表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヘブンズワールド  作者: ライプにっつ2
世界の破滅
37/78

世界の破滅編7


~キュアリスルート~


「どうして皆戦うのでしょうか?」

「守るため、楽しむため、憎むため、様々でしょうな」

「この戦いをどうしても止めたいです」

「キュアリス、そなたが行ったところで止める術はない」

「分かっていますが・・・下の世界で私も何か出来ることをしたいです」

「この世界からでも何かしら影響力を与えることは出来る、それに」

「それに・・・?」

「神は大切な存在だ、そうやすやすと命を投げ捨てることは許されない」

「私は神になることを望んでいません、エルメカレタさん」

「だが君はその利他性で神に抜擢された、誇るべきなのでは?」

「私はただ皆の笑顔を見たいだけです」

「とにかく下の世界に降りることは許されない、これは創造神様の命令でもある」

「・・・・分かりました」


私が出来ることはラタルタさんに出来る限りの情報を提供すること

下の世界の惨状は見るに耐えません

どうか皆が争いを止め互いに愛し慈しみ幸せな世界を作りますように・・・


~クリートルート~


「グへへへへ、インキュバスの旦那、息のいい少女を捕らえてきました」

「だから何度も言ってるだろう!俺は男だ!!」

「そうやって自分の身を守ろうとしても無駄だぞ」

「くっ!魔銃が使えればこんなやつら」

「旦那、いくらで買取ります?」


ガーゴイルみたいな悪魔がインキュバスみたいな悪魔と商談している


「5000000Gで買い取ろう、そいつにはそれだけの価値がある」

「なんと!そんな破格でいいんすか?ありがとうございやす」


畜生!こいつらじゃなくミルディになら喜んで貞操を捧げるのに!!


どががががががん


「何だ!?どうした!?」

「大変です、人族が攻めてきました」

「たかが人族ぐらい何とかできるだろう?」

「それが、やつは恐ろしい魔法を使ってくるんです」

「はい、僕がその恐ろしいやつです」

「な?」


銀髪の逆立った髪型の青年が俺たちの前に現れた


「おや、人身売買ですか?関心しませんね」

「おい、てめえら、早くこいつを何とかしろ」

「ひぇ!ひぇえええええ!!」


悪魔たちは逃げ惑っていた


「ちっ俺も逃げ」

「そうはさせませんよ」

「な!?」


逃げようとしたインキュバスの動きが止まった


「あなたの動きを止めさせていただきました」

「う、う、う」

「よろしければ僕たちと一緒に旅をしませんか?」


青年は微笑みながらインキュバスみたいな悪魔に話しかけた


「わ、分かったからその訳の分からない魔術を止めてくれ」

「良かった、僕たちと旅をしてくれるんですね」


インキュバスは魔術が解けるとよろめいた


「嬢ちゃん大丈夫かい?」


そう言って青年は俺を縛り付けていた縄を外す


「俺は嬢ちゃんじゃない!男だ!!」

「え?君、容姿と声、どっからどう見ても少女にしか」

「・・・・・」


こんな体に生まれたことを呪うよ


「とにかく助かった、礼を言う」

「スレイダ、姫様、こっちこっち」


青年の後ろから二人の男女が歩いてきた

男のほうは騎士の鎧を来ていた

女のほうはお姫様みたいな服装だった


「今日からこの二人が仲間になることになったよ!」

「え?俺はまだ何も?」

「君は一人で大丈夫なのかい?」


確かに魔銃が使えない以上一人でいるのは危ない


「分かった、俺も同行させてもらう」

「エト様、その少女は別に構いませんがそちらの方は?」

「大丈夫、彼も仲間になりたいってさ、ね?」

「え、あ」

「ね!?」

「はい、そうです・・・」


この青年

何か不気味だ

だが実力は確かだろうしここは守ってもらったほうがいいだろう

とりあえず俺はこれから先なんとか無事に生きられそうだ


~アリサルート~


「アリサ様、こやつを捕らえてまいりました、恐らく悪魔と手を組んだ人族かと」


そう言ってヘルフェスが建物の中に入ってくる

男性を担ぎこんできていた

建物の中に入るやいなやヘルフェスは男性を放り出した

男性は尻餅をつく


「アリサ様のお兄様の命を奪った罪は重い、楽に死ねると思うな」

「ひぃ!!」


男性は軽い悲鳴を上げた


「ちょい待ち」


男性の前に信彦が立ちはだかる


「信彦!どういうつもりだ?」

「無抵抗のものを殺すのは正義のヒーローの掟に反する」

「信彦!どけ!!例え味方のお前であっても邪魔をしようものなら」

「アリサちゃんも殺すことには反対だよね?」

「ヘルフェス、こいつを殺してちょうだい!!」

「な!?アリサちゃん!?」


私からお兄様を奪ったやつは誰であろうと許さない!


「アリサ様からも許可が降りた!そこをどいてもらおう」

「いいや、どかないね」

「なんだと!?」


ヘルフェスが怒りの表情を表す


「アリサちゃん、君は人を殺すことに反対していたはずだ」

「・・・・・・」

「僕を勇者にしたのは君だろう?」

「・・・・・・」

「そんな君が今無抵抗な人を殺そうとしている、ただの憎しみだけで」

「・・・・・・」

「おい!!信彦そこをど」

「やめなさいヘルフェス」


私はヘルフェスを制した


「しかし、こやつはあなた様の兄を殺し、先ほど許可まで」

「もういい・・もういいのよ・・・」


私の目には涙が溢れていた


「本当はこいつが憎い!!」

「・・・・・・」

「でもこいつを殺しても、もうお兄様は戻ってこない」

「・・・・・・」

「それに私は今まで世界を救い、勇者を育成してきた」

「・・・・・・」

「そんな私が無抵抗な人を殺すのは理にかなってないわ」


私は信彦に近づいた

そして握手を求めた


「信彦、あなたの言う通りだわ、私は間違っていた」

「・・・・・・」

「これからも私と一緒に旅をしてくれないかしら」

「もちろんだよアリサちゃん!!」


信彦は私の手を握り返した


「そこの君、もう悪いことしちゃダメだぞ!」

「わ、分かりました」


信彦は男性に釘を刺した

この男性、性格を見るに恐らく悪魔たちと強制的に手を組まされたのだろう

根は悪い人じゃないのだ

私はそんな人を殺めようとした

これじゃあお兄様に顔向けできないわね


「さあ、皆気を取り直して先へ進みましょう」


私は涙を手で拭った

こうして私たちの世界の秩序を戻すための旅は続く


ー世界の破滅編7ー

   完

ここまで読んでくださりありがとうございます^♥^♪

何か指摘があれば遠慮せずお願いしますね

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ