新 生徒会長 大野博美のシャオ見守り日記
【5月3日】
今日も寮の食堂で夕飯の席で、シャオさんが「パォ~♪ 生徒会長さん、聞いてくださいです~!」と飛びついてきた。
シャオさんがこういう風に報告してくるときは、たいてい大騒ぎのあと。今回はゴールデンウィークに起こった文化部の出来事らしい。
「パォ~!琴美先輩の家には 昭和の宝庫 があるんです~!」
「……昭和の、宝庫?」
「はい~!おもちゃ、家電、ポスター、雑誌、レトロなゲーム……まるで『昭和テーマパーク』みたいでした~!」
また吉峰さんがとんでもない計画を立てたのね、と私はすぐに察した。
それにしても、昭和の文化を体験するために実家の倉庫を活用するとは……彼女の「昭和愛」には、ある意味で尊敬する。
「パォ~!でも……わたし、竹馬で 転んで しまいまして……」
「転んで……?」
「そしたら、そのまま 真平先輩 に突撃して……」
はい、また誰かが巻き込まれたのね。
「でも!でも!それで終わらないです~!」
「まだ何かあるの?」
「パォ~!琴美先輩、『これぞ昭和のアクティブ文化!』って言って、竹馬レースを始めたんです~!!」
……それはもう、「昭和文化体験」というよりは、ただの「体力測定」なのでは?
「パォ~♪ すごく楽しかったです~!」
楽しかったのはわかる。でも、怪我人が出ていないのかが私は心配なのよ……。
【5月4日】
「パォ~!今日は 磯貝亭 で お好み焼き を作りました~!」
「磯貝さんの実家ね。確かに、料理イベントは文化部らしいわね。」
……と思ったら、甘かった。
「パォ~!わたし、台湾風アレンジ しました~♪」
「台湾風?」
「はい~!お好み焼きに……パイナップル 入れました~!」
「……えっ、それ、合うの?」
シャオはニコニコしながら「パォ~♪ 意外とおいしかったですよ~!」と得意げに話す。
どうやら磯貝さんのお父さんも「新メニューにするか」と考え始めたらしい。
文化交流がこんな形で生まれるとは、思ってもみなかったわ……。
「で、それで済んだわけ?」
「えへへ~……鉄板が爆発しました~!」
「爆発って、どういうこと!?」
やはりそう簡単に終わるはずはなかった。
琴美さんが「具材は多ければ多いほどいい!」と大量の食材を投入した結果、火力調整が効かなくなったらしい。
そして、真平さんがひっくり返そうとして……失敗。
お好み焼きは鉄板の外へダイブし、部員総出で回収する羽目に。
「パォ~!これぞ 昭和のハプニング! ですね~!」
「違うわよ。単なるドタバタ事件よ、それ。」
【5月5日】
「パォ~!今日は 美優ちゃんの家の温泉旅館 に行きました~!」
「あら、それは落ち着いたイベントね。」
……と思ったら、甘かった。(2回目)
「パォ~!温泉、最高です~!心が洗われます~!」
「パォ~!美優ちゃんの家、豪華すぎます~!」
「パォ~!卓球で真平先輩を倒しました~!」
「パォ~!?文化部、また爆発しました~!!!」
…… 待って、最後!?
「何が 爆発 したのよ!!?」
「えっとですね~、文化部みんなで 卓球大会 してたんです~!」
「ふむふむ。」
「でも、琴美先輩と磯貝先輩が 白熱 しすぎて……」
結果
琴美のスマッシュ → 沙羅が全力で打ち返し → スマッシュの勢いで障子がぶち破れる。
「パォ~!昭和の 熱血スポーツ です~!」
「それ、ただの 破壊活動 じゃない!!」
結局、旅館のスタッフが慌てて修繕に走り回る羽目になったらしい。
私は 美優さんの家族の心労 を思い、胸が痛くなった。
それにしても、文化部は行く先々で何かしらの騒動を巻き起こすのね……。
【5月6日】
温泉旅館から戻ってきたシャオさんは、ニコニコしながら私の前に座った。
「パォ~♪ 生徒会長さん、お土産です~!」
そう言って渡されたのは、温泉まんじゅう。
私は受け取りながら、「ありがとう。でも、今回は本当に大丈夫だったの?」と尋ねる。
するとシャオは「えへへ~♪ ちょっとだけ、壊しちゃいました~。」と悪戯っぽく笑った。
ちょっとだけ、で済んでいることを祈るわ……。
【総括】
シャオの報告を聞きながら、改めて彼女の 適応力 と 順応性 を実感する。
台湾から来たばかりとは思えないほど、文化部のメンバーと馴染んでいるし、昭和文化にも積極的に興味を持っている。
その勢いで文化部の騒動に毎回巻き込まれているけれど…… それでも彼女は「楽しかったです~!」と笑顔で話す。
「パォ~!生徒会長さん、次は何の昭和体験をしましょうか~?」
私はその言葉を聞いて、頭を抱えた。
文化部の次の企画が何であれ…… 私はまた、シャオさんから とんでもない報告 を受けることになるのだろう。
それでも、彼女が楽しそうに笑っている限り、私はその報告を最後まで聞いてあげるつもりだ。
——だって、それが 見守る ということなのだから。




