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日ノ本文化部 海へ

そんなこんなで、磯貝亭での焼きそば休憩から一転、今度は海へ出かける計画が急ピッチで進み出す日ノ本文化部。

「海と言ったら昭和ソング流しながら、みんなで泳いで、花火して…それからスイカ割りにビーチボール大会よ!」 琴美はもう止まらない。誰も止めない。

「お姉ちゃん、あたしも行きたい!」 いつの間にか真平の隣に座っていた萌香が笑顔で手を挙げた。

「おいおい、急に割り込むなよ。」 真平が驚きながらも言うと、萌香は「だってさ、海なんて楽しそうじゃん!」と屈託のない笑顔で答える。

「まあ、別にいいんじゃない?」 沙羅は肩をすくめながら、あっさりと受け入れる様子。

「萌香なら一緒でも問題ないでしょ。」

「パォ~! 萌香さんが来てくれたら、もっと賑やかになりますね~!」 シャオが拍手をしながら賛成すると、琴美も「そうよ! 若い力が必要だわ!」と大げさに同意する。

「いや、萌香は若いけど、お前らも十分若いだろ…」 真平が呆れつつぼそりとつぶやくが、誰も聞いていない様子だった。

「で、決まりね! 萌香ちゃんも含めて、みんなで海に行くのよ!」 琴美が勢いよくまとめると、萌香は「やったー!」と両手を挙げて喜んだ。


それから数日後海水浴への予定をたてた、日ノ本文化部のメンバーたちは早朝駅に集合していた。

「よし、みんな揃ったわね! さあ、昭和の海へレッツゴー!」琴美が先頭に立ち、大きなトランクを引きずりながら宣言する。

「いや、そのトランク、本当に重そうだな…」 真平が怪訝そうに見つめると、琴美は自信満々に言い返す。

「大丈夫よ! 中には必要なものしか入ってないんだから!」

「その必要なものって何が入ってるのよ…」 沙羅が呆れながら尋ねると、琴美は得意げに答えた。「昭和の海水浴を楽しむ秘密兵器!」

「秘密兵器って、何よ…」 沙羅が思わずツッコむと、「言ったら秘密兵器にならない」シャオは「パォ~! 秘密兵器楽しみです~!」と純粋に喜んでいる。

「えへへ~、みんなで記念写真とか撮ったら、楽しい思い出になりそうです~♪」 美優もほんわかとした笑顔で賛同する。

「…まあいいや。早く行こうぜ。」 真平が諦めたように言うと、勇馬がスマホで時間を確認しながら頷く。

「電車の時間も迫ってますし、行きましょう。」

4時間ほど電車に揺られ、ついに海に到着した日ノ本文化部。目の前に広がる青い海と白い砂浜と潮風に、一同のテンションは最高潮に。


「パォー! 海ー!」 シャオが目を輝かせながら叫び、萌香も「よーし! 思いっきり遊ぶぞー!」とあっという間に水着に着替えた二人は砂浜へ走り出す。

「ちょっと待って! まずは荷物を置いて準備するわよ!」沙羅がしっかりとみんなをまとめつつ、近くの海の家へ向かい必要なものを買いそろえたりレンタルする。

 ビーチパラソルを広げ、ラムネを片手にくつろぐ琴美。 「これよ! これが昭和の海って感じじゃない!」

 沙羅と美優がサンオイルを塗りっこしているのを横目に、琴美が真平に声をかける。

「ねぇ、サンオイル背中塗れないところ塗ってよ」 琴美がビキニのトップを外してレジャーシートに寝そべる。

 言われるままにサンオイルを塗る真平。塗りながらポツリと呟く。

「おまえホントきれいな肌してるな、顔だってきれいだしスタイルも抜群。」

「えっ…えっ?」 琴美はこのまま告白されるのかと覚悟を決める。

「でも性能はめちゃくちゃだよな…」 予想外の言葉にムッとして起き上がる。

「!!!!!!」 トップを外したままと気付いた琴美は真平にビンタした。

 勇馬が缶ジュースを抱えて来ると、真平は一つを受け取り頬にあてる。

「どうしたんですか。」 勇馬の問いに、真平は適当に手を振るだけだった。

 一部始終を見ていた沙羅と美優は「バカね」「ですね」と小声で笑い合う。


 一方、砂浜ではスイカ割りが始まっていた。

「いくわよー!」 萌香が目隠しをして棒を持ち、シャオの指示でスイカに向かうが…

「もっと右! あ、今度は左!」

「パォ~! 惜しいです~!」 と盛り上がりながらも、なかなか当たらない。

「次は私!」 琴美が自信満々で挑戦するが、スイカを外して思いっきり棒を砂に刺してしまう。

「なんで当たらないのよ!」

「いや、回りすぎなんだよ…」 真平が苦笑しながらツッコむ。

 沙羅は偶然なのかわざとなのか琴美のほうへ真っすぐ向かい頭を叩いた。「あんた!絶対わざとでしょ!!」琴美は抗議するが、目隠しを外しながら何のことやらとスッとぼける。


 夕方になり、空が赤く染まる中、花火が始まった。手持ち花火を片手に、全員が笑顔で語らう。

「なんか、こうやってみんなで過ごす夏って、すごく特別だな。」 真平がぽつりとつぶやくと、琴美が「当たり前じゃない! だって、昭和の夏を全力で楽しんでるんだから!」と笑顔で答えるが昼間のことを思い出した二人は気まずそうに眼をそらす。

「パォ~! 本当に楽しいです~!」 シャオが大きく手を広げ、花火の光を見つめる。

「えへへ~、この時間がずっと続けばいいですね~♪」 美優がそっと呟くと、全員が「そうだな」と静かに頷いた。

夜空に輝く花火と、砂浜に響く笑い声。 こうして、日ノ本文化部の夏休みの冒険は、最高の形で幕を開けたのだった。



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