地獄からの刺客編
~あらすじ~
アリサはとある場所に飛ばされる
そこは学校に似た場所だった
アリサは”ラタルタの予言”が読めなくなっていた
1人の学生が”ラタルタの予言”を読む
そんな中、アリサを狙う謎の人物がいた
彼の正体は?
「ここが次の世界?」
辺りを見渡すと学校の中みたいだ
「おい、どこだここは?」
周りには4,5名ほどの学生がいる
中学生ぐらいだった
今回の私の役目は彼らを導くことだろうか
4,5名の学生が会話をしている
恐らく彼らはお互いに知り合いなのだろう
「あれ?」
私は頭の中で”ラタルタの予言”を読もうとした
しかし、”ラタルタの予言”が無い
手にも出そうとした、しかし、出ない
私は何度か力を制御されることがあった
今回もそれが必要な何かがあるのだろう
「何だ?この本??」
1人の学生が本を持っていた
タイトルには”ラタルタの予言”と書いてあった
「あっ!その本!!」
私は驚きの声を上げた
その子がその本の中を開けた
「”少年は旅に出る”、なんだそりゃ?」
「なんだなんだ?」
そう言って他の学生が本を持っている学生に詰め寄る
「何も書かれてないじゃないか!」
「いやほんとに書かれてるんだって!!」
「あなたこの本が読めるの?」
「あなたは誰ですか?」
学生の1人が私に声をかけて来た
「私はアリサ・レイニード、あなたたちを導きに来た」
私はいつものセリフを吐く
「導くって」
「それよりもその本を貸してちょうだい」
「いいけど」
私は本を持っている学生から本をかりた
「うそ……」
「どうしましたか、アリサさん?」
本には何も書かれていなかった
これじゃあこの子達を導くこともできない
「何も……書かれてないわね」
「書かれてるよ!皆目が悪いんじゃない!!」
「目が悪いのはお前の方だろ!!」
学生たちが口喧嘩を始める
「やめなさい、今はそれどころじゃないでしょ」
私が口喧嘩を止める
「確かに今はそれどころじゃないな」
「とりあえずここを探検しよ!」
学生の1人が楽しそうに言う
「皆の名前を教えてもらえないかしら」
私は学生一人一人の名前を聞いた
三越桜、女
明るく元気な印象を受ける
山本大介、男
屈強な印象を受ける
久慈谷幹也、男
やんちゃな印象を受ける
市松隼人、男
この子が”ラタルタの予言”を読める子
「アリサさんって美人ね」
「そんなことないわよ」
「それよりここってどこだ?」
「だから今探検してるんだろ!」
私たちは他愛もない話をしながら歩いていた
「あっ本が開いた」
隼人が持っている本が開く
「なんて書いてあるの?」
私が彼に本の内容を聞こうとした瞬間
「見つけたぞ!!アリサ・レイニード!!!」
突然後ろから声がした
私が振り返ろうとしたその前に
隼人が私の手を掴んで走った
「きゃああああああああ」
悲鳴が聞こえる
「はぁ……はぁ……」
私たちは保健室に来ていた
「アリサ、ベッドの下に隠れて」
「そのことと本の内容は関係があるの」
「うん……」
「分かった、そうするわ」
「僕はそのまま探索を続けるよ」
「危険よ!!」
「ここにいても同じだろ!!」
「それはそうだけど」
「それじゃあ行ってくるね」
隼人が保健室を出た
「どれくらい経ったかしら」
私はベッドの下に隠れながら呟く
「俺はラタルタというやつがどうも嫌いでな」
声がした、男性の声だ
「あいつのせいで俺の生活は台無しだ」
男性はそのまま話し続ける
「何であいつが天国に行って俺が地獄に行かなきゃいけない、なあアリサ・レイニード!!」
「!!!」
そういった途端
彼の顔がベッドの下を覗き込んだ
私は彼にベッドの下から引きずり出された
「やめて!離して!!」
「こんな可愛い子、このまま殺すのは惜しいな」
彼はそう言うと私の首を掴み壁に押し付けて
剣で私の衣服を切ろうとした
ゴキん
彼の背後から音がした
彼がうずくまる
彼の後ろには隼人がいた
手にはパールのような何かを持っている
「アリサ!!行くぞ!!!」
私は隼人に連れられて走った
「どうやら俺たち以外皆やられたらしい」
「そんな……」
「俺、奇妙な部屋を見つけたんだ」
「奇妙な……部屋?」
「そこに君を連れてこいって本に書かれていた」
私たちは走り続けた
すると目の前に妙なドアがあった
学校の中でこのドアは目立っていた
「ここだよ」
隼人がこの部屋のドアを開ける
私たちは部屋の中に入った
「これは……!!」
中には十字架が建っていて
真ん中に光水晶が埋まっていた
何回か見た光景だ
「アリサ、この光水晶に触って」
隼人が私を促す
私は隼人の言うとおりにする
力がみなぎってきた
すると突然私の頭の中で”ラタルタの予言”の内容が浮かび上がった
「アリサ、俺は時間を稼ぐよ」
「隼人……」
「その顔を見て察したよ」
隼人はそう言うとこの部屋から出ようとした
「隼人!!」
私は隼人を呼び止める
「どうした?アリサ」
「ここまで導いてくれてありがとう、あなたは私にとって英雄よ」
「最後にその言葉を聞けて嬉しいよ」
そう言うと隼人は出て行った
”ラタルタの予言”にはこう書かれていた
「”市松隼人はアリサ・レイニードを守って死ぬ”」
と……
「これで充分ね」
その言葉と同時にドアが開いた
「逃げても無駄だぞ!アリサちゅわ~ん」
男性が部屋の中に入っている
「ほれ」
男性は私の目の前に何かを投げた
それが私の目の前に転がる
・
・
・
・
・
隼人の首だった
「酷いこと……するのね……」
「酷いことをしたのはどっちだ!!俺から生活を奪いやがって」
男性が声を荒げて言う
「ラタルタはなあ、俺から生活を奪ったんだ!!」
「あなたの生活を?」
「ああ」
男性は自分の過去を話した
戦争屋をやっていたこと
それで妻や子を養っていたこと
ラタルタのせいで自分の身近で戦争が起きなくなったこと
それでラタルタを憎んで殺したことなど
「お前らは俺たちの生活を奪って何も思わないのか!!」
男性が尚も声を荒げて言う
「逆に聞くわあなたは自分のしたことに対して何も思わないの?」
「思わないね、俺は俺の生活をしていただけだ」
「そう」
「お前たちのせいで俺の生活は壊れた」
「その言葉そっくりそのまま返すわ」
確かにラタルタのせいで彼らの生活は壊れたかもしれない
でも彼らのせいで苦しい生活を強いられた人たちもたくさんいるのだ
「ラタルタは今、天国にいる、やつに直接手を下すことはできない、だが」
男はニタリと笑う
「お前を殺すことはできるよなあ」
男はそう言うと
剣を私に向けて突進してきた
「な!?体が動かない」
「あなたの動きを止めさせて貰ったわ」
私は彼にゆっくりと近づく
そして彼の額に手を置く
「悔い改めなさい」
「な、何をする!?やめ」
彼は姿を消した
「いるんでしょう?出てきなさい」
私は彼以外の存在を察知していた
「あら?バレちゃったかしら」
私の目の前に角をはやした女が出てくる
悪魔だ
恐らく彼女があの男を地獄から呼び出したのだろう
「あなたとラタルタのせいで私たち退屈で困ってるのよお」
「いづれあなたがたは神の裁きを受けることになるわ」
「ここは取引といかない?」
「取引?」
「あなたにいい男を紹介するわ、その代わりあなたはその活動をやめる」
「私がそんな取引に乗ると思うの?」
「そうよねえ」
女は残念そうに言う
「いつかあなたの命を奪いに来るわ、それじゃあねえ」
そう言うと女は消えた
「私の邪魔は出来ないわ、なぜなら私もラタルタの邪魔は出来ないから」
ピカーン
花のペンダントが光った
「次の世界へ行くのね」
私の戦いはまだまだ続く
ー地獄の刺客編ー
完
アリサとアマリアのパラレルワールドォ!
第11話
「やつがターゲットだな」
「そうですね、エックスさん」
「尾行するぞ」
「そうですね、エックスさん」
「翼、やつはどこに向かうと思う?」
「それはわかりませんねえ、エックスさん」
「翼」
「はい?」
「その呼び方やめろ」
今日も一日平和だった




