ラタルタとの問答編2
~あらすじ~
ーラタルタとの問答編2ー
アリサは質問をしにラタルタの教会に訪れた
「なぜ神は人類を最初から幸せにしなかったのかしら」
アリサの様々な疑問にラタルタは答えていく
私は教会へ訪れた
今日もラタルタに質問があったのだ
「おおっアリサ君、仕事のほうは順調かね?」
「ええ、それよりラタルタ、あなたに聞きたいことがあるの」
「何かね?」
「神についてなんだけど」
「私の前の回答に不服があるのかね?」
「そうね」
私は一つ間を置いてこう言い放った
「神は人類皆を幸せにする責任がある、それに対してあなたは人は幸せになることが出来る、そう言っていたわね」
「ああ」
「ではなぜ神は人類を最初から幸せにしなかったのかしら」
「それは神が人々に試練を与え」
「最初から幸福にすると言うことも出来たはずよ、全知全能の神なら」
私はラタルタの言葉を遮った
「その幸せに価値があると私は思えない」
「それはあなたの価値観でしょ、人類皆が最初から幸せになることは出来ると思うわ」
「聞いていて思うのだが君はレコーディアのような世界を望んでいるようにしか見えない」
「いいえ、ただ疑問に思っただけよ」
「最初から幸せか、人間は飽きる生き物でもある、何の苦労もしないで手に入れた幸せはいづれ飽きる」
「人間がその幸せに飽きることがない設定にすることだって神は出来たはずよ」
「君は神を過信すぎだ、神だって完璧ではない、例え創造神であってもね」
「そう」
「とりあえず、前も言ったが人間の魂は苦しみや悲しみを乗り越えたときに本当の幸せを感じる、そういう仕組みになる、私の結論はそれだ」
「やはりそうなるのね」
「質問は以上かい?」
「まだあるわ」
ラタルタは頬をポリポリかいた
「私は今まで神は一人だけだと思っていたわ」
「ふうむ」
「キュアリスの件もそうだけど人間は神になることが出来るの?」
「ああその通りだ人も神になることが出来る」
「では私もあなたもいづれ神になれるのね」
「まあそうなるな、ただし、人間皆が神になれるとは限らない」
「どういうこと?」
「キュアリスが特殊すぎるというのもある」
「・・・・・」
「彼女は何でも愛することが出来る、いわゆる利他主義、博愛主義だ」
「・・・・・」
「彼女ほどの心を持つような人間はそうはいない、私だってそうだ」
「つまり神になるにはキュアリスのような精神を持たないといけないってことなのね」
「そうなる」
確かにキュアリスの言葉には癒しを感じるし
彼女は生前、怪我をした人々を治癒してきた
それとこれは前にラタルタから聞いた話だが
キュアリスは食事を取らない上に、息もしてなかったという
彼女は完璧すぎるほど不殺主義なのだ
彼女は微生物一つの死すら感じ取ることが出来るらしい
聞いてて愕然とする話だった
「話は変わるけどラタルタ」
「何かね?」
「お兄様より私のほうが位が上なのが納得できないわ」
霊界にいる私たちは魂のレベルが高いほど上の世界へ向かうことが出来る
私はお兄様がいる世界より上の世界へ行くことができるのだ
「私は別に利他主義でも禁欲主義でもない、なのに他人をよく助けようとするお兄様より位が上だなんて納得できないわ」
「でも君は兄より大きな仕事をしてきた、今もそうだ」
「でもそれはたまたま私がそういう仕事を任されてるだけで」
「たまたまではない、全ては神が決めたことだ」
「どういうこと?」
「君は前世で何か大きな仕事をしてきたのだろう、あと君の魂の年月が兄より長いと言うのもある」
「・・・・・」
「本当なら君は私より位が上なはずだ、私の魂と同じ長さで生きてるならね」
「それでも私がお兄様より上なのが納得できないわ!」
「それが事実だ、別に受け入れたくないのならそれでも構わない」
「・・・・・・・」
「でも君の兄は立派だと私は思うよ」
「そう、それならいいけど」
私はその後もラタルタと神について話し込んだ
どうやらラタルタの話だと貧乏神や疫病神は存在しないらしい
いたとしてもそれは悪魔か魔物の類だという
恐らく、強烈な力を持つため
人々に神として祭り上げられたのだろう
「アリサ様、次の勇者が決まりました、戻ってきてください」
キュアリスからテレパシーが来た
ラタルタと話し込んでいるうちにあっという間に時間が過ぎてしまった
「ごめんラタルタ、仕事が入ったわ、今日はこのへんで」
「ああ、アリサ君、ご武運を祈っているよ」
こうして私はラタルタに別れを告げた
ここまで読んで下さり有難うございます^♥^♪
ラタルタがなんと言おうと俺はレコーディア派だ
異論は認めない
何かご指摘があれば遠慮せずお願いします




