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白い悪魔

 次の日真平より先に勇馬が部室にいた、旧校舎校長室の部室は豪華な机、応接セットの他にも壁際にはスチール製書庫 がある。その中じっと見ていた。

「早いな」勇馬は振り返ると

「先輩、これって・・・」以前、琴美が持ち込んだカラーテレビゲーム15を指さした。真平は苦笑いしながらこれがここにある経緯を勇馬に語った。

 聞いていく勇馬の目にはドンドン輝きがまし聞き終えると、琴美に向かって。

「先輩!感動しました!!実生活からも常に昭和を探し続ける精神!!!」

 勇馬は琴美の両手を取り熱く思いを告げた。最初は戸惑い気味であったが、勇馬は彼女を称え続けている。

 新設してから沙羅になじられっぱなしであった琴美は非常に気分を良くしていた。

「勇馬!あんた見どころあると思ってたけど、もう同志ね」琴美は全員がそろっているのを確認すると、

「あんたたち!明日までに家にある昭和を持ってくるのよ!!昭和を追求してこそ日ノ本文化部よね、一番みんなを感動させた人が優勝、一番しらけさせた人間は八つ裂き!!!」

 勇馬は感動していた、

「君、熱血くんだったんだ」沙羅が目をまるくしていた。

「シャオどうすんだよ!!寮だぞ」

「真平!あんた隣を案内しなさい。シャオが一番パォって言ったものにすればいいわ」

 なるほどと思った真平はすぐにシャオを隣の元職員室いまは倉庫に案内した。

 しばらくするとシャオのパォが響きまくっていた。

 この中で一番の問題児がいた、

「美優!あんた分かってんの!!」相変わらずのほほんとしているが、

「分かりますよ、バカにしないでください。でもやっぱりえへへ、なんか楽しいですね~」

「でた」沙羅は心の中で突っ込んだ。

「じゃ今日はもうお開き、放課後はなし、発表は明日の放課後!決定!!」


 翌日、放課後の旧校舎の校長室に集まった日ノ本文化部のメンバーは、それぞれの「昭和」を持ち寄って発表の準備をしていた。琴美は腕を組みながら、部員たちの持ってきたものに目を光らせている。

「さあ、みんな。順番に見せなさい!」琴美は威勢よく声を上げる。

最初に手を挙げたのは、勇馬だった。彼は誇らしげにカバンから取り出したものを掲げた。「これが僕の昭和です!」と見せたのは、古いおもちゃのヨーヨーだった。鮮やかな赤と青のプラスチック製で、昭和のレトロなデザインが施されている。

「これはおじいちゃんからもらったもので、昔、これで友達と勝負したって話を聞いて…」勇馬が熱く語ると、琴美はうんうんと頷きながら、「いいわね!勇馬、まさに昭和の魂を受け継いでるじゃない!」と拍手を送る。

 次に手を挙げたのは沙羅だった。彼女は少し照れ臭そうにしながら、小さな紙袋から何かを取り出した。「私が持ってきたのは、これ…」と見せたのは、古いウォークマンだ。銀色のボディに少し擦り傷がついているが、どこか温かみのあるアイテムだった。

「これ、じいちゃんが若い頃に使っていたものなんだけど、まだ音が出るのよ。昭和歌謡とかよく聞いていたみたいで…」沙羅が言うと、琴美は目を輝かせ、「それ、再生できるの!?すごいじゃない!あとで聞かせて!」と大興奮だった。

 続いて、真平が手に持っていたものを取り出した。それは、昔の雑誌の切り抜きだった。「これは、おふくろが集めていた雑誌のページなんだ。昭和のファッション特集で…なんかすごく華やかで面白かったので、これを持ってきた。」真平が説明すると、琴美は雑誌のページを興味深そうに眺め、「当時のファッションは個性的で面白いわね!真平、これもポイント高いわよ!」と評価した。

 そして、最後に美優がのほほんとした表情で立ち上がった。「私も持ってきましたよー」と言って彼女が取り出したのは普通のノートであった。

 琴美も苦笑しながら、「ねぇこれのどこが昭和なの?」

「よく見てくださいよ~」美優がある部分を指さすとそこにはショウワノートとシャオ以外のみんなが奇麗にずっこける。「あんたねぇ~~!!!」おちょくられているのかと思い琴美はプルプルと震えだした。

「待て!よく見ろ!!これ」真平は琴美をなだめた、ノートは新品のような古いもの新古品といった感じであった、製造年月日はなんと1975年。

「これ、どうしたの?」と美優に聞くと、

「おばあちゃんに聞いたら~これ持ってけと・・・あの私なんかしちゃいました?」

「このノートじたいが昭和の年代物ポイント高いわ!」そう言われほっとしていた。

 そして、特別に倉庫からシャオが選んだアイテムも披露されることになった。真平と一緒に倉庫から持ち出してきたのは、古い黒電話だった。「これ、昭和っぽいでしょ!パォ!」と元気よく言うシャオに、琴美は感激したように頷き、「これぞ昭和の象徴!さすがシャオ、よく見つけてきたわ!」と大絶賛した。

「さっきから偉そうだけどあんた何持ってきたのよ」沙羅が琴美に突っかかる。琴美は鼻で笑うと、部室の隅を指さした。そこには人一人分くらいの高さの物がカバーで隠されていた。琴美は自信満々にカバーをはがすと綿あめの自動販売機があらわれた。

「なんだこれ?」真平が素朴な質問をした。

「昭和のスーパー・ゲームセンター・レジャー施設には必ずあった綿あめの自動販売機よ」

 みんな集まりしげしげと観察しだした。

「これ動くのか?」

「パォパォパォ」

「えへへ、なんか楽しいですね~」

(どうやって持ち込んだかは聞くまい)と沙羅は胸にしまった。

 「当然でしょ、見てなさい」コインボックスを開け少しいじるとザラメが投入される激しい音がした。

「パォ~~~~~~~」

 みんなの驚いた顔に琴美は満足していると、

「おい!白い物が出てきたけどなんかしなくていいのか?」

「えっと・・・割りばしどこ?」「はっ?」「いやこれね割り箸回して作るの」

「なんで準備してないんだよ!」そうこうしているうちに白い綿菓子らしき物がどんどん出来上がっていく。

「みんな!大至急割り箸探せ~~~~!!!」真平は叫んだ。

 沙羅が弁当箱から箸を取り出して試すが短すぎた。

「なんか棒、それっぽい棒!」真平は焦るが琴美は冷静だ。

「なによ慌てちゃってバカみたい、こうすればいいでしょ」ドヤ顔でコンセントを抜くがなぜか電源が落ちない。「あら?あれ~~~」琴美はようやく焦りだした。

「どうしよう?」「俺に振るな!そうだ勇馬!勇馬呼んでくる」真平は急いで呼びに行った。

 その間も綿菓子機は激しく稼働していきザラメが次々と投入されていく。

「あわわわわわわ~」琴美は完全に腰が抜けていた

 元校舎につづく廊下でみんなと鉢合わせた、シャオの手には割り箸の束。どうやら調理室まで行ったようだ。真平は勇馬を見て

「勇馬!何とかできない?」と藁にも縋る思い出聞いた。

「えっ~~~無理ですよ・・・でも一応見るだけ見ます」その言葉に少し安堵した。

 みんなは急いで部室に向かうが扉に手をかけた時、中から「パン!!!」と乾いた音が響いた。

 

 恐る恐る中に入ると激アマな匂いと部屋中の綿菓子が舞っていた。

「メルヘン!!!」「パッパォ~~~~~~~~~~~~」真平とシャオは同時に叫んだ。綿菓子機の前に腰の抜けた琴美らしきものが真っ白になっていた。

 気配を感じたそれはこちらを向きながら「あっあっあっ」と呟いた。全員で全身の綿菓子を急いで掃った、ある程度終えると真平は

「沙羅、こいつを教室にジャージに取りに行かせて、シャワーも浴びさせて」

「分かった、ほら行くよ」「あっあっあっ」まだ呆けていた。


 しばらくするとジャージに着替え髪も濡れてる琴美がプリプリ怒りながら戻ってきた。「何よこれ!何よこれ!!何よこれ!!!」喚きながら壊れた綿菓子機を睨みつけていると。

「お前が1億パーセント悪い」沙羅がぴしゃりと言った。みんな「うんうん」とうなずいた。

 みんなで部室を掃除を続けていると美優が、

「えへへ、なんか楽しいですね~」

「全然楽しくない!!!」5人の心が一つになった。


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