アリサの日常編
「お帰り、アリサ君」
「アリサ、お帰り」
私の目の前にはラタルタとお兄様がいた
おかしい
私の魂はあの時滅んだはずだった
「君のおかげで世界の秩序が元に戻った、感謝するよ」
「ねえ、ラタルタ」
「何かね?」
「私の魂は滅んだんじゃないの?」
私は驚きを隠せないでいた
「ああ、キュアリスから聞いた話だが」
「……」
「あれは、神々が君を試すために用意した質問だそうだ」
「何よ……それ」
「キュアリスもそういったことには不服だったそうだが」
神々も酷いことをするのね
でもまあいいわ
久しぶりにお兄様にも出会えたのだから
「お兄様あああ!!」
私は思わずお兄様に抱きついた
「良かった……良かった……」
涙まで出てきちゃった
「アリサは相変わらずだな」
そう言ってお兄様は私の頭を撫でる
「久しぶりの再会だもの、そりゃこうもなるわよ」
「それもそうだな」
お兄様はニッコリ笑うとラタルタの方に向き直った
「ラタルタ様、僕は迷える魂たちを救いに出かけてきます」
「ああ、行ってらっしゃい」
「ちょっと待って!」
私はお兄様を引き止めた
「私も一緒に行っていいかしら」
「いや、これは僕の仕事だから」
「私だって世界を救うために戦ってきた、今後もそれは変わらない」
「ラタルタ様、どうしましょう?」
お兄様はラタルタに訪ねた
「彼女を連れて行っても別に構わんよ」
「そうですか、良かったな、アリサ」
「ええ」
こうしてお兄様と私は教会を出た
お兄様は魂を救うと言っていたけど
どんな風にしているんだろう
それが少し気になった
でも良かった
こうしてお兄様と一緒にいることが出来て
そういやヘルフェスはどうしているのかしら?
アリアは恐らく元の世界に戻っているのだろうけど
彼がどうなっているのかは知らない
まさかまた上級悪魔になって人々をたぶらかしているのかしら?
これはのちのちラタルタに聞く必要があるだろう
それよりもまずは目の前のことに集中しなくちゃ
「アリサ、考えごとをしているようだね」
「え? ああ、ごめんなさい」
「別にいいよ、僕なんかよりいろいろと苦悩してきたはずだし」
「そんな……お兄様だって大変だったでしょう?」
「君と比べたら僕の苦しみなんて小さいようなもんだよ」
私たちは他愛もない会話を交わしながら魂を救う仕事へと向かった




