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ヘブンズワールド  作者: ライプにっつ2
世界の破滅
36/78

世界の破滅編6

「ラタルタ、質問いい?」


私はいつもどおりラタルタに質問する


「何かね?」

「悪魔って低級霊よりも位が下なのよね?」

「ああ、そうなる」

「なのに低級霊よりも影響力を持っているのはなぜかしら?」


ラタルタはしばらく考え込んだ後こう言った


「悪魔は私たちとは別のベクトルで位が高いと言えるだろう」

「どういうこと?」

「つまり私たちはたくさんの善行を積んでいるが悪魔はたくさんの悪行を積んでいる」

「・・・・・・・」

「反対にしたらどうかね?現に世界が混沌となった今、私たち神や高級霊より悪魔が影響力をもつに至っている」

「そんな・・・じゃあ今は悪魔が位が高いってことになるの?」

「残念ながらそうなるね、私たち高級霊は温厚で戦いを望まないものが多い」

「・・・・・・・」

「だが悪魔は罪が深い分地上に再生するときとても厳しい試練を課せられるだろう」

「それもそうね」

「そんなことよりアリサ君、目の前を見たまえ」


私は視線を前に移す

目の前には渦があった


「この中に入るのね」

「ああ」


私たちは渦の中に入った


「!!!!」

「こりゃ・・・・」


気づいた時には私たちは悪魔たちに取り囲まれていた


「久しぶりねアリサ・レイニード」

「あなたは・・・エルフェン」


エルフェン

何かと私を狙ってくる転移が使える悪魔だ

彼女の隣にはなりが高い悪魔がいる

恐らく上級悪魔だろう


「あなた、この世界の秩序を戻すための重要な”鍵”なんですってね」

「どこでそれを?」

「噂ってすごいわねえ、すぐ広まるんだから」

「・・・・・・・」

「アリサ様、力を開放します、よろしいですね」


ヘルフェスが私の命令を待つ


「ええ、分かったわ」


ヘルフェスの姿が悪魔に変わる


「な!?お前はヘルフェス!!」


上級悪魔を含む周りの悪魔がたじろいでいた


「逃げれば追いはしないが?」

「ええい、裏切り者が!!皆の者やってしまえ!!!」

「アリサ様、耳を塞いでてください」


私は言われた通りに耳を塞ぐ


「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」


ヘルフェスが咆哮をあげる

さすが上級悪魔の中でトップクラスの実力を持つヘルフェス

耳を塞いでも鼓膜が破れそうなほどうるさかった

ヘルフェスは怯んだ悪魔たちを次々と薙ぎ倒す


「ヘルフェスっち俺っちまで怯ませてどうするつもりよ」

「耳を塞げと言っておいただろうが」


二人の会話は噛み合ってない

だが連携は完璧だった

ヘルフェスが攻めている間は信彦は守りに入り

信彦が攻めている間はヘルフェスが守りに入る

お兄様も私たちを守るために戦ってくれた

ちなみに私も戦おうと念じてみたが何も出来なかった


「くっ!エルフェン転移を頼む」

「残念ね、アリサ・レイニード今度会うときは必ず仕留めてみせる!」


エルフェンは捨て台詞を吐くと上級悪魔と共に転移して消え去った


「いやあ、一時はどうなることかと思ったぜえ」


信彦がほっとした様子で呟く

悪魔たちはどうやら全ていなくなったみたいだ


「とにかく、次へ進み」

「アリサ!!!危ない!!!!」

「え?」


急にお兄様が私の前に立ちはだかった


「!!!!」


お兄様が倒れ込んだ

胸には銃弾がめり込んでいる

お兄様は胸から血を流していた


「おにい・・・・さま・・・・?」

「まずい!狙撃か!?どこから!?」

「とにかくここから離れるぞ!!!」


信彦はお兄様担いで走っていった


「アリサ様!!しっかりしてください!!アリサ様!!!」


ヘルフェスは身動き一つ取らない私を抱きかかえた

私たちは建物の中に隠れた


「とりあえず俺は狙撃したやつを探してくる、信彦、アリサ様の護衛を頼む」

「分かった」


ヘルフェスは建物から出て行った


「お兄様!!!」

「あ・・りさ・・・よかった・・・・」

「・・・・・・」

「き・・み・・・をまも・・・れ・・・て」

「・・・・・・」

「きみは・・・ぼくの・・・・たいせつな・・・」

「・・・・・・」

「いも・・・うと・・・だ・・か」

「お兄様!!!ヒーリング!!!!」


私はお兄様の胸に手を当てて浸すら”ヒーリング”と連呼した

私の手はお兄様の血で血まみれだ


「どうして!!レイニャンの時にはできたのにどうして!!!」


お兄様の傷が治る様子はない


「ねえラタルタ・・・お兄様の魂はどこかで生きてるのよね・・・・」

「・・・・・・・」

「何とかいいなさいよ!!!!」


私はラタルタに八つ当たりした

分かっているのだ

もうお兄様の魂はどこにもいない

お兄様は消えてしまった

分かっている!!分かっているけど!!!


「なあアリサちゃん、俺っちが言うのもなんだけど」

「・・・・・・・」

「お兄さんの魂は生きてると思うんだよね」

「え?」

「何て言えばいいか分からないけどさ、アリサちゃんがお兄さんと過ごした記憶は、思い出は、アリサちゃんの中にずっと残ってると思うんだよね」


私は思い出していた

”私の頭を優しく撫でてくれるお兄様”

”私といつも一緒にお花畑に行ってくれるお兄様”

”私が綺麗なお花を見つけると喜んでくれるお兄様”

喧嘩したこともあったっけ

どれも皆いい思い出だ


「う・・・ぐす・・・・・うわあああああああああああああああああん」


私は大声で泣き出した

泣けば泣くほどお兄様との思い出が私の頭の中に蘇り

涙が止まることはなかった


ー世界の破滅編6ー

   完

ここまで読んで下さり有難うございます^♥^♪

何かご指摘があれば遠慮せずお願いします

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