ミハエル編2
「地上の花畑をいいけど天国の花畑もいいわね」
「だねえ」
今日は休日なのでお兄様と久しぶりに出かけていた。
「ねえ、お兄様」
「何? アリサ」
「私、昔はお兄様が死んで、苦しくてどうしてって思ってラタルタを恨んだこともあったけど」
「うん」
「ここまで過ごしていると昔よりも今のほうが幸せなんじゃないかと思う」
「そうだね。僕もそう思うよ。そういやアリサ」
「何?」
「最近はスキンシップが減って来てるね、この前なんか唇にまでキスしたっていうのに」
「やめてはずかしい! お兄様、私はもう子供じゃないのよ」「だね。成長してるようで兄として嬉しいよ」「ミハエルさん。いました」
向こうから歩いてくる人がいる。キュアリスだ。
「美しいお花畑ですね」「それよりも僕が何?」
キュアリスがあ、そうと言わんばかりに「近々、地上世界に救世主として転生してもらえませんか?」と度肝を抜かれることを言った。
「ぼ、ぼ、僕が救世主!?」「はい」
お兄様はあたふたとしている。
「僕にそんな大役は」「まだ時間はあります。心の準備も必要でしょうし」
キュアリスは一息つくとこう言った。
「どうしても貴方にしかお願い出来ないことです。引き受けて……もらえませんか?」
お兄様は少し考えたあと。
「キュアリス様にお願いされちゃ断れないですね」
お兄様がデレデレとしてそう呟く。この様子だと惚れてるわね。なんか妹として悔しい。
それはそうと
「お兄様とまた離れ離れになるのね」
「アリサ。ごめんね」
「いいのよ。もう慣れたから」「アリサさんには申し訳ないと思っています」
「話は以上?」
「はい。では私はこの辺で」
キュアリスは美しい青髪を風で揺らしながらその場を立ち去った。
姫らしい立ち振る舞いに女として負けた気がする。




