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忘れてはいけないよ ―祖父の忠告―

作者: 空暮

 私の祖父から聞いた話です。祖父の出身地、今はもうダムに沈んだ村での教訓のような、そんな口伝の話です。



 家に一人でいると、時々、狸が訪ねてくるが、決して家に上げてはいけないよ。

 

 「お山で聞いた噂をお伝えにきました。大切な話ですので上げてください」


 と言うが、決して上げてはいけないよ。もし上げてしまうと、


 「〇〇さん、お山であなたが××日後に亡くなると噂になっています。あなたを助けるためにわたくしは訪ねてきたのです」


 と言われる。それでも返事はしちゃいけない。すると、


 「どうして亡くなるかお伝えしますので話を聞いてください」


 とか、


 「噂をしていた人を教えます」


 とか言われるけど、絶対に返事をしてはいけないよ。ほっておくと帰るけれど、上げてしまったからまた何日かして一人の時を見計らってまた来る。次は勝手に家に上がって、


 「××日後にあなたは亡くなるとお山は噂してます。助かりたくありませんか?」


 と言ってくるけれど、返事はしてはいけないよ。それから××日後に、狸が白い小袖を着て現れる。


 「あんなに忠告したのにもうどうする事も出来ない。お山に連れていく」


 それでも返事をしなければ狸はそのまま死んでしまう。死んだら山には埋めずに庭先に埋める。必ずそれを守れば死なずに済むから、この話を忘れてはいけないよ。


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