表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

はぐれ勇者ちゃん!

作者: すいっちひったぁ


強いんだから

一人で行けよ


強いんだから

先頭を歩けよ


強いんだから

回復は最後な



任務の下見は一人でこなすんだ


通路で先行きゃイイモン拾うんだ


戦いの初手は一人で皆をかばってまわるんだ


ボクは何故だか勇者をやっている

しあわせなのかはまだ分からない


勇者はジョブだがこの世で一人

勇者だけは

転職枠がひとつしかない職業さ


誰が成っても良いんだけれど

貧乏人はまず無理のはずだったんだ


貧乏人の世界コンテストで

毎日の様に賞を総なめにしてきたボク


「異世界転職ルーレットあんどビンゴ宝くじ」ってのを

100ゴールドで1枚だけ買ったら

見事にビンゴを引いたんだ



100兆ゴールド分が販売された

貴族のせがれたちが富に物言わせて

あっという間にあと1枚さ


貧コンで100日間優勝して

100ゴールドが手元にあった


中古でも布の装備品一式がやっとの額だ

がっくりがびっしり詰まったていどのね


それとも3時のおやつに取っておくか

くじ屋の前で思案をしてると

怪しそうな男に声かけられた


「そこの坊や、くじ買う勇気があれば

きみも勇者になれちゃうかもよ!」


100日あればまた貯まるお金だった

ボクにだって夢を見るぐらい許されるだろう

軽い気持ちだったんだ

石につまづいて転んで失くしちゃうかも


そんな世界最強の貧乏人のせがれのボク

貧乏くじ引かせりゃ鬼に金棒のボク


ボ、ボクは一生分の運を使い果たした気分だ



ボクはこの世界で唯一無二のラッキー勇者なんだ

ラーラララ


世界中の冒険ジョブギルドから

毎日毎晩 引っ張りだこさ

ランランラーララ


勇者以外の冒険者は10億人突破!


魔物も魔王も召し取らず

みーんなボクに押し付けて

世界中の他ジョブの人たちは


嫌がらせし放題

批判チャーハンかけ放題


みーんなグルだ グルグルだ

役所も貴族も王族も

勇者の任務の重さを思い知れと

ばかりにクエスト書を投げつけて

総攻撃してくるのさ


それはなぜかって?


ボクにジョブチェンジをさせたいのさ


いじめられっこが嫌ならば

ジョブチェンジすれば良いだけのボク


ラララ ラッキーくっきーそんでぼっち

結婚も恋愛もだーれもしてくれないんだ


なんなら呪われてもいいんだよっほっほーい


しあわせかはまだ分からないけど


くじで当てたビンゴの商品は




例外や限界もあるが

「唯一無二の種」てのを貰ったの


その種を口にしたら

ボク以外の存在はみーんな男性になったの

だから

いじわるもされちゃうけど

ボクを亡き者には出来ないらしくて

ラーラララーラララー


なんでも願いを叶えてあげるからと

殿方どもが わんさか赤坂とうきょう童夢のごとく言い寄ってきたの


「勇者になりたい」

それがボクのゆめ ぼそっと軽くこたえたの


叶えてくれただけなのよ


くじで当てたのはそのスキルの種だけよ


ボクが天下のはぐれ勇者だよ♪

ラ~ラララ~



でもふしぎ

ボクがこうなったのは

くじを買えと言った男が現れたから


ボク、てっきり

男が手にしていた大きな鏡でも

買わされるのかと思っていたから


ふしぎな鏡屋さん ラーララーラー

ありがとう

ボクはキミが好きだよ

世界でいちばん好きだよ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ