表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
76/78

ニコラスとミレイナ後編


 まず、お金はニコラスが傭兵をして稼ぐことになりました。戦争をしている国に雇ってもらって、国からお金をもらうというやり方です。国からのお金なので、大金になる。その金で三人で過ごすというものです。


「ロベット、高級料理は何とかしてやる。だが豪邸は我慢しろ」

「それは分かったが、せめて清潔な小屋か何か用意出来ないかね?」

「小屋の掃除は私がやります」「オーケー、それはミレイナに任せる」

「ミレイナさん、恩にきるよ」


 これで何とか、私達は生活を営めると思いました。

 で、ニコラスが傭兵として使うロボットに改良を加えることになりました。とりあえず、ニコラスはロボットの色は赤がいいと言っていたので、赤い色に決定しました。私とロベットさんは目立つからやめたほうがいいのではとニコラスに言いましたが、ニコラスは目立ったほうが却って好都合と言って、譲りませんでした。なので、灰色のロボットに赤い塗料を染め、ニコラスの専用のロボットにしました。もう一機のロボットは緊急時のために取っておくことにしました。

 そして、ニコラスはどんどん有名になっていきました。


「ミレイナ、ロベット。俺に”一人小隊”という異名が付いた!」「おお!」

「ニコラス、すごいじゃない!」

「だが、気を付けたまえよ。有名になったってことは命を狙われてるということでもある」

「分かってんよ。大丈夫だ、俺はつええ。それに有名なほうが稼ぎやすいしな」

「まあ、それはそうだが」「とりあえずロベットありがとな。俺が一人小隊になれたのもお前のおかげだ」「いやいや私は知恵を貸しただけだよ」「それでもだ。ありがとう」「どうしたニコラス、君らしくないな」「ハハハ、それもそうだな。ミレイナ、夕飯の支度はまだか?」「後10分ほど待って下さい」


 こうして彼は一人小隊になりました。単なる野郎からここまで這い上がる。とてもすごいと思うし、感慨深かったですね。


 ニコラスが稼ぎ、私が世話をし、ロベットさんが私達に知恵を貸す。それで、私達の生活は豊かになりました。その生活を2年私達は続けました。当初はニコラスとの生活に飽きを感じましたが、ロベットが加わった3人の生活には飽きが来ませんでした。このまま、3人で永遠に幸せに過ごしていられると思いました。しかし、


「ロベットさんお帰りなさい」

「ああ……ただいま」

「ニコラスは?」

「それが……だね」

「え……」


 私はロベットさんの様子を見て、察しました。ニコラスは……。


「ニコラスは生きてますよね! よね!!」

「非常に言いにくいのだが」

「……」

「残念だが、彼は死んだよ。私にミレイナを頼むと言って」

「そんな……ニコラス……そんなっ!!! ううっ!」

「ミレイナさん! 待ちたまえ」


 私は小屋を出て、ひたすら走りました。木々と木々の間をずっと。

 どれだけ走ったことでしょう。足が疲れたのでその場にへたり込みました。

 そして、


「ニコラスどうして!? 私を一人にしないって言ったじゃない! 一人にしないって……」


 私の悲しみは、


「アハハハハッ! ニコラスを殺したのはだあれ?」


 次第に、


「ニコラス、私が貴方の仇を取るから、貴方の仇を取るから待っててね! 貴方の仇を……アハハハハハッ!!!」


 憎しみへと。


 こうして、私は軍隊に入ることを決めました。ニコラスを殺した相手を探して殺すために……。



 以上が、ニコラスと私の過去です。私はあの世に行って初めてニコラスを殺した相手を知りました。ですが、私はもう彼を許しているのです。しかし、彼は

「あの女性の顔が、あの女性の顔が頭から離れないいいい、あああああ……!」

 呪縛に憑りつかれているのです。私という憎しみの呪縛に。

 どうか彼がその呪縛から解き放たれることを望みます。クリス、頑張れ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ