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白波の騎士物語~滅ぼした世界を救う~  作者: 555
第三章 白波の騎士
34/45

3-5 始まりの終わり⑤

 夢が終わりへ加速した。

 白波が伝えたかったのはさっきの夢が全てで、マリアとの旅はお前には見せないぞというように続きは見えなかった。

 代わりに与えられるのは経験。多くの強敵との戦いの記録。修得した魔術・技術の全てが心技体に直接叩き込まれた。


 カインが夢から目を覚ませばルナの顔があった。

 最後の記憶から今、自分がどんな状態なのかを理解する。


「カインお兄さん……ですか?」

「ああ、何とか俺だ」

「よかった……」


 現実(いま)の彼女は干からびたミイラではなく瞳から涙を流していた。

 胸の奥にある最後の欠片──白波の残影が喜ぶように感じる。


「俺は、いや、あいつは今度こそ守れたんだな」


 かつて白波が救えなかった少女──ルナが傷一つなく生きていること。

 そんな当たり前のことに無上の喜びが湧いてくる。


「俺が君を守ろう……なんてまだ言えないけどさ」


 白波ほど壮絶な過去(みらい)を歩んだわけじゃないカインが何を言ったところで上っ面だ。

 それでもカインは後を継ぐと決めた。

 白波の残留思念がそうさせているわけじゃない。


「あいつが守りたかったものを、俺も守ってみたいんだ。

 勘違いしないでくれよ、白波(あいつ)白波(あいつ)カイン(おれ)カイン(おれ)

 アイツが俺だったから継ぐんじゃないさ」


 夢で見たルナの顔。

 あんな顔で「死にたい」なんて悲しいこと、こんな小さな子に言わせてはならないだろう。

 ただそう思ったから同じ意志を継いだだけだ。


 つまりカインと白波は同じ人物でありながら違う道を行くのだ。

 白波は過去への後悔から続く贖罪の道を歩き終えた。

 カインは未来への希望を示す冒険の道を歩き始める。

 終末(おわり)過去(はじまり)へ。


「世の中には楽しいことがたくさんあるんだ。ルナにはそれを見せてあげるよ」


 生きることは素晴らしいと無責任に説くのではない。

 ちゃんと楽しいことを与えなければならない。

 きっかけ(はじまり)未来(おわり)へ。


「でも少しだけ待ってくれ」


 もう一人、助けないといけない主人(ヤツ)がいる。


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