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庭師は語る


「ほ、ほらルト、早く退室なさい」

「ねえ、姫サマそれでいいのカイ?」

「こらルト!」



二人掛かりでドアに引かれてゆく少年。



「その犠牲は、ホンモノなんだろうカ?」

「私は……だって、」

「だってもこうもないだろうが!国の人に!何故!貴女自身が入っていない!!」



自分より遥かに幼い少年の姿に、嘗ての兄を重ねる。

なぜこんなに心が揺さぶられる。

だって、さっき、せっかく決意したのよ。

視界が滲む。



「この国はでっかい反乱軍だ!そうだろう!?」

「分かってる!でも、変えられないのよ!!」



思わず飛び出した本音。



「出来る」



ああ、そうだ。

この少年はたったの一度でさえ目を背けなかった。

手で、少年を出そうとする側付きを制止する。



「ルト、あなたには何が出来るの?」

「魔法に対抗する、人類の奇跡が。あとは……姫サマの涙くらいは止められるサっ」



ああ、調子が狂うわ。

側付きの、早く追いだせ、の視線は無視することにした。



「ルト、あなたに命じます。私の近衛兵として出兵なさい!」

「いえっサー!」

「姫さま!なんてことを!!」



不思議ね。戦争前だってのに、心が浮き立っちゃうの。

これは悪手か、はたまた……。




「さあ、ルト!近衛兵になったからにはいろいろ覚えてもらうわよ!」

「うへーい」

「嫌そうな『はい』ってことは分かったわ」


「姫さま!どうか考え直してください!ルトなんぞ連れて行ったところで……」

「うるさいっもう決めたの!」



こうして運命はゆっくり動き始める……。

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