ。まぁ、星座じゃなくて領域のことだと考える人もいるかな」

 化身というくらいだから星座の方がしっくりくるなと考えるユメノと雨音の姿がそこにあった。

 「あれ?蛇遣い座って……」

 初めて聞く星座の名前。知名度の低い星座。蛇遣い座。だけど私は確かにこの星座を知っていた。だけど、習ったとか教えてもらったとかじゃないんだけど、なんでだろう。

 ひとり悶々と考え込むユメノをさておき、フェニックスは再び語りだす。

 「まぁ、蛇遣い座については、まだまだ謎が残るんだけど、その化身は既にこの世界には存在しない。末裔は自身の役割に耐えられず焼身自殺を選んだそうだ。蛇遣い座の化身とはいったいどんなものだったのか……。命を捨てさせるほど残酷なものだったのか……。実際にそんなことがこの世界にあってもよいものなのか……」

 焼身自殺……。この言葉を聞いてユメノは真っ先に自分のお母さんのことを思い出した。

 お母さんと同じく焼身自殺を選んだ。もしかしたら、蛇遣い座の化身だった人も、大切な人がいたんじゃないのかな。それでも、その存在をこの世界に残して……。いや、もしかしたら大切な存在に裏切られたとか?

 フェニックスが言う通り、謎が多いと思ったユメノは小さくため息をつく。



 「さて、この話はここまでにしよう。次に俺は『白羊宮』と『金牛宮』、『磨羯宮』の化身達がどこにいるかという情報を持っている。もちろん今から彼らを探しに行くつもりだけど……ユメノちゃん達も来るだろ?」

 大きく頷く。もちろんです!なにより、フェニックスの持っている情報はユメノたちの大きな促進につながる。

 「はい!行きます。あ、でも、フェニックスさん!『金牛宮』は既に了解を得ています。『黄道十二宮』の化身全員が揃うとき、連絡を入れてと言われたので!もちろん連絡先もあります」

 ミシェルに貰った連絡先の書かれたメモをフェニックスに見せ、また、それを確認したフェニックスも了承した。

 「よし。とりあえず全員揃えるまで時間の問題になってきたってことかな。それはそうと、さすがにそろそろ自己紹介しておきましょうか」

 雨音はうんうん、と頷いた後、笑顔で言った。



 「初めまして。『獅子宮』の凛音です。普通に生活するのも飽きたんで、獣医を目指して専門学校に行こうと考えたけど、ちょうどフェニックスさんに会って、旅することにしました」

 なかなか大きな声ではっきりとした声で凛音は自己紹介をする。身長が高く、髪はワックスでセットされていて、かっこいい感じがする。

 「……『天蠍宮』の杏樹です……」

 無口で何を考えているのかわからない表情の女の子は見た感じ、双子と年が近そうだ。この年でそんなに無口だと、何かありそうな感じがする。

 「えっとね、杏樹ちゃんは両親がキリスト教信者で、その流れで修道院に居たんだよね?キリスト教以外を認めない組織だったから化身だったことを隠すために無口になっちゃったんだよね?」

 フェニックスが杏樹の頭を優しく撫でながら説明を追加してくれる。『天蠍宮』であることで苦労をしたということがうかがえる。そんな杏樹はフェニックスに懐いているのか撫でられて嬉しい表情をしつつ、説明に対して、頷いている。

 「僕は『人馬宮』の西中島。化身であることで小さいころから命を狙われた。それが原因で親は死んだ。僕、ずっと一人で路上生活してた。その時、フェニックスさんたちに拾ってもらった」

 先程まで杏樹と同じく無口だった西中島が勢いよく話し出した。なかなか波乱な状況を生きてきたということがうかがえる。命を狙われた上に両親を亡くしたという西中島が可哀想に思えて仕方がない。

 フェニックスと旅をしていた三人の自己紹介は終わった。ユメノと旅をしている七人の自己紹介が始まる。そういえば土師の自己紹介は初めてだった。

『双魚宮』『双児宮』『処女宮』『巨蟹宮』『天秤宮』『宝瓶宮』に『獅子宮』『天蠍宮』『人馬宮』が加わり、フェニックスの情報から『白羊宮』『磨羯宮』を見つけるのも時間の問題となってきました。

果たしてこのままの勢いでユメノは願いを叶えることが出来るのでしょうか。

乞う、ご期待!!

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