表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/78

リーマ編

~あらすじ~

実験番号1209番

彼についた名はそれだ


彼はサンドバッグとして軍人の相手をさせられていた


彼はある日を境に暴走する


アリサたちはそんな彼を止める


「がううううううううう!!!!」

「やめなさい」

「がううううううううう!!!!」

「ヘルフェス、あの子を止めて」

「了解しました、アリサ様」












~実験番号1209~



 僕には名前が無い、強いて言うなら実験番号1209番といったところか

 僕はクローンとしてこの世に生を受けた

 実験と称されて苦しい思いをさせられてきた


 バキッ


「い、痛いです、や、やめてください!!」

「クローンの癖に何言ってやがるんだ」

「ぎゃはは」



 僕は軍人のサンドバックのような役割を果たしていた

 僕は毎日耐えた

 ひたすら耐えた


 だが僕はある日を堺に彼らに逆らうようになった


「いてえええええ!!」


 身体能力が高かったおかげか彼らに抵抗は出来た

 しかし


「おい!こいつどうなってやがる!!軍人のサンドバッグじゃなかったのか?」

「それはすいません」


 僕は研究所に連れ戻された


「うぎゃあああああああああ!!!」


 体を拘束され何度も注射をうたれた

 とても苦しかった

 でも耐えた

 というより耐えるしかなかった


 僕は毎日失敗作のクローンが処分されているのを見ていた

 ああいうふうにはなりたくなかった

 今度は下手に抵抗しないようにしよう

 そう思っていた


 僕はまた軍人のサンドバッグとして役目を果たした

 しかし


「いてえええ!!!」


 また抵抗してしまった

 俺は即刻研究所に戻された


「お前のところのクローンはどうなってやがる!!」

「すいません、すぐに引き取ります」


 僕はまた研究所に強制的に戻された


「これは失敗作ですな」


 そんな言葉が聞こえてきた

 ある日、俺は処分されることになった


「そ、それだけは勘弁してください」

「何を言ってるのだね、クローンの癖に」

「お願いします!!」


 誰も聞く耳を持たなかった


 僕は縛り付けられ

 ベルトコンベアに乗せられた

 行き先は決まっている

 死だ


「いやだ!!」


 だんだん死が近づいてくる


「助けてくれ!!」


 死が近づいてくる


「僕は死にたくない」


 死が近づいてくる


「いやだ!!」


 死が近づいてくる


「いやだあああ!!!」


 死が間近に迫ってきた


「いやだああああああああああああ!!!」


 僕は絶叫と共に暴れだした

 僕を縛った縄が破れた

 僕は暴走した


 研究所を破壊し皆殺しをした

 次第に街に出て暴れるようになった

 響く悲鳴、逃げ惑う人たち

 僕はそいつらを容赦なく殺した


















「ヘルフェス、殺さないようにね」

「分かっております、アリサ様」

「がうううううう!!!!」


 ヘルフェスに遅いかかる謎の化物

 今回の私たちの役目は彼を止めることだ


 彼とヘルフェスはほぼ互角だった

 ヘルフェスは悪魔の中でも最上級の力を持つという

 そんなヘルフェスと互角に戦うのだから

 あの化物はすごいと思った


「がううううううう!!!!」

「はあああああああ!!!!」


 ヘルフェスと謎の化物戦いが続く

 しばらくすると化物の動きが止まった

 化物が倒れこむ


「アリサ様、何とかやつを止めることができました」

「ご苦労さま」


 私は化物に近づく

 しかし、近くでみると見た目はどこからどう見ても人間だった


「アリサ様、どうしましょう」

「とりあえずこの子が目覚めるまで待ちましょう」

「分かりました」











「あれ、ここは?」


 俺は目を覚ました


「誰ですか?」


 目の前には少女と翼をはやした何者かがいた


「目覚めたようね」


 少女が声を発する


「僕は一体……」

「あなたは街中にいる人々を襲っていたのよ」


 少女がそう答える


「あ」


 僕の頭の中に死ぬ直前の場面が流れた


「いやだああ!!それだけは勘弁してくれええええ!!!」

「大丈夫、私たちは何もしないわ」


 少女はそう言うと僕を抱きしめた
















 アリサ様が彼を抱きしめていた

 正直羨ましい

 それにしても彼は一体何者だろうか

 俺が相手でも一時間近くかかった

 彼が悪魔なら恐らく上級悪魔ほどの力を持っていることだろう


「アリサ様、そろそろいいのでは」


 俺は彼を抱きしめるアリサ様に対してそう言い放った

 一応言っておくが嫉妬ではないぞ

 もう一度言う嫉妬ではないぞ


「それもそうね」


 アリサ様はそういうと彼から手を離した














~リーマ~


 私の脳内の”ラタルタの予言”が開いた

 ”彼にこの世界での居場所を作ってあげなさい”


「居場所ねえ」

「どうしましたアリサ様」

「ヘルフェス、彼に最適な場所ってあるかしら」

「恐らくこの街にはないでしょう」

「そうね、じゃあ他の街に移動しましょう」

「分かりました」

「そういえば名前を聞いてなかったわね、あなた名は?」


 私は化物、じゃなかった人間に名前を聞いた


「実験番号1209番です」


 彼はそう答えた


「まず名前からどうにかしないとね」

「それもそうですね」

「ヘルフェス、いい名前ある?」

「そうですねアガリアレプトなんてどうでしょう?」

「却下」

「それじゃあインキュバスというのは」

「さらに却下、もういいわ私が考えるから」

「はあ」


 私はしばらく彼の名前について考え込んだ


「リーマ・アルジェラントなんてどうかしら」

「さすがアリサ様、センスがある」


 ヘルフェスが私を褒め称える


「今日からあなたの名前はリーマよ、それでいいかしら」

「リーマ……ですか……」

「不服かしら」

「いいえ、いい名前です」

「そう」


 私は一息間を入れた


「それじゃあ他の街に移動しましょう、リーマ」

「ヘルフェス、あなたは悪魔なんだから姿を消したほうがいいわ」

「心配には及びません」


 ヘルフェスはそう言うと急に容姿が変わった

 普通の人間になった


「そう、そんなことも出来るのね」

「ええ」


 こうして私たちは他の街に移動した












~新生活~


 僕らはほかの街についた

 しかし、彼らはどうして僕に親切にしてくれるんだろう

 僕はあの時暴走していた

 本来ならば始末されていたところだ


「リーマ、この街で仕事を見つけなさい」

「分かりました、アリサさん」


 僕たちは仕事を探していた

 アリサさんやヘルフェスさんのサポートもあってか

 仕事はすぐ見つかった

 デスクワークの仕事だ


「おめでとう、リーマ、次はあなたが住む場所ね」


 住む場所もすぐ見つかった


「すいません、何から何まで世話になって」

「いいのよ、これが私の役目だから、それよりも」

「はい?」

「私たちもあなたの家にしばらく泊めてもらえないかしら」

「ええ、もちろんですよ、ここまでして貰ったのだから」

「安心して食費とかはかからないから」

「はあ」


 こうして僕たちの生活は始まった

 最初は仕事で失敗をしまくって落ち込んでいたが

 アリサさんはそんな僕を励ましてくれた

 次第に仕事も順調に進み僕は普通の人のような生活を送れるようになった

 クローンの時の生活とは大違いだ


 ある日、僕たちは家で雑談をしていた


 ピカーン


 アリサさんがしている花のペンダントが光った


「そう、もう次の世界へ行かないといけないのね」

「アリサさん、どうしたんですか」

「リーマ、あなたはもうクローン何かじゃない」

「……」

「これからは胸を張って生きるのよ」

「はい!!」

「それじゃあ私たちは行かないといけないから」

「そんな……」


 アリサさんたちと過ごす生活は楽しかった

 もうお別れなのか

 そう思うと悲しくなった


「大丈夫、いづれまた会えるわ」

「分かりました、その時をお待ちしています」


 しばらくするとアリサさんとヘルフェスさんは消えた


「さてと、仕事頑張らないとな」


 僕は今日もいつもどおりに仕事に励む


ーリーマ編ー

  完

アリサとアマリアのパラレルワールドォ!

第15話


 アマリアとアリサは食事をしていた



(ぐへへへへ今日のアリサたんも可愛いな)




「ん?」


 アリサが顔を上げると同時にアマリアは食事を取る振りをする



(ぐへへへへアリサたん可愛いな)


 「ん?」


 アマリアは食事を取る振りをする


「ん?」


 アマリアは食事を取る振りをする


「ん?」



 アマリアは食事を取る振りをする


「ねえ、アマリア」

「何?」

「さっきからあなたの視線を感じるんだけど」

「き、気のせいよ」

「そう」


 アリサは鋭いな

 そう思うアマリアだった

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ