大好き!
あれから2人はしょっぴかれていきました。その時ちょうど外に遊びに行ってた2人も帰ってきました。
「さっき憲兵隊の人がたくさん集まっていたけどどうしたの?」
「あ、トウコさんとニーアさんお帰りなさい。実はですね……」
事の顛末を話すと2人はとても驚きました。昨日の夜の会話の内容も含めてです。
もちろん私の本業は秘密のままです。なんだか今まで隠していると言いにくくなってしまって……今度! 今度伝えましょう。
「じゃあ魔族の人は正しかったって言う事?」
「そういう事になりますね。この国は神聖教会の改革派というものに国教を変更するようですよ」
「何よそれ! 神聖教会信じられない! 私もお父様に言って改革派に変わるようにお願いするわ!」
「そんな大事な事を私の言った事で決めちゃっていいんですか!? 嘘だったらどうするんですか」
「……友達の言った事だもん。信じるわよ。……それとも今の話は嘘ついてたわけ?」
何この子可愛い。ていうか私の本業がますます言いづらく……。いえ、最後の日には絶対に言いましょう。こういうのは雰囲気も重要ですからね。
「嘘なんてついてませんよ! その……ありがとうございます!」
「冗談よ。嘘なんて思ってないわ。そういえば体は大丈夫?」
「あ、はい! おかげさまでよくなりましたよ」
するとトウコさんとニーアさんが顔を見合わせて頷きます。何でしょうか? するとトウコさんが教えてくれました。
「じゃあさ。本当は今日行く予定だったんだけど……実はなかなか予約が取れない観光船の予約を取って置いたんだ。今日は桜の誕生日でしょ? 今日はもう遅くなったし、明日に行かない?」
観光船の名前を聞くと、私でも知ってるような2か月以上前から予約を取れない船でした。わざわざ私のために……。
そういえば誕生日なんか忘れてました。もう500回以上でしたからね。あ、歳はとらないので永遠の16歳なんですけど。それでもこんなサプライズをしてくれるのはとても嬉しいものでした。
「うわ! ちょっと! 急に抱きつかないでよ! くるし……」
「離しなさい。不敬よ」
2人は抗議しますが、離しません。
「だめですー。これは感謝の証なんですから喜んでくださいー」
次の日。私達は桟橋に来ていました。係員の人は言います。
「3名のトウコ様は……昨日の予約なので今日に乗船する事は……」
まぁそうなりますよね。完全に忘れてました。
「うーん。どうしよう」
3人で悩んでも当然ですが解決策はありません。でもこの船には絶対に乗りたいですね。さっきの係員にもう一度“お願い”してみましょう。
「係員さんすみません。私こういう者なんですが……」
私は昨日も使った皇帝のブローチを使いました。
「こ、これは……すぐに準備します!」
何故か予備の空席を使わせてもらえる事になりました。権力の味は蜜の味です。
「急に空席ってどうしたんだろう? 係員さんになんて言ったの?」
「ま、まぁ乗れるならいいじゃ無いですか。ほら、行きましょう!」
乗ってみるとアナウンスが流れました。どうやら魔術を使っているようです。確かこの技術は魔術省の新技術だったと思うんですけど……民間で使われてるのは珍しいですね。
「本船はこれから渓谷ツアーを開始します。本日の食事はブルゴーニュ料理をご提供致します。メニューは……」
そのまま船は渓谷を進んでいきます。既に春ですが山の上の方には雪が残っているのが見えます。絶景です。
「見てみて!」
ニーアさんが指を差した方をみると川の横の森の中にイノシシの親子がいました。イノシシの子供が川の水を飲んでいるのがとても可愛いです。
カチャン
気づくとウエイターさんがテーブルの上にお皿を置いていました。
「本日の前菜は鶏むね肉のテリーヌでございます」
食べてみると肉の味がぎゅっと詰まっており、前菜とは思えない満足度です。鶏肉も新鮮なものを使っているようで前世の日本のホテルで食べたものとも遜色の無いものです。
その後も焼きたてのパン、仔牛肉のフィレ、鯛のパイ包みなどさまざまな料理が出てきました。どれもとても美味しいもので、美味しそうに食べる私達を見て、心なしかニーアさんも鼻が高そうです。
楽しい時間はあっという間に終わりました。船が目的地に着いたので、そこで解散となりました。
さて……今言わないといけませんね。
「じゃあ解散! ニーアはお迎えの馬車が来てるんだっけ。私も関わりたくないけど教会にお願いして馬車に乗せてもらおうかなー。
一応教会の勇者って事になってるし。桜はどうや……どうしたの?」
「その……2人に秘密にしていたん事があるのです……実は……」
「桜がニポン皇国の皇帝だったって事?」
!?!?!?!?
「桜ちゃんが自分から言ってくれて良かった。隠し事されてるの悲しかったんだからね?」
トウコさんは半笑いでそう言いました。別に本気で気にしているわけではないかもしれませんが、それでもこの言葉は全くの嘘でもないでしょう。
「ごめんなさい。言い出しにくくて……」
「全く。これから私達で隠し事は無しよ。いい?」
「分かりましたニーアさん。もう私は隠し事はありません!」
私だけが隠し事をしてたのに2人は許してくれました。本当にいい友達ですね。
「そういえばいつから知ってたんですか?」
「確か……私と桜が仲良くなって少し後の辺りからかしら」
ニーアさんと仲良くなったのは4か月くらい前……結構前じゃないですか!
「ちなみになんで知ってたんですか?」
「え? ミトちゃんが教えてくれたよ。なんか桜さんの趣味に付き合わされて大変だーって」
あのやろー! 隠してるのは趣味じゃないんですけど! 王宮から学校に入学する条件として言われたんですよ! 私は悪く無いのに恥ずかしいです
……
次からは国家運営に戻ります。個人パートが長くなってすみませんでした! これで第二章は終わりです。いつも読んでくれてありがとうございます! ブクマ、評価、感想を貰えると嬉しいです!




