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白波の騎士物語~滅ぼした世界を救う~  作者: 555
第二章 終わりへの分岐点
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2-7 終わりの始まり②

 孤児院の天井が岩盤ごと消し飛びカーペットをひっくり返すように森がめくれた。

 巨大な蛇竜が目覚めたのかと思わせるほどの空洞が生まれ、木が燃えながら根こそぎ打ち上げられる。

 衝撃に指向性を持たせたとはいえ、空前絶後の人災だった。

 そんな災害の中心には白い騎士が衝突したときの体勢のまま彫像のように立っている。

 否、鎧の中身がほとんど燃え尽きたのだから文字通りの彫像だ。

 むしろあれだけの爆炎でまだ燃え尽きてなかったことが真の意味での奇蹟とすら言っていい。

 そして怪物は──


【LJ%SXJ#JC+SSNNNNNN】


 やはりこちらも化物。

 あれだけの爆発を受けても宝石のような頭部が残っていた。

 頭以外が失われてもなお生きており、生き延びようと何か足掻いているが時間の問題だろう。

 だとしてもそれを悠長に待つ余裕は白波にはない。


「終わ……り……だ」


 燃え尽きた肉体を再生させながら白波がゆっくりと動き出す。

 今だ余熱の残る鞭剣はあの硬い石肉だろうと熱したナイフでバターを裂くように切り裂くだろう。


「あとは……マリアを……助け……れば……」


 終われる、とそう信じた時、今まで意味不明な音しか発しなかった怪物が人間の言葉を放った。


【“燦爛、腐乱、圧壊、曲解、泥濘、安寧、妄執、蒙昧、朦朧、霊魂”】


 使徒、正確にはそれに宿っていた暴走妖精がこれまでとは打って変わって人間の言葉で詠唱し、超常の術式を組み上げていく。


【“招来せよ、我が故郷”】


 詠唱しているが奇蹟ではない。魔術でもない。

 人や天使のものではなく上位の妖精のみが使える妖精たちの秘奥義である。


「まさか、妖精郷が使えるのか……」


 異界展開術式『妖精郷』。

 己の得意とする異界の創造と展開。

 空間そのものを自分の妖精郷へ塗り潰して広げる禁術である。


【“深界圧息の怨讐湖(アーポ・アーク)”】


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