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第27話 イルマット王国攻略に向けて

「ところでエルディーの所属している国はなんというのだ?」


 キョトンとした表情で間の抜けた拍子に聞くデューチャ。


「知らないのか?」

「わらわはエルディーのことは警戒しておりましたが、国の方は戦力として警戒しておりませんでしたので」


 それは、個人の戦力の方が国全体の戦力を上回ってるって話か。

 そう考えると本当にエルディーは規格外なんだな。

 しかし、そんな規格外でも最後に残された家族である妹が大切なんだな。


「しかし、ここまで話しておいてあれだが、本当にこの魔王に話していいのだろうか」

「まあ協力してくれるならいいんじゃないか?」

「ええ。リュウヤ様が力を貸すというのであればこのデューチャ。存分に助力させていただきますわ」


 いいのか? という視線を向けてくるが俺はこくこくと頷いておく。

 これでもし仮に俺たちに敵対してくるようなら、溺愛の権能。神の力がそこまでのものだと判断することができる。

 それに、変な行動を見てからでもエルディーなら大丈夫なはずだ。


「少し冷静になった私としては信用ならないが、国の名は公開情報だ。話すだけなら構わん。そもそも知られてはいけないことを知られたとしても、お前を生きて帰さなければいいだけだからな」

「脅しはいいから、早く教えるのだ」

「ああ。言われなくてもそうする。私の所属する騎士団を抱えているのはイルマット王国だ」

「イルマット王国……イルマット王国なのだ?」


 何やら目を見開いてエルディーの方を見ている。


「何か知ってるのか?」

「ええ。魔石が採れるかどうかには関心がないので知りませんでしたが、その国の名は知っています。我々魔王の間でも悪名高いベカンタイトと繋がっているのではないかとの話が立っている国です。わらわが調べている国でもあります。まさかエルディーの国だったなんて……」

「なに? あの王は魔王と共謀しようとしていたのか?」

「まだ確証はないのだが、少なくとも警戒は必要であろうな」

「くっ! 何かしているとは思ったが、まさかそんなことをしていたなんて。こうなると今のリュウヤの力ではあまりに危険すぎる。本当に付き合ってくれるのか?」

「そもそも万全の準備をしないで国を相手取って妹を助けるなんて無理だろ?」

「リュウヤ……」


 感激といった表情で手を握ってくるエルディー。

 それに、その場の思いつきだけで攻略でき、何の準備も必要ないのなら、もうとっくにエルディーが一人で妹のエディカのことを助けられているはずだからな。


「この山の調査に来てたんだろ? 期限はいつまでなんだ? それまでに準備していればいい」

「今回はあと二週間くらいだろう。それまでに帰ってこなければ死亡として扱うと言われてきた。普段なら即座に問題を収束して戻っているため、すぐに報告が来ると踏んでいる可能性はあるが、二週間と考えていいだろう」

「なるほど。あと二週間か。なら、その期間で俺を送り出しても不安がないレベルまで鍛えてくれ。そうしたら、ギリギリに俺たちを連れていくんだ」

「訓練の方は構わないが、無事では済まないと話したばかりだぞ」

「そうだな。だが、一気に全員で王に接近するにはこの方法がいいはずだ。死の山でエルディーを苦戦させるほどの者を捕まえたとなればいい口実になる。俺たちの目的は国を滅ぼすことじゃなく、エディカを助けることだけだからな。スキをついてさらえれば、あとは逃げるだけでいい」

「なるほどな。外から攻めるよりよさそうだ。しかし、そうだとしても、あの王がおとなしく渡すとも思えん。今の実力では、リュウヤが死ぬかもしれないことを思えば、すぐにそうしようとは言えないな」


 まあ、戦闘力で言えば俺は下の下だしな。


「俺が死ぬとしたら何が原因になりそうだ? 魔王か?」

「それは大きいが、私の留守はすぐにバレるだろうからと新たな護衛を雇ったという話だった。全てを束ねても私には劣るだろうが、その者たちの実力がわからない以上は警戒すべきだ」

「そうだな。そのための訓練とはいえ、相手の目標値が分からなければ大丈夫とも言いきれないのか」


 いくらエルディーが地上最強でも教え子が地上最強になるという話ではないからな。

 そもそものスキルの差がある以上、俺がエルディー以上の騎士になる可能性は低い。

 とはいえ、俺には溺愛の権能があるが、これも相手に効くかは未知数となれば戦闘訓練は必要。


「わらわがいますわ」

「私に簡単に捕まっておいてよく言う」

「っ!」


 取っ組み合いというか、一方的に効果がなさそうなゲンコツでポカポカとデューチャが叩いている。

 いや、騒がしいな。


「まあまあ」

「デューちゃんだけじゃなくって、わたしもいるし、ユキちゃんもいるからね」

「あ、あたしは戦力にならないから」


 全員の想いはありがたいが、おそらくフェイラとデューチャをボディガードに俺が行くと言うのは確実性が下がるのだろう。

 それでいいならエルディーから提案があったはず。

 いち早く助けたいが、確実な方法でないといけないから、二の足を踏んでいるのだろうし。


「そういう精神論ではありませんわ! 調査ならわらわにお任せください。どのようなものがいるのか把握して、お伝えして差し上げます」

「よろしく頼む」

「全く、捕まらないといいが、いや、さすがに魔王だ。杞憂か」

「人間の国で人間の調査。簡単なのだ」

「じゃあ、俺たちはとにかく訓練だな」

「ああ! 期限は短い。とにかく可能な限りを詰め込む。どうかついてきてくれ」

「わかった!」


 さて、どんな奴がいるのか。

 今はできることをやるだけだ。

いつも読んでくださりありがとうございます。


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