亮太編前編
~あらすじ~
中学3年生の南亮太
彼はノイローゼに陥っていた
成績は最下位、学校での人間関係もギクシャクしていた
そのせいで彼は引きこもってしまった
「ここは!?」
亮太はアリサに連れられて
ゲームに似た世界へと飛ばされる
この世界で亮太の苦難な冒険が始まる
”ラタルタの予言”が開いた
「”この世界で一人の勇者が誕生する、その名は……”」
~亮太~
「亮太、食事置いとくね」
俺は南亮太、中3だ
俺の学校での成績は最下位
人間関係もギクシャクしていた
それで次第にそんな生活に嫌気が差し
引きこもってしまった
「亮太!!」
「何だよ!!父さん!!!」
俺は引きこもって今日で3ヶ月になる
「学校に行きなさい!!」
「嫌だね!!!」
「いい加減にしないとお前を家から叩きだすぞ」
「別に構わないよ、こんな世界で生きるぐらいなら飢え死にしたほうがましさ!!」
「亮太……」
家族の関係もこの有様だ
俺はいつも通りパソコンでネトゲをやる
「もう夜中だな、そろそろ寝るか……」
俺は眠りについた
「あなたが南亮太ね」
突然声がした
俺ははっ!と飛び上がる
「誰だ!?」
真っ暗で誰だかよく見えない
声からして俺の両親ではないし
俺に弟や妹はいない
「私の手をとってちょうだい」
突然現れたその人物は俺に向かって手を差し出した
俺はその手をとった
まるで希望にすがりつくかのように
~ゲームの世界~
「!?」
辺り一面が草原になった
見知らぬ場所だ
目の前には街が見えていた
見た限りロールプレイングゲームの街にそっくりだった
「あなたはこれから勇者になるのよ」
俺は声のする方を向いた
そこには少女が立っていた
肩まで伸びた少しウェーブがかった透き通った茶髪
白いワンピースを着ていて首には花のペンダントをかけている
彼女の顔はとても可愛くて俺の好みだった
俺は彼女に一目惚れしてしまった
「俺が……勇者」
「ええ」
「ここはどこ?」
俺は当たり前の疑問を少女にぶつける
「ここはあなたがいる世界とは別の世界、そうね魔法が使える世界と言えば分かりやすいかしら」
「魔法!?」
俺は感嘆の声を上げた
一度使ってみたかったんだあ魔法ってやつを
「どうしたら使えるんだ?」
「今のあなたには使えないわ」
少女は淡々と話す
何か冷めてるっていうかそんな印象を受ける
まあそこを含めて好みだけど
「でも使おうと思えば使えるんだよな?」
「頑張れば使えるかもしれないわね」
「そういえば君の名前は?」
「アリサ・レイニードよ、今日からあなたを勇者へと導く案内人よ」
「そうかあ」
ここは俺の世界とは別世界
魔法も使える
少女は俺に”勇者”という言葉を浴びせた
そう俺はあの世界の落ちぶれた学生じゃなくて
この世界の偉大なる勇者なんだ!
「まずは目の前にいる街に行って冒険者ギルドに入ってちょうだい」
「ちょっと待って」
「何かしら?」
「俺はこの世界で生きていくことになるんだよな?」
「ええ、一応そうなるわね」
「ならこの世界での俺の名前も必要だよな」
「別に名前にこだわる必要なんて無いと思うけど」
「そんなこと言うなよ、それでかっこいい名前で何かないかな?」
「そうね……アルフレッド・ブラックナイトなんてどうかしら?」
わお、この子ネーミングセンスあるなあ
俺の厨二心がくすぐられる
「分かった!それにしよう」
「それじゃあ私は姿を消すね」
そう言った途端アリサは姿を消した
俺は驚いた
頭の中に声がした
「安心して、いつでもあなたと話はできるから」
「へえ」
俺は納得した
「それよりアリサ?」
「何かしら?」
「服装が前の世界と同じなんだが」
「それがどうかしたの?」
「俺は勇者なんだろ!?」
「今のあなたは勇者じゃないわ」
「な!?」
「言ってなかった?あなたはこれから勇者になるんであって今は勇者じゃないのよ」
なんだよそれ……
期待したのに
「アリサなら出来るんだろ?」
「何が?」
「俺を勇者にすることが」
「どういうこと?」
「だって突然現れたり、突然この世界に連れてくることもできたんだ!俺を勇者にすることぐらい」
「あなたは私が何でも出来ると思っているのかしら」
「何でもできるんじゃないのか」
「はあ……」
アリサは呆れた様子でこう言い放った
「あなたが勇者になれるかどうかはあなた次第よ」
俺は納得が行かなかった
俺は勇者という単語を聞いたとたん飛び上がるほど嬉しかった
あの時のくだらない生活とはおさらばだとそう思っていた
でも違った
この世界でも俺は俺のままだった
「どうする?戻りたかったら戻ってもいいけど」
「いや……この世界で頑張ってみるよ」
「そう」
俺は渋々納得した
どうせ戻ったところで俺の生活は変わらない
それならこの世界で頑張ったほうがましだ
「確かあの街に行って、冒険者ギルドに入るんだったよな」
「ええ」
俺は早速目の前に見えるあの街に向かった
~冒険者ギルド~
「ここか」
街に入るとすぐ冒険者ギルドが見つかった
でかでかと看板が掲げ上げられている
俺は早速冒険者ギルドに入った
「まずは冒険者登録をしなさい」
頭の中に声がした
アリサの声だ
彼女は容姿と声共に俺の好みだ
「ああ、分かった」
冒険者登録が済んだ
何かカードみたいなのを渡された
内容を見る
アルフレッド・ブラックナイト
冒険者レベル1/10 次のレベルまで10
難易度1達成数0件
難易度2達成数0件
難易度3達成数0件
難易度4達成数0件
難易度5達成数0件
「さてと、アリサ次はどうすればいい?」
「あの男に仲間に入れてもらえるよう頼みなさい」
俺の目の前に一人でテーブルに座っている男性がいた
「嫌だね」
「どうして?」
「人間が嫌いだから」
「……」
前の世界の俺は人間関係が上手くいってなかった
「それでもあなたはあの男に声をかける必要があるわ」
「どうして?」
「その方が物事が上手くいく」
「ふうん」
確かにそうだ
ましてや俺はこの世界に来たばかり
お金も武器も防具も持っていない
誰かに頼るしかないだろう
でも……
俺は冒険者ギルドを出て行った
~リシッド~
「ちょっと!とこ行くの!?」
「少し腕試しに」
俺は道端に落ちている棒切れを持って外に出た
しばらく草原を歩くと
水色の物体が見えた
ゲームで見たことがある
スライムだ
「今すぐ引き返しなさい!」
「嫌だね」
「まさかあの魔物と戦うつもりなんでしょうね?」
「ああ」
「一人じゃ無茶よ!」
「あんな雑魚、俺一人で倒せるよ」
俺はスライム目掛けて走り出した
棒切れでスライムに攻撃する
「楽勝、楽勝♪」
スライムは棒切れで一発で動きを止める
俺は次々とスライムを倒しまくって
勇者気取りになっていた
「!?」
あるスライムに攻撃しようとしたとき
スライムが口から何か液体を吐き出した
それが俺の腕にかかる
しばらくすると
「痛いいいいい!!!!」
腕に痛みが走った
皮膚がだんだん溶けていく
「痛い!痛い!痛いよお!!」
「……」
俺は泣きながら叫ぶ
すると突然誰かが俺の腕を掴んで
「ヒーリング」
と唱えた
俺の腕の痛みは引いていき
皮膚も回復していった
「大丈夫かい?君」
「助かりました、ありがとうございます、あっ」
そこには見覚えのある男性が立っていた
冒険者ギルドでテーブルに座っていた男性だ
「どうした?口が空いているけど」
「い、いえ何でもありません」
「君一人かい?」
「ええ」
「良かったら僕とパーティを組まないかい?」
唐突な誘いだった
俺は彼のパーティに入るか迷った
でも誰かに何かを誘われるのは久しぶりで嬉しかった
「はい、俺でよければ」
「僕の名前はリシッド・ドレーナー、君は?」
「アルフレッド・ブラックナイトです」
「アルフレッドかあ、いい名前だね」
「あなたのほうこそ」
俺はリシッドさんにいろいろ教わった
まずスライムを狩る人間は滅多にいないこと
スライムは魔物ではあるが
基本的に無害でギルドの依頼にもほとんど出ないらしい
それと魔法についても教えてもらった
この世界には黒魔術、白魔術、火魔術、水魔術、土魔術、風魔術があって
それぞれ初級から最上級までランク付けがしてある
それと魔術の使い方も様々で無詠唱、短縮詠唱、詠唱、筆記詠唱がある
無詠唱は素早く魔術を発動できるがその分威力が下がり
筆記詠唱は手間がかかる分、高難易度の魔術を使ったり、罠や召喚に使われる
他にも唱え方や書き方などいろいろあるがここでは省く
また魔術や詠唱にも混合があるらしい
例えば火魔術と水魔術を使って霧を作ったり
詠唱と筆記詠唱を組み合わせて絶大な魔術を発動できるらしい
「君、そんな服装で良く魔物と戦おうと思ったね」
「すいません初心者なもので」
「武器屋や防具屋によって装備を揃えたほうがいいよ」
「すいません、お金持ってないんです」
「それなら僕が出してあげるよ」
「いいんですか!?」
「困ったときはお互い様さ」
俺はリシッドさんに装備を買ってもらった
ブロードソードに
ブロンズ装備一式
冒険者として一般的な装備だ
俺たちは買い物を終えると再び冒険者ギルドに入った
「君は、冒険初心者なんだよね」
「ええ」
「ちょっと君にはきつい依頼だけどいいかな?」
「……」
「大丈夫、魔物相手だけど弱い部類だし、何かあったら君をフォローするよ」
依頼の内容はウルフの毛皮を集めるものだった
俺たちは早速ウルフがいるという森に向かった
「それにしても装備が重いです」
「ははは、冒険初心者にはよくあることだ、いづれ慣れるさ」
そういってリシッドさんが笑い飛ばす
「あっいた」
ウルフだ
5、6頭はいる
俺たちは剣を構える
ウルフが牙を向けて襲いかかってくる
リシッドさんは素早い動きでウルフを切り捨てた
対する俺は剣が重たくて思ったように振れなかった
ウルフに噛み疲れたが装備が頑丈なせいか無傷で済んだ
結局リシッドさんが全て倒すかたちになった
「はあ……」
「まあそんなに落ち込まないで、冒険初心者にはよくあることだから」
そういってリシッドさんが慰めてくれる
「そういえばリシッドさんはどうして俺なんかを仲間に入れてくれたんですか?」
「なんとなく、かな?」
「なんとなくって」
「前のパーティーが解散したばかりで僕一人だけになったってこともあるかな」
「はあ」
こうして俺たちは依頼をこなしては資金を稼ぐという生活を続けた
慣れてきたのか剣も軽々と扱えるようになった
また、合間をぬってリシッドさんに魔術を教えてもらった
”僕は初級しか使えないよ”と言っていたが充分だった
最初は難しかったがだんだん慣れて初級の火魔術が使えるようになった
まあただ手から火が少しメラメラと湧いただけだが
冒険者レベルが3になった頃
頭の中に声がした
「この街から西の町に行きなさい」
「分かったよ」
俺はアリサの言うことにしたがうことにした
アリサの言うことに素直に従っていれば
俺がスライムの攻撃をくらって苦しまずにすんだだろうしな
「リシッドさん、この街から西の街に行きません?」
「ここから西の街と言えばサイカか、しかしどうしてだい?」
「いや、いろんなところを見て回りたいなあと思って」
「そうかそうか、冒険者としては当然のことだね」
こうして俺たちは西の街にサイカに向かったのだった
~クリートとミルディ~
「数が多すぎる!!」
俺たちはイエロータイガーの討伐に向かっていた
俺たちの冒険者レベルだとイエロタイガーは弱いほうだった
しかし今回は苦戦を強いられた
「くっ!」
俺は足を怪我していた
ヒーリングをしようとしたが俺は魔力切れを起こしていた
この数を相手にしていたからだ
ミルディも他のイエロータイガーに気を取られていて
俺にヒーリングをかける余裕がなかった
イエロータイガーの牙が俺に襲いかかる
「ここまでか」
俺は死を覚悟した
その瞬間
グシャ
横から少年がイエロータイガーに斬りかかってきた
その少年の仲間であろう青年が俺に近づき俺の足にヒーリングをかけてくれた
少年と青年はイエロータイガーを次々と切り倒した
イエロータイガーの群れは危機を察知したのか撤退していった
「大丈夫かい?君たち」
青年が俺たちに声をかける
「ええ、助かりました」
ミルディが返事をした
「あ、あのもしよければ俺たちとパーティを組みませんか?」
少年が唐突に話を切り出してきた
「そんなこといいわけ」
「ええ、構いませんわ」
ミルディは俺の声を遮って言った
「ミルディ!!」
「いいじゃありませんか?仲間は多いことに越したことはありません」
「ミルディがそこまで言うならいいけど……」
「これからよろしくお願いします」
青年が俺たちに握手を求める
「ふん!俺はお前たちを仲間と認めてないからな!!一時的に協定を結んだだけだ」
「クリートその言い方をよくありませんよ!!すいませんね、彼、こういう性格なもんで」
「彼!?」
二人が不思議そうに声を発した
「彼、こう見えても男なんですよ」
~男の娘クリート~
俺たちはアシッドウルフの討伐依頼を受けていた
その道中、魔物に苦戦している人たちを見かけた
二名ほどだ
「アルフレッド!彼女らを助けましょう!!!」
「分かりました」
俺たちは彼女らの助太刀に入った
魔物たちはしばらくすると撤退していった
「大丈夫かい?君たち」
リシッドが彼女らに声をかける
「ええ、助かりました」
一人の女性がそれに答える
身長は168センチほどだろうか
髪はピンク色でカールしていて
魔法使いみたいな格好をしている
「彼女たちを仲間にしなさい」
俺の頭の中で声がした
俺はこの声に素直に従うことにした
「あ、あのもしよければ俺たちとパーティを組みませんか?」
「そんなこといいわけ」
「ええ、構いませんわ」
女の子の声を遮って女性が答える
「ミルディ!!」
「いいじゃありませんか?仲間は多いことに越したことはありません」
「ミルディがそこまで言うならいいけど……」
「これからよろしくお願いします」
リシッドがそう言って彼女らに握手を求めた
女性がリシッドの手を握り返す
「ふん!俺はお前たちを仲間と認めてないからな!!一時的に協定を結んだだけだ」
女の子のほうは俺たちを仲間としては認めてくれないようだ
しかし、一人称が”俺”って
恥ずかしくないのか?
「クリートその言い方をよくありませんよ!!すいませんね、彼、こういう性格なもんで」
「彼!?」
え?彼女、男なの?
「彼、こう見えても男なんですよ」
その彼と呼ばれる男は
身長160センチにも満たない
背中まで伸びたストレートな黒髪をしていた
顔立ちも声もどこからどう見ても女の子だった
「俺は男だ!何だ!?悪いか!?」
彼女、いや彼は威圧的に答える
「い、いえ別に」
俺たちはきょとんとして答えた
「私はミルディ・セイレンス、彼はクリート・イシュタルト」
「僕はリシッド・ドレーナー、彼はアルフレッド・ブラックナイト」
こうして俺たちはパーティを組むこととなった
しかし、クリートはアリサほどではないが俺の好みだ
男なのが残念だ、ってかほんとに男なのか?
アソコを確かめたいところだ
俺たちはしばらく休むとアシッドウルフの討伐をしに向かった
クリートは不満げだが手伝ってくれた
仲間が倍になったおかげで討伐時間は半分ですんだ
俺たちは街に戻って冒険者ギルドに立ち寄って
それぞれの依頼を完了させた
もちろん報酬も山分けした
「さて、これからどうしようか?」
「もう遅いですし、宿をとりません?」
ミルディの提案に俺たちは乗った
俺たちは宿を取った
4人部屋だ
夜
皆が寝静まったころ
俺は体を起こしてこっそりクリートに近づいた
俺の頭の中からクリートのことが抜けなかったのだ
彼は♂なのか♀なのか
今晩それを確かめようとした
こっそりこっそりと彼の股間に俺は近づく
「今だ!!」
俺は彼の股間目掛けて手を伸ばした
「ぐほっ!!」
彼の強烈な蹴りが俺の顔に当たる
「何だ!?」
皆が起き上がり部屋の灯がついた
「どうした二人とも」
リシッドが声をかける
「こいつがいきなり俺に襲いかかった」
クリートがそれに答える
「アルフレッド……」
「いや、これはだな……ちょっと確かめたいことがあって……」
リシッドが幻滅したかのような目で俺を見る
「とにかく、クリートに謝りなさい」
「クリートさんすいませんでした」
「ふん!」
クリートはまだ不機嫌なようだ
ああもうやけくそだ!!
「クリートさんほんとに男なんですか?」
俺は頭の片隅にずっとある疑問をクリートにぶつけた
「そんなに俺が女に見えるか」
「ええ」
「どうしたら俺を男として見てくれる」
「そうですねえ」
「あれを見せろというのはなしだぞ」
「分かりました、それじゃあこれはどうでしょう?」
俺はテーブルに肘をつく
「腕相撲か、いいだろう」
クリートがテーブルに肘をついて俺の手を握る
「私が合図を出しますね」
ミルディが仕切る
「レディ」
辺りを静かな空気が包む
「ゴおおおお!!!」
「ふんぬ!!!」
俺は力の限りを尽くした
しかし
ガタン
俺は負けた
「な!?」
「ふん、お前みたいな不抜けた冒険者に俺が負けるわけないだろう」
「まさか魔力を使ってないでしょうね?」
俺は抗議する
「それはないでしょう、魔力で体を強化したならオーラが見えるからね」
リシッドが横槍を入れる
「でもおかしいじゃないですか!?見たところ筋肉もついてるように見えないし」
「アルフレッド、素直に負けを認めなさい」
「……分かりました」
正直納得が行かない
でも負けは負けだ
「次変なことしてきたら殺すからな!!」
クリートが俺を脅す
「はいはい、もうしませんよ」
こうして俺たちは再び眠りについた
しかし、クリートが男だということにどうしても納得がいかない
まあ認めるしかないか
~クリートの過去~
俺は幼い頃いじめられてた
俺の容姿はどこからどうみても女の子にしか見えないらしい
俺は裸にされたり、半分レイプされかけたりと恥辱を受け続けた
そんな中俺を守ってくれる人が現れた
ミルディだ
彼女のおかげで俺は虐められなくなった
といっても影ではまだいじめは続いた
そこからだ、俺は強くなって自分の身を守ろうと思ったのは
俺は浸すら自分を鍛えた
腕立て伏せ、腹筋、背筋、ランニング
あと独学だが体術も
そのおかげか、俺をいじめてくるやつらを返り討ちにすることが出来た
俺は自分が強くなれたことを実感して嬉しくなった
俺は次第に強さを求めるようになった
それで魔術にも手を出した
これも独学だがある程度の魔術の初級は抑えることが出来た
火魔術だけは中級まで上り詰めることが出来た
そして俺はある程度魔術を習得した後
冒険者ギルドに赴いた
そこで偶然ミルディに出会った
彼女も冒険者ギルドに登録しに来たという
そこで意気投合した俺たちはパーティを組んだ
俺たちは早速武器屋や防具屋に向かった
俺は魔銃をミルディは杖を選んだ
防具は素早く動けるものを
ちなみに俺は黒が好きなので黒を選んだ
ミルディはローブを選んだ
こうして俺たちは冒険者になった
俺たち順調に依頼をこなしていった
依頼をこなす内に日に日に強くなっていくような気がした
そこで油断がうまれたのかもしれない
俺たちは運悪くイエロータイガーの群れに囲まれたのだ
そこに二人の男たちが助けに入ってきた
そして俺たちは彼らとパーティを組み今にいたる
だが、どうも気に食わない
特にアルフレッドとかいう少年だ
夜中、俺を襲おうとした
十分に警戒する必要があるだろう
しかし、俺は普段体を鍛えてるのに
全然筋肉がつかない
力はついているみたいだが
「メンバーも増えたし、難易度4の依頼を受けない?」
「それはいいですね」
ミルディとリシッドが会話をしている
難易度4か
俺にとっては丁度いい
早く冒険者レベルを上げて有名な男になりたいもんだ
女じゃなくて男にな
~難易度4~
俺たちは冒険者ギルドに赴いた
ギルドで依頼を受け
それを達成させる
それが冒険者の日常だ
それにしても今日は難易度4の依頼を受けるらしい
大丈夫だろうか?
リシッドは簡単なほうを選ぶと言っていたが
難易度4の依頼はレッドスライムの群れの討伐及び素材回収だった
レッドスライムはスライムの中でも凶暴で
素早く動き回る上に吐く液体も通常のスライムの3倍の威力があるらしい
ほんとに大丈夫だろうか?
俺たちはレッドスライムを討伐しに洞窟へ向かった
~レッドスライムの群れ~
俺たちはレッドスライムのいる洞窟に辿りついた
「早速出てきたか!!」
俺たちが来るのを待ちわびたとばかりにレッドスライムの群れが襲いかかった
俺は両腰から素早く魔銃を取り出し
次々と襲いかかってくるレッドスライムへと銃弾を放つ
「クリートさんやりますね」
「馴れ馴れしく話しかけるな変態野郎!!」
それにしてもレッドスライムの討伐は
イエロータイガーの群れに囲まれたときよりも簡単だった
やはりあの時は運が悪かったのだろう
油断もしていただろうしな
こうして俺たちはレッドスライムの群れを倒して
素材である液体を回収した
~次の街~
「ここから北の街へ行きなさい」
頭の中で声がした
「分かった、それにしても」
「何かしら?」
「お前の言う通りにすれば俺は勇者になれるんだよな?」
「ええ、なれるわ」
「そうか、ならいいけどさ」
いきなりこの世界に連れてこられて勇者になるだなんて
普通じゃ考えられない
まあ成績最下位の俺に考える脳なんてないがな、ハハハハハ……
「皆さん、北の街に移動しませんか」
「北の街はミルトンか、しかしもう少しここにいてもいいんじゃない?」
「少し事情がありまして」
「事情とは何だ?」
クリートが突っかかって話す
「それは秘密です」
「隠し事か、そんなやつの言うことは信用できんな」
クリートが俺を疑う
「まあ事情があるならいいけど」
「私も移動することは構いません、そうでしょ?クリート」
「え?あ、ああ」
どうやらクリートはミルディに弱いらしい
だからなんだという話だが
こうして俺たちは北の街ミルトンに向かうことになった
~新たな仲間~
俺たちは北の街ミルトンに辿りついた
すると頭の中から声がした
「ここの近くの山に向かいなさい」
「はいはい、分かったよ」
俺は心の中で了承しつつ
冒険者ギルドに向かった
俺たちがどんな依頼を受けようか決めていると
「あの、山に行くような依頼がいいんですが」
とアルフレッドが言った
「ここいらの山はドラゴンが出るから危険だよ」
「そうなんですか!?」
リシッドがアルフレッドに言った
「でもどうしても山に行きたいんです」
「そこまでして行きたいならいいけど」
リシッドが掲示板に貼られている依頼内容を確認する
「山に行く簡単な依頼は難易度3の癒しきのこ採取ぐらいしかないね」
「じゃあそれでお願いします」
俺たちは山に登って癒しキノコを採取することになった
こんな簡単なことなのに難易度3っていうのはやはりドラゴンが出てくるのが原因なのだろう
「ドラゴンが出たらとにかく逃げること!わかったね!!」
「はい!!」
こうして俺たちは山に登った
「トレイン、やはり私たちにはドラゴンは早すぎるわ!!ひきましょう」
「ここまで来てそうは行かねえ!!」
俺たちは3名しかいないが冒険者レベル7のベテランだ
今日はドラゴンの討伐に来ている
このドラゴンはただのドラゴン
つまりドラゴンの中で最も弱い部類ということだ
しかし、ここまで苦戦するとはさすがは難易度5と言ったところだ
俺たちは次第に消耗していった
「アダムス!!危ない!!!」
ドラゴンはアダムスを重点的に攻めていた
まずい!アダムスが咬み殺される!!
次の瞬間
ガキン
一人の少年がアダムスの前に立ってドラゴンの牙を防いだ
その拍子に吹っ飛んでいった
また後から何名か応援が来た
さすがにドラゴンもこの数相手では厳しいだろう
あっさりと倒された
「ふう……」
「助かりました、ありがとうございます!!」
俺たちが助けに来てくれた人たちにお礼を言う
「いえいえ、冒険者同士困ったときはお互い様ですから」
青年が言う
「あの」
少年が話しかけてきた
「ああ、あの時アダムスを助けてくれた少年だね!ありがとう、お礼として報酬の何割かをあげるよ」
「報酬はいいです、その代わりお願いがあります」
「何かな?」
「俺たちの仲間になってください!!」
少年は思いっきりお辞儀をしてきた
「助けてくれたことは感謝する、しかし仲間になるのは」
「あら、いいじゃないの、仲間が増えるのは私は歓迎よ」
ミレイユが言う
「しかし」
「彼は俺の命の恩人だ、俺もミレイユと同じ意見だが」
アダムスが言う
「分かったお前たちがそこまで言うなら俺も仲間になることを認めよう」
「あ、ありがとうございます!!」
少年は再び思い切ったお辞儀をしてきた
こうして俺たちは彼らのパーティに加わることになった
~ヘブンズワールド~
トレイン、ミレイユ、アダムスの3人が仲間に加わった
俺は予めアリサに言われていたのだ
”この山を登るとドラゴンに苦戦している3人の戦士に合う、その3人を助け仲間に加えなさい”と
彼女の言う通りだった
やはり彼女に従えば俺は勇者になれるかもしれない
「数も増えたこと出しパーティ名でもつけない?」
そう提案したのはミレイユだった
「それはいいね」
リシッドが賛同する
「それじゃあどんな名前がいいか案がある人」
ミレイユが挙げてのポーズをする
「じゃあ」
アダムスが手をあげる
「はい、アダムス」
「アルティメッツがいいんじゃないかな?最強のパーティを目指して」
「う~ん、何かしっくり来ないわね、他には」
「僕からいいかな」
リシッドが手を挙げる
「はい、リシッド」
「ヘブンズワールドとかどうだろう、世界の平和を目指して!!」
「それいいわね」
「正直に言う、ダサい」
賛否両論だった
結局他のパーティ名はあがらず
パーティ名はヘブンズワールドになった
~順風満帆~
その後俺たちは難易度5の依頼を受けまくった
時には別れて依頼を受けたりもした
冒険者レベルも順調にあがり
全てが上手くいっていた
俺たちはもっと厳しい依頼を受けるべく
その依頼がある街ベルメクへと向かった
たくさんの厳しい依頼を達成させてきたおかげか
俺たち”ヘブンズワールド”の名は次第に広がっていった
ある日、俺たちはベルメクでレッドドラゴンとブラックドラゴンの討伐を依頼された
この2体が森林に巣を作って困ってるという
早速俺たちはこの2体を討伐しに出かけた
とても危険な依頼だったが
たくさんの厳しい依頼をこなしてきた俺たちだ
達成できるだろう
「見つけた!」
ブラックドラゴンを見つけた
俺たちはそれぞれ武器を構えブラックドラゴン目掛けて攻撃をしかけた
ブラックドラゴンはその名前だけあって手ごわかった
俺たちはヒットアンドウェイで交互に攻撃を仕掛けていった
ぐおおおおおおおおおおおおおおお
ブラックドラゴンとは別の方向から大きな唸り声が聞こえた
レッドドラゴンだ
「2体相手はまずいです!引きましょう!!」
ミレイユが撤退を促す
「ここまで来てそうは行くか!!」
トレインは強気だ
俺たちはそのまま戦い続けた
しかし、それは間違いだった
「え?」
一人上半身がない人がいる
その装備を見た瞬間誰か分かった
・
・
・
・
・
・
・
・
リシッドだった
ー亮太編前編ー
完
アリサとアマリアのパラレルワールドォ!
第9話
ここは”何でも屋エト”
今日もエトは研究を続けていた
ガチャ
ドアが開いた
「いらっしゃい、なんの御用かな?」
「俺、アレが小さいんです、アレを治す薬はないでしょうか?」
「アレとはなにかな?」
「アレと言ったら人に言えないアレですよ」
「そうかい、ならこの薬を飲むといい」
エトは赤い液体を男に渡した
男はそれを飲む
「何か鼻が大きくなったような気がするんですが?」
「えっ?アレと言ったら鼻のことでしょう?」
「違いますよ!アレと言ったらアレですよ!!」
「分かりました、これだね」
そう言うとエトは茶色い薬を男に渡した
男はそれを飲む
「ん?何も変わる様子がないようですが」
「あっ鏡を渡すのを忘れてたね」
エトは手鏡を男に渡す
男は手鏡を見ていう
「違う!アレと言うのは目じゃなくてですね」
「ああ、そういうことか」
エトは黄色い液体を男に渡す
二人の勘違いが続く




