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初めて見た景色

 ――ニーア視点――


「絶対にここを通してはダメよ!」


 私は前線近くまで応援に来ていた。宰相とかは顔を真っ青にして大反対してきたけどね。でも私がいれば絶対に負けられなくなるでしょ。兵士達には悪いけどね。


 全く。宰相も何が、ニーア様を危険に晒すわけには……よ。あんたがライバルの貴族の領地であるこの地域を見捨てようとしたのは分かってるのよ。


 まぁいいわ。私が来てからたくさんの兵士が追加で送られてきたしね。忠誠があるのか、無いのか……。


 でもここに来て良かったわ。今まで禁じられてたから前線に来なかったけど、こんなに酷いとは思わなかった。


 少し離れている司令部にいる私でも血の匂いを感じるわ。聞こえるのは叫ぶ声、爆発音や銃声ばかり。必要とはいえ、私の護衛に人を割くのすら申し訳ないわ。いらない、と言うのも失礼ですし。


 外に出て空を見てみると魔術師が向こうに飛んでいっていた。さらに砲兵陣地からもどんどん砲弾が放たれる。


 その直後にたくさんの負傷した人が担架に乗せられて運ばれてきた。この人数の負傷者が運ばれてくるなんてよっぽどの大被害ね。負けないかしら?


「何があったの?」


「第234歩兵大隊と第412重装歩兵大隊が敵の砲兵のせいで壊滅したそうです。それで少し穴が空いたみたいですね」


 え……それだけ? いつも書類で見る時には大した事ないと思う被害でもこれだけの負傷者が出るの……? いや、もちろん数としては分かっていたけど……実感をしてなかったって事ですね。分かってたつもりだったんだけどね。


 こんな戦争はしたくないけど、私には国を導く責任があるしね。正統派の言いなりになるわけにもいかないし。


 でも出来る事ならこんな事をしないで……友達と遊んで、学校で勉強をして帰って寝て……。生まれる所が違ったらそんな生活も出来たのかもね。


 いやいや。弱気になっちゃだめ!

 国のみんながこんなに頑張っているのに、私がそんな甘えた考えちゃだめだよね。桜だって信じて任せてくれたんだから私がここを通さない!


 ニポン皇国から預かった兵士は私が指揮権を預かったんだし、早速てつだって貰おうっと。私はニポン皇国の兵士の指揮官と話をする事にした。


「今から我が国の作戦をそちらに共有するわ」


「ありがとうございます。……なるほど。塹壕を掘って歩兵を置き、彼らが敵を食い止めている間に、砲兵と魔術師で火力を叩き込む。そういう事ですね」


「そうよ。でも左翼が突破されかかっているの。それで難しい任務なんだけど……敵にこちらから攻撃して引きつけておいて欲しいの」


「分かりました。すぐに準備いたします」


 全く抵抗しないのね。もしかしたら特に優秀な兵士を貸してくれたのかもね。とりあえず私は私に出来るだけの事をして絶対にここを守り抜くわ。


 だから頼んだわよ……桜。

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