やさしい呆れ言葉
楽しいこと
うれしかったこと
は
どこに仕舞っておいたのか
忘れてしまうのに
苦しいこと
辛かったこと
は
すぐに取り出せる場所にあって
触れたくないのに
触れてしまう
痛い痛いと泣くくせに
苦しいと騒ぐくせに
飽きずに触れてしまう
そんなに暗い顔していたら
よかったことが拗ねますよ
うれしかったことが泣きますよ
やさしい呆れ言葉が
心の端から顔を出して
困ったようにこちらを見ていた
何でも苦しくかなしく
感じてしまうときもあるのです
と
答えてみたら
ばかだね、笑っちゃうよ
苦しみもかなしみも
自分で膨らませているのだから
空気を抜いてごらんなさい
しおしおに縮んでちっぽけなものに
なるから
それがあなたの苦しみかなしみの
本当の姿
軽くなった心は
空気が抜けていったから
しおしおに縮んだちっぽけなものが
床の上にポツンポツン落ちてきた