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私の日常、魔法と世界の空  作者: kappa
思い出編
5/5

【思い出編】第5話 私の好きなオムライス


オリビア「あ゙ーあ!!このままだと間に合わない!」


部屋からオリビアの悲鳴が聞こえる。


部屋は、原稿の山だ。


オリビアは机に向かって必死に何かをしていた。


悠太は、エプロンを付けてキッチンに立つ。



オリビア「もぉー!!」


オリビアは、頭を掻きむしる。


部屋の外まで聞こえる。


空音「ママ。今日はモーなの。」

悠太「今は、修羅場中だからね。」

空音「しゅらば?ちゅう?」

悠太「忙しいって意味だよ。空音は気にしないで昼を作るから食べよ。何がいい?」

悠太は、やさしい笑顔で空音に言う。

空音には、修羅場なんてまだ分からない言葉だろう。

早く昼ごはん食べてもらう。

空音は少し考えてから好きな物答える。

空音「父。オムライス!」

空音は笑顔で言う。

悠太「小奴め、オムライスの美味さを知ったな。」

空音「余は、オムライスを所望?す?」

悠太は、スプーンやフォークの準備を進める。

悠太「空音は凄いな、難しいことば覚えて」

悠太は、オムライスを作る。

オリビアの悲鳴は続くが、悠太は気にせず料理する。

悠太「はい。オムライス。旗付き」

空音は、目をキラキラ光らせてスプーンを持ち、喉をゴクッと音をならす。

空音「いただきます!あむっ!ん~。」

悠太は、オムライスを美味しそうに食べる空音を見て微笑むとキッチンに戻り料理を作る。


悠太「さてと…オリビアにも持って行くか…。」

基本的に、妻は料理をしない。

いや、させない。

なぜなら超絶不器用だから。

そして、味音痴だ。


悠太は、オムライスをお盆に乗せて、オリビアがいる部屋に向かう。

扉をノックして扉をゆっくり開けると、ペンや紙が飛び交う原稿用紙。

悠太「妻よ?休憩しろ」

オリビア「ゔ……。」

悠太「はい、はい。」

悠太「今日は、卵を3つ使用して、フワフワに仕上げたぞ」

オリビアは、オムライスを見て目を輝かせる。

悠太は、オムライスをテーブルに置く。

オリビアは、原稿の机から抜け出し違うテーブルでスプーンでオムライスにかぶりつく。

オリビア「美味しい……美味しい……」

オリビアは、涙を流して美味しそうに食べる。

悠太「涙ながすくらい辛いなら辞めなよ。」

悠太は、エプロンを外しながらオリビアに近づく。

オリビア「やだ…、続ける」

オリビアは、首を思いっきり左右にふる。

悠太「あ、そう。」

オリビア「頑張ったら、努力したらって、昔は良く夢が叶うと思ってた。」

オリビアは、口にケチャップを沢山つけて悠太に話す。

悠太「おぉ…なんだ唐突に…妻よ。何か漫画的な悲しいこと言おうとしてない?」

オリビアは、椅子から立ち上がる。

オリビア「世の中の大半はそうなんだよ!!夫よ。努力しても、夢は叶わないって話さ。」

悠太は、エプロンを畳みながらオリビアの話を聞く。

悠太「締切で、追い詰められだと思うけど、そんなことないと思うけど?」

オリビア「何故だ?」

オリビアは、エプロンを畳み終わる。

悠太「だって僕らも努力したでしょ?幸せを掴む為に。そのおかげで、空音がいる。そうでしょ?」

悠太は、空音がいる部屋を見る。

オリビアは、少し考えてから言う。

オリビア「間に合うかな……、世間は待ってはくれないんだよ」

悠太「僕も手伝うよ?頼ってよ?妻。」

オリビアは、大きく息を吸って、悠太に言う。

オリビア「夫よ。お前にセンスはないが手伝え。」

悠太「くっそ失礼だな。」

オリビアと悠太は、笑い合う。



悠太は、仕事を手伝う事に。

オリビア「社畜の夫に手伝って貰えるとは光栄だ。」

悠太「それは、良かった」

悠太「そういえば……最近、空音が社畜って言葉を覚えたんだけど?」

オリビア「事実だろ?社畜の夫は?」

オリビアは、当然のように言う。

悠太「いや、まぁ……そうなんだけど」

オリビア「社畜の夫、手を動かして。」

悠太「名前、変わってない?

ねぇ。」

オリビア「あはは!社畜の夫、手が止まってるよ。」

悠太「ねぇ。」

オリビアは、笑いながら仕事を続ける。

空音は、ベッドで眠りにつく。

幸せそうな寝顔だ。



締切が迫っていても、あなたに頼れる。

昔は誰かに頼ったりする事なんて、出来なかった。

今は、頼っても良い人がいるから、幸せ。

あなたが作るオムライス好き。

あなたと私の娘がずっと優しくて世界で幸せでありますように……

私は、あなた達を祝福してずっと見守っている。

私にとっても大切なあなた達の側にいます。

いずれ、私があなたの力に…

あなた達を支えになれますように…

私は……



悠太「ん?」

悠太は、目を覚ます。窓から陽射しが入る。

朝のようだ。

悠太は、重たい体をベッドから起こす。

悠太「オリビア…??」

カーテンを閉めて、寝ぼけた顔を洗いにキッチンへ向かう。

ガチャっと、洗面台まで足を運ばせる。

水道の蛇口を捻り、流れ落ちる水に顔をつける。

悠太「ん~、懐かしい夢みたなぁ」

タオルで顔を拭いて、ドライヤーで髪を乾かす。

悠太「オムライス作るか、空音は旗付き」

キッチンで、卵を割りフライパンに流し込み火をつける。


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