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第89話

 リバーシ加入試験2日目の朝。


 司は自室である520号室で目を覚ました。


「……」


 体内時計はしっかりしているのか、目覚ましの音や日の光が無くとも、司は寝坊せずに起きる事ができた。


「ふわぁ~あ……朝かな? この部屋、窓無いから分かりにくいんだよなぁ……」


 ぶつくさと文句を言いながらも殺風景な部屋に申し訳程度に置かれている時計に目をやると、時刻は7時20分を指していた。


「……取り敢えず顔洗って歯磨いてから2階に行こ」


 2階はレストランとなっており参加者はそこで朝昼晩、食事をする事となっている。参加は強制ではなく、気が乗らなかったり食事をしている暇があるなら脱出の手掛かりを見つける為の調査をしたい人は行かなかったりする。


 この辺の判断は各々に委ねられ、食事も3食通してバイキング形式だ。予め伝えられた食事の時間内であれば、好きな時にレストラン部屋へと訪れて好きなように食事をして構わないという自由っぷりである。


 朝は7時から9時の間であればいつでも朝食を取る事が可能となっている。司が起きた7時20分は余裕のある時間帯と言えるだろう。


「 (さて……今日もカジノが始まるまでは調査って感じかな) 」


 歯を磨きながら司はそんな事を考えていた。


 昨日行ったポーカー勝負ではテトラがゲーテのイカサマを見破り、結果テトラが残高『570』、司が『90』となった。


 その後彼らは勝ち負けを繰り返し、最終的には司の残高が『250』、テトラが『550』という結果でそれぞれ初日を終える事に。


 ちなみに司が個人的に行っているテトラとの勝負に関してだが、こちらはマイナス1から変動は無かった。何か事件や困難な壁が立ちはだかった時、テトラよりも先に突破口や解決策を見つけたらプラス1、テトラが先に閃いたらマイナス1を付けていく形式だったが、ゲーテとのポーカー以降はただの運否天賦な勝負でしかなくポイントの増減自体が発生しなかった訳だ。


 恐らくカジノに関してはゲーテのように、イカサマを使ってくる相手や内通者でもない限りポイントの増減は以降も発生しないだろう。となれば、今日から本格的に行う事になる脱出の手掛かり集めで巻き返していくしかない。


 試験が終わった後にマイナスだったら合格してもリバーシを辞退するという気持ちは今でも変わっていない。


 寧ろ今日の調査では絶対にテトラよりも先に糸口を見つけ、ポイントをどんどん加算していこうと燃えていた。


「 (そう言えばテトラはもう起きてるのかな。確か部屋は510号室って言ってたけど、レストランに行く前に寄ってみよっかな) 」


 テトラはWPUの人間として、今リバーシ加入試験会場がいかに危険な場所と化しているかを既に把握している。


 そんな事を何も知らない司は身支度を整えた後、呑気にもそんな事を考えながらテトラの部屋へと向かった。


 彼女の部屋の前に立ってノックをする。するとドアが開き、司と同じく洗顔や着替えを済ませたテトラが笑顔で朝の挨拶をしたのだった。


「あ、司くん! おはよう! えっと、昨日はよく眠れた?」


「おはよう、テトラ。結構ぐっすりだったよ。緊張して眠れないかなって思ってたけど、やっぱり異世界で慣れない時間を過ごしてると疲れてね。ベッドに横になったら、もう一瞬だった」


「あはは、私と一緒~! (司くんはゲーテの正体やレイクネスの侵入を知らない。絶対に不安にさせちゃダメだ……いつも通り……笑顔で自然に接しないと……) 」

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