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アリサの日常編2


「あなたは生まれ変わらないといけません」

「どうせまた生まれ変わってもあんな苦しみを味わうだけだろ」

「そうかもしれません、ですが諦めずに頑張ればいつか」

「うるせえ!! 綺麗事はもう聞き飽きたんだよ!!!」


 私はお兄様と共に魂を救う活動をしていた

 しかし、どの魂もお兄様に耳を傾ける様子はない


「お兄様大丈夫?」

「ああ、いつものことさ慣れてる」

「皆、酷いわねお兄様を貶したり否定したり」

「でもいづれ皆、分かってくれるんだよ」

「本当に?」

「ああ、本当さ僕の願いが通って生まれ変わろうとする魂も幾つかあった」

「ふうん」

「アリサ、そろそろ戻るか」

「うん!!」


 私たちはラタルタの住む教会へと戻った


「お帰り、ミハエル、どうだったかね? 魂たちの様子は」

「今日はダメでした、どの魂も僕の声に耳を傾けてくれなかったです」

「そうか、でもいづれ分かる日が来る、君も大変だと思うだろうが精一杯頑張って欲しい」

「はい、ラタルタ様」


 お兄様とラタルタの話が終わった


「アリサ、僕と天国を見て回らないかい?」

「……」

「君もこの世界の住人だ、別に嫌なら」

「いいわ、一緒に見て回りましょう、お兄様」


 私はお兄様の言葉を遮った


「そうか、それじゃあ行くか、アリサ」

「うん!」


 そう言って私たちは教会を出ようとした

 おっとラタルタにあの疑問について聞くのを忘れてたところだった


「そういえば、ラタルタ、ヘルフェスはどうしたの?」

「彼は生まれ変わることになったよ」


 私は耳を疑った


「どういう意味?」

「そのままの意味だよ」

「だって彼は私たちと一緒に世界を救ってきた仲間じゃない! あなたの預言書にも従っていた、なのに……」

「彼の君への依存は変わっていなかった」

「確かにそうなのかもしれないけど……」

「それで彼は成長するために地上世界へ産み落とされることになった」

「……」

「それでアリサ君、君に頼みがあるのだが」


 私に頼みごと? 何かしら……?


「彼の守護霊として彼を導いてやってほしい」

「言われるまでもないわよ」


 彼は私の下僕

 私が面倒を見なくちゃ  


「本当か? 助かるよ」


 こうして私はヘルフェスを導くことになった

 地上世界の彼を見る

 彼はまだ赤ん坊だった

 しかし、あの上級悪魔がこんなにも可愛く見えるなんて

 だってあのグリフォンみたいな上級悪魔がだよ!


「アリサ君、彼はもう悪魔ではない」

「確かにそうね」


 彼はもう人間

 そこで少し気になったことがある


「彼は今霊格的にどの位置にいるのかしら?」

「中級霊だ」


 中級霊

 上級悪魔と比べたらとても位が上がったといえる

 ある意味これが妥当なのかもしれない

 彼の私への依存性は変わらないが彼は世界を救うためによく頑張ってくれた

 うん、妥当ね


「あと、アリサ君、もう一つ頼みがある」

「何かしら?」

「ミハエルとやっていることと同じことを君にやってほしい」


 魂救済活動ね


「断る理由はないわね」

「そうか、助かるよ」


 これで私の仕事が決まった

 一つ目はヘルフェスを導くこと

 もう一つは迷える魂たちを救うこと

 どれも初めての仕事だ

 しかし、緊張よりも喜びのほうが大きかった


「それではよろしく頼むよアリサ君」

「ええ、任せてちょうだい」


 こうして私の新たなる仕事が始まる

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