表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
114/246

エースの意地 vs チームの決断!

【4回表】

文化部が4-2とリードを広げたまま迎えた4回表。

しかし、ここにきて異変が――

2打席連続でヒットを打たれる。

「パォォォ……うぅ……」

シャオがマウンドでフラついている。

「シャオ!? 大丈夫か!?」

「パォォ……大丈夫、シャオはエースだから……!」

「いや、もう動きが明らかにおかしいぞ!?」

そう、シャオはこの決勝戦が今日4試合目の登板。

しかも、先ほどのサッカー部の“足の暴力”により、体力をゴリゴリに削られていた。

キャッチャーの真平が駆け寄る。

「シャオ、お前……もう限界だろ。ここは交代しろ。」

「パォォ……嫌だ!! わたしが投げる!!」

「でも、足がフラついてるじゃん!」

「わたし、文化部のエース!最後まで投げる!!!」

「いやいや、これは無理してるって!!」

シャオ、まさかのピッチャー交代拒否。

しかし――

「おい、マジでやばいって!!」

審判「試合を続行できますか?」

「パォォォ……うぅ……」

明らかに疲れがピークに達している。

「シャオ……本当にこのまま続けるつもり?」

「パォォ!! わたしが投げるの!!」

「いやいやいや、どう考えてもスタミナ切れてるでしょ!?」

「シャオ、プライド高すぎる……」

ここで、博美が冷静に口を開く。

「ふむ。無理を押して結果を出せるのならば、それも一つの選択肢ね。」

「博美先輩!? なんでそんな冷静なんですか!?」

「でも、負ける確率が高くなるなら、それはチームにとっての不利益。私は最適解を求める主義よ。」

「つまり、シャオは交代した方がいい、ってこと?」

「ええ。」

シャオ、めちゃくちゃ不満そう。

「パォォ……! でも、でも!! わたし……投げたい!!!」

「シャオ……わかるよ。お前がどれだけ頑張ってきたか。」

「パォ……」

「でもな、お前がバテバテでボールが甘くなったら、さらに打たれるぞ。」

「……!!」

「ここは勇退して勝利をつかもうぜ」

「パォォ………!」

「お前がエースなのは、誰も疑ってないさ。」

「……」

「文化部のために、頼む。」

シャオ、悔しそうに――

「……パォォォ……わかった……でも、勝ってね!!」

「もちろんだ!!」

こうして、ついにピッチャー交代決定!!

マウンドに立とうとした真平を、琴美が制した。

「待って、真平。ここは私に任せて!」

「は? 琴美、お前がピッチャーやるのか!?」

琴美は得意げに腕まくりをしながら答える。

「実はね、私……秘かに投手としての練習をしてきたのよ!」

「……え?いつ?」

「昨日の夜、家の庭で3球くらい!」

「それ完全に素人じゃん!!」

しかし琴美は自信満々にマウンドへ。

「キャッチャーは沙羅!お願い!」

「え、あたしキャッチャー!?まあいいけどさぁ……。」

沙羅がしぶしぶキャッチャーの装備をつけながら叫ぶ。

「おい琴美!変な球投げたら許さないからな!」

「安心して!伝説の魔球を見せてあげるわ!!」

「伝説って言葉の安売りすんな!!」

琴美、謎の動きで投球フォームに入る。

「いくわよ――これが昭和の名作、『巨人の星』で見た魔球フォームよ!!」

「明らかに変!!」

琴美は足を高々と振り上げ、大げさなフォームで投球!!

「それぇぇぇぇっ!!!」

スコンッ……

ボールは地面に落ちて、そのまま転がっていった。

「投げれてないぞ!!?」

審判「ボール!」

「ちょっと琴美!!真面目にやれ!!」

「いまのは予行練習よ!!本番はこれからよ!!」

仕切り直しで二球目――

「くらえぇぇっ!文化部究極奥義、『琴美スーパースライダー』!!」

投げた瞬間、ボールは勢いよく……

「うぎゃあああ!!」

キャッチャー沙羅のマスク直撃!!

「ちょっ……あんた何してんのよ!!!」

「ふむ……魔球は難しいわね……」

「それただの暴投だからね!?」

サッカー部ベンチは大爆笑。

「おいおい、なんだあの投手は!?ギャグ枠か?」

「あの文化部の女、勝手に自滅してくれてるぞ!」

サッカー部バッター、ニヤつきながら次の球を待つ。

「よし、次も頼むぜ、文化部の珍投手!」

琴美、ちょっとムッとして再び投球!!

「それぇぇ!!今度こそ真の魔球よ!!」

しかし、投球はど真ん中の棒球!!

「げぇぇぇ!!打たれた!!!」

しかも、ピッチャー琴美の真正面へ猛スピードの打球が飛ぶ!!

「ぎゃあああああ!!!」

琴美、驚異的な反射神経でキャッチ――ではなく、

反射的にしゃがみ込み、ボールをギリギリ回避。

「なに避けてんだよ!!!」

ボールはそのままセンター方向へ抜けるヒットに。

「シャオなら捕れたぞ!!」

サッカー部、ホームに二人帰って同点!!

ランナー2塁となった瞬間――

サードからシャオが勢いよく駆け出した!

「パォォォ!!!琴美先輩、やっぱり私が投げるぅぅ!!!」

「シャオ!?もう限界でしょ!?戻りなさい!!」

「いやだ!!琴美先輩が投げてたら負ける!!」

「そりゃそうだけど!!」

審判「ちょっと!?交代するなら早く決めて!!」

シャオ、必死にアピール。

「パォォォ!!!マウンド返してぇぇぇ!!」

真平と博美が慌ててシャオを抑える。

「落ち着けシャオ!!お前はもう限界だ!」

「ふむ、気迫だけは見事ね……。」

そんな混乱するマウンド上、突然博美が指示を出す。

「ふむ。こうなったら……沙羅と琴美のポジションを交代ね。」

「えっ!?何言ってんですか!?」

「琴美は制球がダメすぎるわ。でも沙羅ならキャッチャーの肩を生かして投げられるでしょう?」

「……あ、なるほど。」

琴美はキャッチャーへ。沙羅がピッチャーマウンドへ。

「さあ、あたしが締めるわよ!!」

沙羅、鉄板キャッチの腕力を生かしてマウンドに登場!

沙羅、ボールを握りしめると叫ぶ。

「ウチの店で培った鉄板仕込みの剛速球、くらいやがれ!!」

「どんな仕込みだよ!?」

沙羅、勢いよく投球!!

「ストライク!!!」

「おおっ!?」

まさかのシャオ並みの豪速球!?

「沙羅先輩、ピッチャー向きだったの!?」

沙羅、次も投球!!

「ストライクツー!!!」

「くそっ……速い!!これ、文化部のピッチャーじゃねぇ!!」

サッカー部、焦り始める。

沙羅、最後の一球を全力で投げ込む――!!

「磯貝亭名物、キャベツミキサー・ストレートだぁぁぁ!!!」

「技名ださい!!!」

「ストライクスリー!!アウトォォォォォ!!!」

 沙羅の鉄板仕込みの豪速球で、次の打者をセカンドゴロからのダブルプレーでまさかの大ピンチを切り抜けた!!!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ