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星座が導くままに、進め、少女たち。  作者: 大川魚
黄道十二宮を探せ
13/39

第十一番 答えを見つけるために

土師はぜです。

そして、物語内の日付は四月十一日なので、雨音は既に誕生日を迎え、二十歳になっています。

年齢について詳しく説明していなかった気がしますので、この章で確認していただきますようお願いします。

 ユメノたちの目の前にいる男性二人のうち、薄い生地のコートを羽織っている方の男性には見覚えがあった。というかその男性は枚方であった。

 「えっと、えーと。ユメノさんたちの知り合い?」

 この状況で唯一驚いていない人物、撫子はゆっくりとユメノの方を見つめる。

 「ユメノ?ああ、彼女たちが枚方が言っていた旅人たちか。なるほどね。俺は『宝瓶宮』の土師だよ」

 そういえばもう一人いた。この状況に驚くことのない人物が。自己紹介がよりこの場の空気を混乱させてしまった。

 「あ、ユメノです。は、土師さんと枚方さんって知り合いなんですか?というかあれ?『宝瓶宮』ということは……」

 とりあえず、ユメノたちが座っていたテーブルに枚方と土師が一緒に座ることになった。左から順に友里亜、ユメノ、雨音、撫子が座っている。友里亜の向かいには颯真、ユメノの向かいには土師、雨音の向かいには枚方、撫子の向かいには楓真が座っている。

 「ちょっと混乱させてしまったね。うん。申し訳ない。じゃあ、気を取り直して、乾杯といこうか!」

 コーヒーカップをあたかもジョッキのように構える土師に対してノリノリに返したのは双子だけだった。枚方は明らかなため息をつく。

 「違うだろ。土師さん。……ん、久しぶりだな。ユメノ」

 閑話休題され、枚方はまず口を開く。

 「お久しぶりです。枚方さん」

 空気を察したのか土師は静かにコーヒーをすすっている。ユメノは目線をどこに向ければいいのか分からず、身長的なことも含めて枚方の首の位置を見つめることにした。

 「あれから、俺なりに考えてみたんだ。自分の力……というか、『黄道十二宮』の力が本来どういった使われ方をされるべきか。やっぱり俺にはユメノの願いを叶えるというのは正しいこととは思えなくてな……」

 下を向く枚方。対してユメノは顔を上げる。枚方の表情を確認しようとした。

 「そう……ですか」

 壁にぶち当たった感じがした。大きな壁が、ひょっとすると壊すことのできない壁なんじゃないかと思うくらいに。

 「でも、誤解しないでくれ。俺は、力の使われ方の話をしているだけで、ユメノの故郷の復興の願いそのものを否定しているわけじゃないから。むしろその年齢でよく頑張っている方だと思うよ」

 目線をもとの位置に戻した枚方とユメノは目が合ってしまった。そらすのも変な感じがするので、見つめることにした。

 枚方の隣で土師がユメノの顔を覗き込んで首をひねった。

 「ふーん。見た感じだとユメノちゃんって十三歳かな?もっと若い?」

 この場の空気が乱れた。土師はどうやら、空気をぶち壊す天才なのかもしれなかった。しかしまぁ、重苦しかった空気が一瞬明るくなったのは撫子の笑い声も含まれているからだろう。

 「確かに私、平均身長よりも低いですが……。そんなに子供っぽく見えますか……。雨音ぇ、私、そんなに子供っぽく見える?」

 今にも泣きだしそうなユメノは雨音にすがる形で確認する。さすがにユメノは若く見られたとポジティブ思考に転換することは出来なかった。

 「土師さん、ユメノは十六歳ですよ。今年十七歳になる女性ですよ……」

 枚方は頭を抱えながらいう。どうやら土師の扱いに慣れているようだ。

 「はっはっは。冗談冗談。さすがに十三歳ってのは冗談さ。へぇ。十六歳ね。うん。俺の可愛い妹と同い年か。これから君のことを妹みたいに接していこうか」

 もう好きにしてください……。って、あれ。これからも接するってことは……

 「枚方さんの話を一時中断させていただきますね。そして、土師さんは、私たちの旅に参加してくださるんですか?その言い方からですと」

 友里亜は冷静にかつ鋭く質問を飛ばした。飛ばされた質問をしっかりと受け止めた土師は答える。

 「そうだね。枚方が何と言おうとも俺は旅に参加したいかな。最も、俺自身も枚方と同じ疑問に至っているんだけどね。しかし、この旅の中でその答えを見つけるのは自分自身じゃないかな。何も枚方に限ったものじゃないけどね。ちょっと、ややこしい言い方になったけどわかるかな?」

 友里亜は一度目をつぶり、ゆっくりと目を開ける。

 「『黄道十二宮』の力の使われ方は誰かが決めてくれるものではないと。疑問に感じる人はもちろん疑問に感じない人も自分で決めるものだ、ということでしょうか」

 いったいどこからその解釈になったのか、ユメノには分からなかったが、土師には満足な解釈だった。

 「うん。まぁ。そういうことになるかな。友里亜ちゃんは自覚済みのようだね」

 土師は笑った。クールにという言い方が似合う。

 「『黄道十二宮』の力の使われ方……」

 悩む。そんなことを言われてしまったら、私の願いのために力を使うことがなんだかよくないと言われているようで。

 「見た感じ。ユメノちゃんはまだそれについて悩んでいるみたいだね。まぁ、旅はまだまだ続くんだろ?まだまだ時間があるんだから、ここから見つけることが出来るんじゃないかな」

 土師が優しくユメノを導くと雨音が静かに呟く。

 「ユメノが自分で答えを見つけられるようになること、私も願ってる。ずっと傍で」

 雨音の宣言がきっかけとなり、颯真と楓真、友里亜、撫子も傍にいると言ってくれた。

 「ん。俺も。一緒に答えを見つけていきたい。だから、俺も旅に加えてほしい」

 照れくさそうに頭を掻きながら枚方はユメノに聞く。

 「枚方さん!もちろん。一緒に、答えを見つけていきましょう!」

 嬉しかった。見えない壁にぶち当たった感覚は消えないが、それでも枚方が一緒に来てくれると分かったことで、ユメノは前に進める勇気を得たのだ。

 「では、改めて、自己紹介といきますか!」

 土師の合図とともに雨音たちは自分の星座のマークを意識しだして自己紹介を始める。

 右手の平に魚座のマークがある二十歳の雨音。

 左鎖骨に双子座のマークがある十歳の颯真と右鎖骨に双子座のマークがある十歳の楓真。

 左胸に乙女座のマークがある十八歳の友里亜。

 左下腹部に蟹座のマークがある二十一歳の撫子。

 額の左側に天秤座のマークがある二十三歳の枚方。

 腰の右側に水瓶座のマークがある二十七歳の土師。

 彼らと共にユメノは答えを見つけられるのか。


一気に男性が増えましたね。よかったです。土師はやはりお兄さん的ポジションですね笑

さてさて、この章から面白要素が見え隠れ出来ればと考えております。

では、次回も気長にお待ちいただきたいです。お願いします。

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