表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

76/82

戦争の行方

 ――桜視点――


 ニーアさんの方に派遣している通信士の人からどんどん被害報告が届きます。ニーアさんはしっかり守ってくれてるようですね。


 私も自分の役割をしっかり果たしましょう。今、私は川の流れを変える工事を行なっています。狙いは敵が拠点にしている場所です。


 どれだけ戦力が多く、兵士が強かったとしても拠点が流されれば撤退するはずです。

 敵が何も食べなくて自分で武器を調達できるスーパーマン揃いでも無い限り、これはどんな敵にも通用します。


 魔術でせっかく流した水を逸らされても困るので、たくさんの水を蓄えなくてはなりません。どうせ敵の近くに都市はないので思い切りやっちゃいましょう。


 更に私は別の指示を兵士達に出します。


「砲兵に命令です。地図に描いた線に沿って土地が陥没するほどの砲撃を浴びせてください」


「了解しました。しかし大量の砲弾が必要となりますが……我々はそこまで持ってきていません」


「そこは心配しないでください。本国で生産したものを列車に積んで運んできてあります。ついでに馬車や後方支援要員も列車で運んで来ているので大丈夫です」


 兵士は納得した表情で司令部に命令を伝えに行きました。我が国とブルゴーニュ王国の間に観光用と言って線路を敷いていて良かったです。


 立地上の問題で戦争開始直後に敵に破壊されましたが、復旧も終わりましたしね。

 とりあえずこれで川の水が流れる道が出来ました。


 後は今の川の進路をせき止めれば、今後は川はそっちに流れていくでしょう。結構な範囲を砲撃するので、この川が今後の敵の動きを邪魔してくれるはずです。


 その間にカステラ王国を片づければ、ブルゴーニュ王国も立ち直るでしょう。

 砲弾の予算が心配ですけどね。戦争続きで財務大臣の顔が真っ青になってそうです。今後はどうにかして予算を削って借金を返さないと……大変ですね。


 まぁ戦争の後のことは、終わってからじっくり考えましょう。勝たなければ意味がないのですから。

 ふぅ……私も工事を手伝いに行きますか。


 工事現場では兵士がたくさんの土砂を運び、魔術師がダムを作っています。

 おや? 魔術師達の魔力がきつそうですね。交代制とは言え、24時間での作業はさすがに厳しいようです。


「あなた達は一旦休みなさい。今日は私がやります」


「そんな! 創造主様にこのような雑務をさせるなど……」


「あなた達の魔力は残り少ないでしょう。それに疲れも見えます。工事はまだ続くのでそこで倒れてもらっては困ります。安心してください。私の魔力はたっぷりあるんですよ」


 魔術師達は遠慮しながらも、ほっとした顔つきです。つまり表情を隠す余裕がないと言うことです。そういう時は大人しく休んでほしいものです。


「わ……分かりました! ありがとうございます!」


 みんな丁寧に頭を下げて急造の兵舎に向かいました。土砂を運んでいる兵士達は人数がいるのでまだ回っているようですが、彼らも疲れているでしょう。


 この工事が終わったらお酒でも飲ませてあげましょう。また輸送する物が増えますね……。いっそお酒とかは民間の輸送会社に頼んでみてもいいかもしれません。




 そんなこんながありつつも、遂にダムが完成する日が来ました。川の新しい道もできています。

 明日が作戦決行の予定だったのでギリギリでしたね。これも昼夜を問わずに働いてくれた皆さんのおかげです。


 ダムを明日破壊するという事で皆さん悲しそうな表情をしていました。せっかく作ったダムを一日で破壊するんですもんね。


「皆さん! そんな暗い顔をしないでください! 皆さんのおかげで、たくさんの友軍が救われるんです。祖国への献身に感謝します。

 お礼と言ってはなんですが……ダム完成記念として宴会を開きます。お酒もたくさん用意してますし、本国から呼び寄せた一流シェフが各地の郷土料理を作ってくれます」


「おぉ!」


「故郷の料理がある! この懐かしい味がたまらない!」


「数年ぶりの故郷の味かぁ……両親は今どうしているかなぁ……」


 その日は賑やかな夜になりました。久しぶりに本国の郷土料理を食べてもらう作戦は大成功のようですね。他の地域でもやってみる事にしましょう。



 そして翌日。作戦決行日になりました。

 魔術師がダムを破壊した途端に勢いよく水が流れていきます。


 後は報告を待つのみです。時間が経つのがとても遅く感じます。

 すると通信兵の1人が突然立ち上がりました。すごく驚いている様子です。


「作戦は……成功です! 敵は撤退を開始しました!」


 それを聞いた途端に司令部は大騒ぎになりました。抱き合って喜ぶ者。1人でただただ泣く者。兵士達に伝えに行く者。


 ここの人1人1人の努力のおかげです。

 これで戦争の行方も大方決まりましたね。首を洗って待っていてくださいね? 教皇さん?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ