第1話ー夢から覚めるまでー
今この何も無い平凡な日常はいつ、どんな形で終わりを迎えるかという事は誰にも予測できない。大切なあの人が他の恋人と逃げてしまうかもしれないし、愛する家族が崩壊してしまうもしれないなどと 人生どうなるかわからないものである。
この作品の主人公、レジナ=マディソンもこうなる前は君達と同じ朝には起き、仕事へ勤め食事をしそして寝るという繰り返しの日々を過ごしていた。───
「アナタ!ライアン朝よ!アンドレ、あなたも保育園よ!」
朝の日差しとともにレジナの元気な声が響く。これがマディソン家の一日の始まりだ。レジナの夫、レックスが子供達を抱えてのそのそとリビングに入ってくる。
「おはようアナタ、ほら食べて仕事に行かなきゃ!」
皿をテーブルに並べるレジナ。そのプレートにはいつもの半熟の目玉焼きが乗ったトースト。簡単だが丁度良い朝食だ。
「またエッグトーストか。たまにはポテトサラダとかつけてくれると嬉しいな。」
とサクサクとこんがり焼いたパンを食べるレックス。
「いいじゃない!しばらく自分で用意してみたら?あまりの面倒さに作らなくなって私のエッグトーストが恋しくなるわ!」
「ははは…そう拗ねるなレジナ。俺の一日はエッグトーストから始まるのさ。」
食事を終えるとレックスは出勤、レジナは子供達を保育園へ送り捜査官として一日中働きクタクタになって帰宅する。
夫よりも子供達よりも遅く帰宅するレジナはクタクタだった。だが、その様子を見せずに笑顔で家族との時間を過ごしていた。
「お休み天使達、神さまが貴方達を守ってくれるわ。」
「お休みママ。パパ。」
子供達にお休みのキスをして自分達も床に入る。
「レックス、明日はエッグトーストとポテトサラダにしてみようと思うわ。」
「そうか、楽しみだな。」
夫婦としての会話を静かに楽しみながら眠気が2人を包み
「さぁ、寝ましょう。明日も仕事だから早く起きなくちゃ。」
またいつもの変わりない楽しい一日を過ごせると思っていた。─