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妹来たる

 部室の片付けをしながら、部員たちは今日の出来事を振り返っていた。

「やっぱり勇馬のスピーチ、ちょっと感動しちゃったわね。」沙羅がほほ笑みながら言う。

「えへへ~、私も楽しかったです~。また誰かの誕生日にやりたいですね~。」美優がのんびりとテーブルを拭きながら言う。

「でも、こんな派手なこと、毎回やるのか?」真平が苦笑いしながらシャオに目を向けた。「次はシャオの誕生日とか?」

「パォ!それ、いいですね~!でも、私はもっと小さくていいです~!」シャオが慌てて手を振る。

琴美がニヤリと笑いながら言う。「何言ってるのよ!部員の誕生日は盛大に祝うのが日ノ本文化部の流儀でしょ!」

「それ、あんたが勝手に決めただけでしょ。」沙羅があきれ顔で突っ込むと、勇馬が静かに言った。

「でも、本当に今日はありがとう。こういう日があるから、この部活がもっと好きになるんだ。」

部員たちは一瞬静かになり、次の瞬間、笑いが起こった。

「なんか、勇馬のその真面目な感じ、うちの部活にそぐわないくらいだよね。」真平が肩をすくめる。

「そうか?逆に真面目さでバランス取ってる気もするけどな。」沙羅が頷くと、美優も「勇馬さんが真面目だから、みんな安心できるんですよ~。」とほんわか。

「まあまあ、みんなでいろいろバランス取りながらやればいいのよ!」琴美が腕を組んで締めくくる。

部室を出るとき、シャオがぽつりと言った。

「パォ~、でも、やっぱり勇馬の誕生日、楽しかったですね~。」

その言葉に、全員がうなずきながら部室を後にした。


 放課後の部室は、いつもの賑やかな雰囲気に包まれていた。琴美が新しい昭和企画について熱弁を振るい、真平が疲れた顔で「それ絶対無理だろ…」と突っ込んでいる。

そんな中、ドアが勢いよく開いた。

「こんにちは~!」元気いっぱいの声が響き渡り、現れたのは磯貝沙羅の妹・萌香だった。

「お姉ちゃん、探したんだから!」萌香はニコニコしながら沙羅に近づいてきた。

「萌香!?なんでここに来たのよ!」沙羅が驚いて声を上げる。

「お父さんが、お店に忘れた買い物リストを渡してほしいって言われたの!だから持ってきたのよ~。」萌香はリストを差し出しながら、部室を興味津々に見渡した。

「ここが日ノ本文化部の部室なのね!うわぁ~、面白そう!」萌香は勝手に部室の机や棚を物色し始める。

「おいおい、勝手に触るなよ!」真平が慌てて止めようとするが、萌香は全く気にしない。

「これ、昭和の雑誌?すごーい!わぁこれTVゲーム?」萌香が目を輝かせる。

琴美が大声で答える。「そうよ!昭和文化を広めるために集めた宝物なの!」

「お姉ちゃん、こんな楽しい部活やってたんだ!ずるい~、私も入りたい!」萌香が満面の笑みで言うと、沙羅は頭を抱えた。

「いや、あんたには無理だから。家の手伝いでもしてなさい!」

「そんなこと言わないでよ~!お姉ちゃんだって楽しそうにしてるくせに!」萌香が拗ねる。


萌香は次々と部員たちに話しかけ始めた。

「パォって何?どういう意味なの?」

「えっと…驚いたときに出る声です~。」

「えー!かわいい!じゃあ私も言ってみよ!パォ~!」

シャオはニコニコしていたが、段々と押され気味になる。


「メガネの先輩、頭良さそう~!昭和のこといっぱい知ってるんでしょ?」

「え、まあ…多少は。」

「じゃあこれって何?」萌香が指差したのは、勇馬が修理していたレトロゲーム機。

「それは…ゲーム&ウォッチです。」

「へぇ~!やってみたい!」萌香がボタンを押しまくると、勇馬は慌てて止めに入った。


「お姉ちゃんの部活の中で、一番癒し系だよね~。」

「えへへ、そうかなぁ~。」

「お茶とか入れるの得意?」

「はい!みんなに喜んでもらえると嬉しいです~。」

「私も手伝おうかな!」萌香が言うと、美優は「ぜひぜひ~!」とほんわか笑う。


「ちょっと萌香、あんた部活を荒らしに来たの?」沙羅がため息混じりに言うと、萌香はにっこり笑った。

「違うよ!ただ、こんな楽しい場所があるなら、たまには遊びに来たいなって思っただけ!」

「遊びに来るだけで済むわけないでしょ、あんたの場合。」沙羅がジト目で突っ込む。


「待って沙羅!妹ちゃん、センスあるわ!」琴美が突然割って入った。「昭和の文化を知らない若い世代として、ぜひ体験させるべきよ!」

「えっ、そうなの?」萌香が目を輝かせる。

「もちろんよ!昭和の遊びや食べ物を体験して、それを広めるのが私たちの使命だから!」琴美が力説する。

「それって、楽しそう!」萌香はノリノリになり、沙羅は再び頭を抱えた。

「もう、勝手にすれば…」


• けん玉挑戦

萌香がけん玉に挑戦するが、玉を盛大に飛ばして真平の額に直撃。

「いってぇ!」真平が叫ぶと、萌香は「あ、ごめんなさい!」と笑いながら謝る。

• 昭和の歌謡ショー

琴美が用意した昭和のカラオケセットで「UFO」を熱唱。萌香もマイクを握り、「お姉ちゃんも一緒に歌ってよ!」と沙羅を引っ張り込む。

「なんで私が!」と拒否する沙羅を無理やりステージへ。

• レトロ菓子試食

萌香が昭和の駄菓子を食べ、「これ、今のお菓子より面白いね!」と感想を漏らす。シャオも一緒に味見し、「パォ~、美味しいです~!」と大盛り上がり。


「さて、そろそろ帰らなきゃ。」萌香が帰る準備をすると、琴美が手を振りながら言った。

「また遊びに来なさいよ!次はもっとすごい昭和企画用意しておくから!」

「うん!お姉ちゃんも楽しそうだし、また来るね!」萌香が明るく答えた。

「いや、別に楽しくないし!」沙羅がツンとした態度を取るが、どこか嬉しそうでもあった。

萌香が去った後、部室はぐちゃぐちゃ。

「妹さん、元気すぎない?」勇馬が額を押さえながら言うと、沙羅は肩をすくめた。

「まあ、あの子の元気さは認めるけどね。」

「パォ~!また来てほしいです~!」シャオがニコニコと続ける。

「いや、また来たら部室が崩壊するんじゃないか…」真平のぼやきに、全員が笑い出す。

こうして、沙羅の妹・萌香が日ノ本文化部に新たな嵐を巻き起こしたのだった。




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