2話ー終わりの始まりー
今日も変わらずレジナの声とトーストの焼ける香りで起こされる。今朝の朝食はエッグトーストとポテトサラダだった。いつもと変わらない時間を過ごしていたが…
ガンガンガン!
玄関を強く叩く音がする。
「俺が出ていくよ。」
そう言って玄関へ行くレックス。レジナは特に気にせずニュースを見ていた。ニュースは何やら騒がしい。「謎のウィルス発生!街は混乱」と穏やかではない内容。
「レジナ!隣のメイソンさんが…!」
レックスの声にレジナは玄関へ行く。そこに立っていたのは戸惑いを隠せないレックスと、血だらけの隣人だった。
「助けてくれ…噛まれたんだ…っ!奴らが来る…!」
「奴らが来る」と繰り返しながらレックスにしがみついている。
「どうしたの!?落ち着いて!いったい何があったの」
問いかけてみるもパニックを起こして話が通じない。暫らくすると隣人は倒れ動かなくなってしまう。
「死んでるのか…?脈を感じない。」
どうやら死んでしまったらしい。突然の事に戸惑いを隠せないレジナの耳にニュースの音が入り込む。
「『死人が動き回る事態』が発生しています!注意してください!」
それを聞いたレジナはレックスの腕を引き隣人から離れ子供部屋へ入る。
「どうしたんだレジナ」
「とにかく、子供達とこの場を離れるのよ!」
レックスに訳を話す余裕はレジナには無かった。この場を離れなければという考えで頭がいっぱいだった。
ダンッ…ダンッ…ガリガリ
子供部屋のドアを強く叩き引っ掻く音がする。
「…!さぁ、早くここを出なきゃ!理由はここを出てからよ!」
子供達を抱え子供部屋の窓から外へ出てみると
昨日の穏やかで静かな街が荒れた悲鳴が響く街へと変化していた─