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ヘブンズワールド  作者: ライプにっつ2
世界の破滅
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世界の破滅編13

「ねえ、ラタルタ、質問いい?」


 いつもの質問コーナーだ


「何かね」

「悪魔や低級霊といった類はいづれ更生して高級霊や神になるのよね」

「ああ、個人差はあるがそうなる」

「逆の場合はありえるの?」

「逆はほとんどない、いやありえないと言えるだろう」

「どうして?」

「その魂が高級霊や神になれる器かどうかは神々が判断している」

「ふうん」

「その厳重な審査の元、その魂が高級霊にふさわしいか神にふさわしいか決まるのだ」

「……」

「その魂が怠ける魂かどうか裏切る魂かどうかも神々は見ている」

「……」

「ちなみに私も人の魂を見ただけで分かる、その人が霊界の位置としてはどこが妥当かと」

「それじゃあ極論だけど私が人を殺したいと思っても私の魂の位置はそのままなのかしら?」


私は追い討ちをかけるかのように聞いた


「まずそう思うことがないだろう」

「いや、思ったわ、お兄様を殺した人物に対して」

「でも、君は思いとどまった」

「……」

「もしあの時君の魂が進化していなかったらあの男を殺していただろう」

「でももしあの男を殺せばお兄様が戻ってくると分かっていたらやっていたかもしれないわよ」

「それでも君は思いとどまるだろう」

「なぜそう断言出来るの?」

「君は今の自分の立ち位置を少なからず理解している」

「……」

「まだまだ感情的だが君は少しずつ成長していってるのだ」

「……」

「まだ何か言いたそうだね」

「いえ、もういいわ」


 今いち納得できない

 でも何となく分かる

 私は一種の悟りみたいなものを開いていた


 ”人間は苦しみながら成長しその先に本当の幸せがあることを知る”


 これが私の持論だ

 恐らくラタルタも同じだろう

 私はどんな理由であれ人を殺すことに反対している

 世界には死刑制度があるがそれにも反対だ

 大きな罪を犯した者は地上世界で一生牢の中で苦しみ反省すべきだ

 そうすることによってその人もいづれ分かるようになる

 自分の過ちや苦しみの先に本当の幸せがあることを……

 

「拳、あんたの銃面白いな、俺っちにも使わせてくれよ」

「ダメに決まってんだろ!!」


 拳と信彦がどうでもいい会話をする

 ホント、こいつらは呑気なものね


「おっ渦が見えてきた」


 死体だらけの街中で私たちは渦を見つけた


「さあ、入ろうか」


 ラタルタが私たちへ渦へ入るよう促す

 しかし、私は嫌な予感がしていた

 この渦の先に何かが待ち受けていた気がして仕方ないのだ

 だけど私はそのことを話さなかった

 ただの被害妄想だと思っていたのだ


 私たちは渦の中に入った


「!!!!!」


 嫌な予感は的中した

 私たちは悪魔たちに包囲されてしまったのである

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