アリサ編
~あらすじ~
アリサは昔を振り返る
「あれからいろんなことがあったなあ」
アリサはいろんなことを思い出していた
兄が命を落とし自分が覚醒したこと
そして自分が世界を救う役目を担ってることなど
今回はその総集編である
「”おめでとう 君が産まれた”」
「何よ!!何なのよ!!!」
あれから長い月日が経った
私は昔の自分を振り返る
今の私は姿を消したり
瞬間移動をしたり出来るが
初めからそういうことが出来たわけではなかった
「”少女はボランティアに参加する”」
最初は乗り気じゃなかった
私からお兄様を奪ったやつの命令なんて聞く気がなかった
でも私には他にやることがなかった
家に帰る気にもなれなかった
お兄様が亡くなったことをどう報告したらいいかわからなかったし
私はもう人間じゃなくなったから
お腹も好かないし、眠れもしない
そんな体になってしまったから……
それで最終的にはボランティアに参加し始めた
環境、福祉、医療など
様々なボランティアに参加した
いつ頃からだろうか
私は念じるだけでいろんな場所(天国や異世界を除く)に行くことが出来るようになった
最初のうちはそれが楽しかった
でも次第に飽きた
相変わらずあの映像は私の頭の中に流れ続けていた
殺戮、飢餓、嘲笑
どれもこれも嫌な映像ばかりだ
ただ、自分のみたい映像も見ることが出来るようになった
さて、私の活動が本格的になったのは
私が産まれて500年経った頃だ
”ラタルタの予言”という本が開いたのだ
お兄様はこの本が開くときは新しく予言が追加されると言っていた
私は本の内容を見る
「”二人の男が戦う
片方が生き残る
生き残る方の名はクリス・テイラー
死ぬ方の名はニコラス・マリン”」
その途端私の頭の中に映像が流れた
クリスの機体が倒れているニコラスの機体に剣を突き刺すことを繰り返す場面だった
見ていて惨たらしかった
私はこれを止めようとした
「ニコラス」
「ん?」
「ニコラス、戦うのはやめなさい、このままだと死ぬわ」
彼は私の言葉に耳を貸さなかった
ただ私の言葉は聞こえてたみたいだった
彼は自分の友人に自分が死ぬことを伝え
ミレイナ・アマリリスという人物を引き取るように伝えた
クリスにも訴えようとした
でも彼には私の言葉が聞こえていなかった
「……やった……やった……やったぞ!!!」
クリスは歓喜に浸っていた
確かにニコラスは彼にとってかたきだった
しかし、これを見て私は気分が良くなかった
それで私はクリスにあの映像を見せた
「俺は悪くねええええええええ!!!!!!」
彼は必死に自分を肯定しようとしていた
自分は悪くない、自分の仲間を殺したやつが悪いんだと
だけど、どんな理由があろうと人を殺していいとは私は思わない
彼は次第に戦うのが嫌になり軍を抜けた
”ラタルタの予言”が開いた
次の予言だ
「”一人の英雄が誕生するその名はキリア・レルト”」
彼を初めて見たとき私はこの人が英雄になるとは思わなかった
内気で弱々しい印象を受けた
彼は戦場で失態を犯して仲間の反感を買った
そんな彼を支えてくれたのはイリア・マスカンクという女性だった
彼はそのとき強くなろうと決意したのだろう
数ヵ月という少ない期間でエースパイロットになったのだ
ここで一旦彼の話を置こう
私はあの女性のことが気になっていた
ミレイナだ
彼女はニコラスが死んでいらいその人物を殺した人間に対して
憎しみの感情を抱いていた
そんな彼女を慰めてくれたのがマルス・クレーという人物だった
「君が復讐のために戦うのは仕方がないのかもしれない」
「はい」
「だけど俺たちは守るためにも戦っている、それを忘れないで欲しい」
「……」
彼のこの言葉に彼女の感情は”憎しみ”から”守る”という感情に昇華していった
しかし
「ミレイナああああああああ!!!!」
彼女はマルスを守ってキリアに殺された
それ以来マルスも昔のミレイナと同じ憎しみの感情で動くようになった
「見つけた!!見つけたぞ!!!白い機体!!!!!」
マルスとキリアの戦いが始まった
しかし、キリアは自分がエースパイロットになったことで自分が強くなったと過信したのだろう
「痛い!痛い!!痛いいいいいいいい!!!」
最終的にはマルスとの戦いに敗れた
その後キリアはイリアの家で看病を受けることになる
彼はほぼ植物状態だった
そんな中”ラタルタの予言”に次の予言が追加された
”少女は英雄の傷を癒す”
私の出番だ
その前に
ここでアマリア・スタットフェルトという人物が現れる
彼女は自分の父を殺し、チージャ国の王になった
そしてバルサ国、リヴァート国の両国を”核”で脅して制圧していった
その後チージャ国は急激に勢力を伸ばすイレイス国と戦争を始めることになった
そこで英雄キリアが登場することになった
私は彼の傷を癒した
私自身、人の傷を治す能力は持っていない
”ラタルタの予言”の効果なのだろう
彼は黄金に輝く天使の翼が生えた機体”ヘブンズワールド”に乗る
「チージャ国!イレイス国!両軍に告ぐ!!即刻戦闘を中止せよ!繰り返す、即刻戦闘を中止せよ!!」
彼は必死の思いで戦闘を止めるよう両国を説得した
チージャ国の兵士となったマルスは彼の意向を汲んだのかアマリアを説得した
そして、なんとかチージャ国、イレイス国両国は戦闘を中止した
そしてここで”光水晶”というものが現れる
この水晶は恐らく世界を平和にする”鍵”という役目を持っているのだろう
”ラタルタの予言”が開く
「”英雄は光水晶をもってある洞窟に向かう”」
私とキリアは洞窟の奥に進んでいった
そしてまた”ラタルタの予言”が開く
「”英雄はこの石版に光水晶をはめ込む、そして英雄は命を捧げるさすればこの世界に平和が訪れるだろう”」
キリアは喜んで自分の命を平和へと差し出した
彼のその行動は英雄と呼ぶにふさわしいだろう
「ここは……?」
私はキリアを導き終えた後、力を失っていた
「もう、私の役目は終わったのね」
私は餓死しようと思った
「こんなところで何をしている」
そんな私を拾ってくれたのはチージャ国の王アマリアだ
彼女は世界が平和になって以降屋敷で隠居していた
別に素性を隠すつもりではないらしいが
あれから18年の月日が経った
私はアマリアの屋敷でのんびり暮らしていた
ペラ
”ラタルタの予言”が開いた
私は再び力を取り戻した
今度の予言は異星人がこの世界に攻め込んでくるということだった
全ての国が結集してそれに立ち向かった
被害は出た
しかし、お互いの国の絆が強いおかげか犠牲は最小限ですんだ
「”おめでとう 君は異世界へと旅立つ”」
”ラタルタの予言”が開いた
どうやら私は異世界へと向かわなければ行けないらしい
「そんな悲しい顔をしないで、大丈夫!いづれまた会える!!」
「絶対!絶対だぞ!!絶対に戻ってくるって約束だぞ!!!」
「ええ、約束するわ」
私はアマリアに別れを告げこの世界を後にした
私が最初にきた世界は電子空間というものがある世界だった
電子空間には”ウイルス”というものが発生していて
それが一定数を超えると現実世界に悪影響を与えるのだ
私と天峰翼、電子特殊警備隊所属のミディレア・ホワイトニングと
マックス・コールドウェイがこの問題に対処した
次の世界では剛楽拳とアリア・シュレイドのサポートをした
「ねえさん、あのとき……何で……僕を……おいていったの?」
「マルクス……ごめんね……マルクス」
どこの世界でも戦争とは悲惨なものだ
アリアの弟マルクスは戦争のせいで人格が歪んでしまった
こういう悲惨な出来事は二度と起きないで欲しい
こうして私はいろんな世界を転々としていた
ある人物には強く生きる希望を与え
ある人物には悔い改めるよう罰を与えた
私には救わないといけない世界がたくさんある
ピカーン
花のペンダントが光った
「次の世界へ向かうのね」
私、アリサ・レイニードの戦いは続く
ーアリサ編ー
完
アリサとアマリアのパラレルワールドォ!
第12話
「アマリア、ちょっといいかしら?」
アリサがアマリアを呼ぶ
「どうした?」
「この写真なんだけど」
「!!!」
アリサがアマリアに見せたのは
アリサの寝顔が写ってる写真だった
「処分してって言ったよね!!」
「いや、それは……その」
「言ったよね!!!!」
「はい」
「まだこの写真隠し持ってるんでしょ!?」
「いや、これだけで」
「持ってるんでしょ!!!!」
「はい」
「その写真が入ってる箱をいますぐ持ってきなさい!!」
「はい」
アマリアはしょんぼりして自分の部屋にある
アリサの寝顔が写った写真が入った箱を持ってくる
アリサは自分の寝顔の写真をゴミ箱に入れる
「これは残してもいいわよ」
「え?いいの!?」
アマリアは喜んだ
その写真はアリサとアマリアがツーショットで写ってる写真だった




