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未来選択肢代理戦争

作者: 神達 万丞

 

 俺は走っていた。

 ひた走っていた。


 別に人生とか青春とかそんな抽象的なまたは詩的な言葉を選んだつもりはないし、字が走っているとは何も考えていないだけなどと、速筆作家へ喧嘩を売るつもりもない。


 文字通りなのだ。足が弓なりにしなり、整備を放棄してひび割れたアスファルトを乱暴に蹴りあげる。これではとても棒になる暇はないだろう。


 じゃ何故わざわざ人類最後の資源、酸素を無闇に二酸化炭素へと変換する真似をしているか? 別に自主的にする程スポーツマン、または有酸素運動に性癖があるマゾでもない。その証拠に日頃の運動不足が祟ってきている。

 

 じゃ、つまりどういう状況なのか、「くそぉぉぉ! マジしし死ぬううううう!」……こういう事。


 治安が良くなりなり過ぎたこのご時勢、銃弾の雨を掻い潜る事はまず皆無。あるわけがないのだが、俺はゴーストタウンと化しているとある街だった場所を、ニンジンをぶら下げた馬または脱兎の如く、鉄の筒から打ち出された鉛の集団による熱烈な包容を全速力で避けている。往生際が悪いが、まな板の鯉になる覚悟はない。

 

「頑張れタケル~」

「頼むからお前も頑張れよ!」

「いや! 疲れたもん!」


 生涯ガンダッシュなフナムシにナリキリって逃げ回っている俺を他所に、間延びした能天気な声が即席の安全地帯から聴こえる。即ち犬小屋。相方は俺を囮にして知らぬ間に避難していた。こんな処で夕涼みと洒落込んでいる場合かとツッコンデやりたい。

 

 茜色の空をバックに駆けっこなんて、まだ完全な登校制だった頃、ホームルーム後の掃除当番でホウキを放棄して家路についた時以来だ。

 本当はカラスが鳴くから帰りたいのだが、色々と事情が複雑でガラスのハートも軋みながらか細い悲鳴をあげている。

 

 ◇十日前


『室井 猛様 この度、特別国家戦略議案が上がりました。厳選な抽選の結果、当選したのでお知らせします。つきましてはお手数ですが明記された場所まで出頭をお願いします』


 この後も難しい事を云々間と永遠に続いたので投げた。物理的に。落ちるまでの間、我がまなこに映った当日の棄権は罰則というフレーズが、青春真っ盛りな俺としては国の横暴を感じ得ない。あと少しで成人である学生の一日一日がどれだけ大切なものかまるで理解していない気がした。


 今のこの国は人口減少が進み過ぎて、何でもかんでも無人化が進んでいる有り様。

 それは政府も然り。選挙してもまともな有識人が集まらず、人が少ないので党として機能してないのがこの政府の現状だ。

 その現状を打開するべく、何世代前の人々が鼻で笑っていたマザーコンピューターを中心にした政府運営する時代へ突入。今のままじゃSF映画みたく、完全に機械に国を乗っ取られる日も近いかもしれない。


 それで本題に入るが、特別国家戦略議案とは、マザーコンピューターに任せられない国の未来を左右する匙加減が難しい問題が発生した場合の呼称だ。


 昔と違い、一部の知恵のある者による独裁にならない為に、この場合の選択は人為的または神憑り的な力を行使して行われ命運を取り決める。無責任かもしれないが、まつりごとは本来、太古より神が決めていた。占い然り、決闘裁判然り、いくさ場の軍師然り。

 しかしながら、ただの神頼みとか、今時、非科学的な事を並べるつもりもない。純然たる確かたる理由がある。それに関しては後回しにして次だ。


 ルールは実に簡単。議題の各代弁者が戦い生き残れば勝ちだ。政府はその選択肢に従う。なお、公平を来す為に抽選で選ばれた者が見届人として付き添う。


 これを選択肢代理戦争と呼ぶ。


 だが、厳選な抽選の結果って、俺って今年に入って三回目なんだけど……。幾ら人口減少したと言っても、まだまだ学級閉鎖にならない程度にはいる。

 これは政府の陰謀なのかと、封印して久しい中二的何かがウズいたが、ただ単に人材不足によるミスだろうなと、再び拾い上げた要請書へ『厳選』を『厳正』に訂正して国の未来を俺なりに憂いた。


 ◆現時刻


 それが十日前の出来事だ。


 ともあれ俺みたいな凡人に国は何の期待をしているのかと無い頭を捻るが、『特別国家戦略議案+善良な学生+銃弾の雨あられ=ヘポッコ少女の面倒、または盾役、要は捨て駒』と、どう熟考してもこの答えに行き着く。


 なので知らず知らずの内、俺と肩を並べてランナウェイしているラテン系お気楽娘が、「タケル、タケルしゃん、たたたすけけけてぇぇ!」犬小屋が蜂の巣にされて一時の安住の地を失ったから、また俺を防波堤または塹壕代わりしようとしているのも政府の教育なのかと疑ってしまう。

 

 だが、どんなに強制でも横暴でも何の見返りも求めず、ただ愚直に従う俺は国民の鏡だ、模範だ。なのでこれは俺に対する神様からのささやかな贈り物なのかと、「……」幼い顔に似合わない、けしからん豊作のツインメロンが法則に逆らわず上下運動しているのをガン見しても、咎められはしないだろう。


「見届人、目がエロい。セクシャルハラスメント」

「気のせいだ、フラワーよ」


 付き合いが他の奴等より長いので、「エロ猿……」ギャルゲームの幼馴染み並みには誤魔化し方も心得てきた。

 なのでけして俺が隠れ巨乳派だから優しくしているんじゃない。


 処で花冠を被っているから『フラワー』と我ながら安直なネーミングに同情している。命名したのは俺。

 口には出していないが、原案は南国系衣装だからアロハさんと、良く思い止まったと自分自身を誉めてやりたい。

 

「なあ、名前変えないか?」

「嫌だよ。生まれて初めて名前を付けてもらったんだもん。絶対変えないよ!」


 このように我が選択肢さんは毎度改名を促すと嫌がる。でも、今までも多数のパートナーがいた筈だ。こういう機会はなかったのだろうか?

 もう、今回で会うは三度目、今更ながら自分のいい加減さに嫌気が差した。


 この頼りないパートナーこそ、この戦争の代弁者の一人。そして俺はこいつの見届人だ。

 

 ちなみに軽口叩きあっているが、今も目下爆走中だ。なので銃声が響く度に、

 

「ひうわあああああ!」

「うひぃぃ、いたいのはいやぁぁ!」


 奇声を上げる。腕を上げる。速度をあげる。即ちアゲアゲ。

 危機的状況でもこの様に通常会話が可能になったのは、数々の修羅場をこなしたお陰かもしれない。


「逃げて何か意味あるの!?」

「じゃ、逆に聞くがお前は奴に勝てるのか?」

「もち無理です」

「だろうな」


 長い黒髪を揺らし即否定。その際漂ってきたミルクの様な甘い匂いが鼻孔を擽る。


 代弁者達は射撃とか用意周到さとか、そのスタイルに合ったスキルを持ち合わせている。しかし、全てが役に立つとは限らない。フラワーの様に道端のタンポポより役に立たない者もいた。


「大丈夫だ。別に無造作に移動している訳じゃない」

「本当?」


 そう、俺達はただ逃走しているんじゃない。前準備としてスマホの昔のマップを頭に叩き込んでいた。言うまでもなく奴をワナに嵌める為だ。

 今までは逃げていたが、ファイナリストになった以上、自分達でトドメを刺さなければならない。

 これが見届人としてのもう1つの顔、参謀またはサポーターとしての俺の役目。


 当初二十人以上いた精鋭の代弁者達も残り僅か。残ると思われた『環境汚染』と『氷河期』は早々と共倒れして、再び力を付け始めている大昔の負の思想『鎖国』は大善戦した昔の王者『バブル』と退場する。

 今回は初回から大番狂わせの大デッドヒートだった。でも、今回のかくれんぼ作戦が功を奏し、こうして最後に残る事ができた。


「そもそも、お前の戦闘能力がカタツムリ以下じゃないなら、もっと作戦に幅が出たのにな」

「うう、で、でも、初めて最後まで残ったよ。いつも、開始3分も経たずバイバイだったから凄いよ。終始逃走しているだけだけど……」

「三十六計、逃げるがカチカチ山」

「それって意味が違うから! 火ダルマ決定みたいに言わないでよ!」


 負けに関してはインスタントより早いなんて自慢にもならない。でも、全参加者中フラワーの最弱は、スライムと同等なくらい至極当然の共通認識だった。

 逆にいうとそれだけ実現化が難しい未来なのかもしれない。


「頑張れ、これに勝ってお前に海を見せてやる」

「死亡フラグ立つからやめて!」


 こんなクダラナイ掛け合いが心地良い。

 まるで妹と一緒にいるみたいだった。俺はただ、少しでも長く一緒にいたいだけなんだ。『選択肢』という宿命を背負っていてもそれはどうでも良い。


 暮れなずむ廃墟の町並みが、バラバラな足音と共に流れていく。植物に飲み込まれ自然と一体化した景観、人工物と自然物、アンバランスながら前衛芸術の美しさを醸し出していた。

 

「あれ、行き止りだよ?」

「……道、間違えたな」


 予定通りにな。

 俺の巧妙なオペレーションはこいつに説明してない。ヘッポコだけじゃ飽き足らず、あがり症のスキルも完備しているのだ。イザという時に使い物にならなくなったら水泡に帰すのは目に見えている。


 今度こそフラワーに勝ってもらう。それが悲願だからだ。最後のオンリーワンになった時、現実可能な限りだが、政府が願いを1つだけ叶えてくれる。


「戻ろうよ」

「ああ……」


 俺達は戻ろうとUターンするが、「悪足掻きもここまでだ。楽園」そこに立ちはだかる迷彩アーミーの少女。ミリタリー感バッチリの威圧が全身を襲う。


「うっ! リーフ……」

「来たか、鉄兜!」

「私は軍事の化身だが、そのセンスのないネーミーンクはやめて欲しいものだ。楽園の見届人」 


 迷彩が葉っぱのカラーだからリーフ。安易だが鉄兜よりはましだ。


 彼女はリーフこと未来の1つ、『軍事国家』の代弁者。ミリタリーステートだと言いにくいので却下。

 そして『楽園』とはフラワーの正式名称。

 そう、フラワーは楽園未来の代弁者であった。


「いつまで人間の真似事をしているつもりだ? 私達は人間が造り出した擬人だぞ」

「でも、ボクらも生きているんだよ!」

「甘い。所詮は創造主が自分達の都合で生かされている物に過ぎない」


 両者の言い分は平行線。対極に位置する未来同様、互いを認め合う事はない。

 そう、フラワー達は科学の力で未来を認識出来るように擬人した存在。

 

 軍事を冠する少女は、ゴーグルをメットまで上げ、こちらを冷たい眼差しで見下ろす。


「貴様、我が軍門に下れ。悪いようにしない」

「それが銃口を向けて言うセリフとも思えないのだが?」


 彼女は俺達に銃口を向けている。なので太古から続く習わしに抗わず、降参のポーズ。


「諦めず逃げるのが悪い」

「フラワー悪い、これからの展開がまるで思い付かない」

「うう、タケル、カッコ悪い」


 茜色を背にうけているので鉄兜の表情を伺う事ができなかった。

 だが、ここで俺の手口を明かすわけにもいかず無策の振りをする。


「見届人よ、楽園に攻撃手段がない以上、楽園は降伏しか道はない」

「タケル!?」

「……フラワー、分かっていると思うが、俺はサポーターなので直接の干渉はすることができない。指示のみだ。お前がここから勝利するのは0%、正直もう無理だ」


 地形はブロック塀に囲まれたコの字の中。袋小路と言う名の袋の鼠。唯一の出口にはネコ目少女が仁王立ちしているが、窮鼠猫を噛むには戦力差があり過ぎる。

 電柱が二本、上から電線が何本か垂れ下がっている。地面にはマンホールと雑草が行くてを阻んでいる。

 

 フラワーは暫し沈黙、「はぁ、ここまでか、もっとタケルと一緒にいたかったな」と観念するかの様にガックリ肩の力が抜け落ちた。


「すまん」

「楽園、懸命な判断だ」


 フラワーは諦めたのか、なすがままに鉄兜に電線で拘束された。


「改めて問おう。見届人、私の処へ戻ってこい」

「何の冗談だ?」

「私達は未来の行く末を擬人化した存在」


 こいつら代弁者は簡単に説明すると、これから行き着く未来なんだ。

 ゲームのエンドと言った方が確実か。


 何故代弁者達が代理戦争をやっているのか、答えは残ればその通りのルートへと進むから他ならない。


「このまま、勝ち続けて未来が私に確定すれば、この先、お前は大統領になっている。軍事こそ貴様のトゥルーエンドなのだ」

「……そうなの?」


 心が揺れる。


「いやいや! 大体、お前は『軍事国家』の擬人だろ? ミリオタは別として、平和主義の俺とは相容れないぜ」

「大戦の未来はこうだ。異世界を愛する党を立ち上げ、タケルが大統領に就任するんだ。世界は異世界派とアンチ異世界派に別れて再び混沌の世界戦争へと突入する」

「ちょっ待て! 疑問なんだがどういう訳で異世界転生だけで世界大戦になるんだよ」

「そこは転生は神聖なものだからだ。Web作家達は物扱いされたのが耐えられなかったのだろう」


 確かに異世界転生は最高の現実逃避だが、国民が一斉蜂起する程なのか?


「生憎だったな、幾らスレンダーでも胸がない女になびかないぜ」

「そうか」

 

 ミリタリーは鉄兜を深く被ると同時にブロックを撃ち抜く。無論、盾にしていた俺の頭をスレスレに通過。腰が抜けた。


 でも、そんなバットエンドなエンデイングよりハッピーエンドのほうが良いに決まっている。


「ちなみに、私の未来はタケル死んでるの。トラックにはねられちゃうんだよね」

「ソウナノ?」


 またまた、知りたくなかった初めて語られる真実。


「でも、大丈夫」

「戻ってきたのか?」

「のー。タケルがいなくなって家族が幸せになったから」

「そうかよ!」


 幸せになったのが家族だけとかありえない。


「忌野際に残した言葉が『うへへ、これで異世界へ行ける……』だってさ。恥ずかスィー」

「フラワー、今までありがとう」

「見捨てないで!」


 未来の可能性に問う、俺に何があった?

 俺達のコントに鉄兜の顔が緩んだ。この時を待っていた!


「あれは何だ。ミラーが一瞬光ったぞ」

「ん?」


 鉄兜は一瞬だけ、後方のミラーを確認。


「今だ! フラワー電柱を登れ!」

「了解!」

「図ったな!」

「ボクはまだ諦めないよ!」


 どんどん銃弾が撃ち込まれるが、スレスレで外れる。

 未来はまだ定まっていない。予定では電柱を登り壁を伝って後方に回って脱出。

 だが、フラワーは手首が縛られているので登れなかった。


 鉄兜やり過ぎだ。


「ど根性!」


 でも、機転を利かせ、垂れ下がっている電線を口で掴み強引に鉄兜の後方へ回る。


「そのまま脱出しろ!」

「うん――あれ?」


 着地した処へよろけた拍子に鉄兜をヒップアタック。「え?」鉄兜は前方のマンホールに落ちてしまう。


 フラワーに武器がないと思っていたが、デカケツが凶器になった。


「デカケツのお陰で勝ったな!」

「うれしいのだけど何故か釈然としないよ」


 何処からか聴こえる手を叩く音。


「イヤー良かったっす。素晴らしい。こんな大逆転初めて見ました。自分と当たった人達は一方的になぶっていたので」

「現れたか、最強の選択肢『現状維持』」


 恐れていたエンド最強擬人。またの名をノーマルエンド。


 こいつもミリタリー同様ハンディとしてパートナーはいない。俺達が大穴なら、こいつは鉄板だ。


 茶髪にセーラー服。見た目はどう見てもあか抜けたJK。


「いやはや、どうなると思っていたけど、軍事国家にはリタイアしてくれて助かったっすよ」

「やはり、俺達を監視していたのか? 臆病者らしい姑息な手口だな」

「用心深いって言って欲しいっす。流石の自分も飛び道具持っている奴に、真正面から挑む程自殺願望者じゃないからね。計画では油断した隙に倒して、最後に楽園をボコる感じだったっすから」

「さてと、覚悟を決めるっすよ、楽園」

 

 対してフラワーは後退る。

 楽園と現状維持では相性が悪い。だが、


「果たしてどうかな?」

「?」

「長い停滞は時に変革が起きるって事さ」

「――この時を待っていたぞ、現状維持!」

「うそ……、何で?」

 

 銃弾がノーマルエンドの頭を貫通する。

 そのまま前のめりに倒れた。


 鉄兜はフリだけで、実はマンホールに落ちていなかったのだ。


「作戦成功だなリーフ」

「貴様が大根役者ではらはらしたぞ」

「どういうこと?」


 実は鉄兜……いやリーフとは同盟を結んでいた。そうしないと勝てない相手だからだ。今までも奴を呼び寄せる演技だ。


「私達は最初から仲間だったのだ」

「へ? そうだったの?」

「おしゃべりのお前に言ったら全てがおじゃんだ。それでなくても刺身のつまとかハンバーグのパセリなみに役に立たないんだからな」


 俺と鉄兜とは面識がある。いや、ハッキリといおう。パートナーだった。初めて参加した時の。

 この時に相談を持ち掛けられたのだ。

恩赦で1つだけ願いが叶えられる。それでフラワーを普通の女の子にしてあげたいと。それがフラワーの親友である鉄兜と決めていた目的。

 最強の敵ノーマルエンドを倒すことが出来たら終ると思っていた。


 俺にとっての楽園はお前といることだと、今度こそ伝えたい。


「――残念だけど無理っすよ」

「なに! ぐはっ!」

「きゃあ!」 

「フラワー、リーフ!」 


 倒したと思っていたノーマルエンドは、まだ機能停止していなかった。

 俺達が油断している隙に、隠し持っていた警棒の電気ショックで、各擬人に設定されてるライフはゼロになる。


「良い作戦だったけど、この位では自分は死なないっすよ。現状維持は人々の願望。これがある限りこの飽和世界が永久に続く」 


 ノーマルエンドは勝ち誇った。

 こいつが強い理由はそこにある。


「楽園、ごめん」

「良いよリーフ」

「フラワー! リーフ!」


 二人の体が徐々に消えていく。


「外の世界を見せてあげたかった……」

「タケルまた会おうね」


 俺に託すかのようにリーフとフラワーは霧とかした。彼女が役目から解放されるまで俺は挑む。


「くそぉぉ! 絶対いつかお前を倒してやる!」


 ノーマルエンドは静かに微笑んだ。



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