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黒沢
先輩と別れてから、少し遠いコンビニへ行った。
喪服姿の先輩を撮った写真を現像するためだ。
憂いを帯びた目、ため息を吐く口元、こんな先輩を見逃すわけない。
だって、先輩は私の運命の人。
私を守ってくれたから、今度は私が守ってあげなきゃ。
引き伸ばした写真は、ラミネート加工して天井に貼りつけた。
先輩は、あの女の葬儀に出るため3日間バイトを休んだ。
死んでも邪魔するなんて、とんでもない魔女ね。
暗い土の中で、一人で眠ればいい。
だけど、私は先輩の姿を毎日見られる
こんな優越感に浸る自分は可愛い。
鏡の前で髪型チェックをしてバイトへ出かける。
きっと、今日の先輩も落ち込んでるに違いない。
私が元気だしてあげなきゃ。
バイト先へ着いた私は、元気無いふりをして先輩に挨拶した。
「先輩・・・おはようございます」
「おはよ」
元気のない先輩の目は、遠くを見つめているようだ。
「先輩、こんなときに言うのは申し訳ないのですが・・・元気出してください」
「そうだね・・・」
「笑ってくれる先輩じゃないと、私も耐えられません!さくらさんとは一度しか話してないけど、とても優しくて笑顔も素敵で理想のお姉ちゃんみたいで」
途中まで言いかけた私は涙を零した。
泣いてる私に気づいた先輩は、頭を撫でてくれる。
「ごめんね、君まで悲しい思いをさせて」
「いえ、先輩のせいじゃ」
「俺も笑うから、君も笑ってくれ」
「はい」
私の涙が効いたのか、先輩は笑顔で仕事を進めている。
だから私も笑顔で乗り切るよ。
全ては私と先輩のためなのだから。




