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第7話

「えー? それって私が特別って事かな? も~ひぃちゃん、可愛い所あるじゃん! あ、原異生物(げんいせいぶつ)のシアでーす! へぇ~結構可愛い男の子じゃん! 後でお姉ちゃんとデートしない?」


「 (……? 原異生物って言った? 今。聞いた事無い名前だけど……) 」


「自分が気持ち悪い発言していると自覚した方が良いですよ。あなたは。それと、あれ程原異生物に関しては口にするなと言ってきたでしょうが」


 妙に焦っている様子の氷雨は割と本気目に注意している。シアが言った『原異生物』という正体はなるべく口外したくない情報なのだろう。


「あ、ごめーん! 今の忘れてねっ! 司くん!」


「は、はぁ……分かりました。 (何なんだよ、この人たち。見た所、僕よりも三つくらい上? かな。一体何者なんだ?) 」


 原異生物については釈然としないが、今はそんな事をいつまでも気にする余裕は無く、司は一旦シアの言う通り忘れる事にした。


 三人の名前を知れたのは大きな前進だったが、結局彼らが何者で何故自分の待機部屋を訪ねて来たのか、その辺の情報は一切貰えなかったのだ。司の中のモヤモヤは消える事無く、彼の表情は怪訝なままだった。


 そんな司の心情を察したのか、シュレフォルンが肝心な部分を話そうとする。


「何が何だか分からないって顔してるな。取り敢えず部屋の中に入れてもらっても良いか? そこで説明するからさ」


「え……僕は別に構いませんけど……あ、でも……」


 司が今待機させられている部屋が普通の広さだったら歓迎なのだが、お世辞にも広い空間とは言えない。入れるのは不可能では無いが四人も居たら結構ギュウギュウになってしまうだろう。


 その事を容易に想像できた司は思わず躊躇う。


「ん? あー平気平気。俺ら部屋が狭いとか気にしないからさ! まぁお前が嫌って言うなら話は別だけど。あと俺らに敬語とか使わなくて良いぞ」


「そ、そうですか……あ、いや、そうなんだ。分かったよ。僕も別に気にしないし、見ての通りかなり狭いけどどうぞ」


 そう言って司は彼らに背を向け部屋の角に行く。その後三人も特に遠慮する様子も部屋の狭さを気にする感じも見せず、司の待機部屋に入った。


 三人もそれぞれ四隅に座り、司の隣にシア、司の前にシュレフォルン、司の対角線上に氷雨という位置関係であった。それぞれ女の子座り、あぐら、正座で座り、それだけで性格が表れているようだ。


「さて。それじゃあ改めて。試験に向けて緊張している中、急に悪かったな」


「そこは気にしないで大丈夫だよ。話し相手が居た方が僕も緊張が和らぐしね」


「そうか? なら良かった。色々聞きたい事はあると思うが、まずは俺らの正体から話させてもらう」


 そう言ってシュレフォルンは黒い手帳のようなものを取り出した。そしてそれを縦長に広げて司に見せる。まるで警察手帳を見せる時の刑事のようだ。


 その開かれた手帳は上半分と下半分で公開情報が異なっていた。上側はシュレフォルンの証明写真と名前、そして下半分には紋章らしきものが描かれている。


 司は嫌でも注目してしまうその紋章を凝視した。


 勇者が持つような盾を間に挟んで二人の騎士が向かい合って剣を交差させており、盾の背後には翼の生えた女神のような女性が祈りのポーズを取っている。更に周囲には桜の花びらのようなデザインの物体が散りばめられていた。


「これ、何か分かるか? 知ってる奴は少ないから知らなくても無理は無いけどな」


「……? あれ、これどこかで見た事が……えっと……。……! あ……ああ!」


 そのデザインが何を示すものなのかを思い出した司は思わず声を上げてしまう。


「あはは! 司くん良い反応するね!」


「ちなみにですけど私たちは三人とも『そう』です」


 シアと氷雨の言葉が耳に入って来ない程に司は驚いていた。まさか自分が生きている内に関わりを持つ事になるとは思ってもいなかった人たちを今目の前にしていたからだ。

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