新たな友人
「入学おめでとうございます皆さん。皆さんは……」
校長先生の話は特に面白い部分もなく、長いだけでした。そんな事よりも他の生徒が気になります。結構な名門なので誰か知ってる顔でもいないでしょうか?
「それでは最後に一年生首席から一言言ってもらって入学式を終わります。ニーア・ガレットさん。前に来てください」
「私がブルゴーニュ王国王女のニーアです。この学校で皆さんと一緒に学べる事を嬉しく思います。この世界は魔王との戦争に苦しんでいます。私はとても悲しいです。ここで学び、強くなる事でこの戦いを終わらせましょう!」
すると女の子達から黄色い声援が上がりました。まぁ綺麗でかっこかわいい系の人ですしね。それにニーアさんは有名人です。まぁ私ももちろん知っていますし、会った事もあります。皆さん私の事も気にかけてくれても良いんですよ?
しかし勇者はどこにいるんでしょう? どうやら身を隠してるみたいですね。残念です。元々住んでいたらしい異世界の事を聞きたかったのに。
私のクラスはミトさんとは別でした。というよりも校舎も別でミトさんは結構遠くの校舎に行くことになりました。ミトさんは死にそうな表情をしていましたが、仕方ありません。まぁ休みの時には会えるでしょう。
私は第一校舎のAクラスという場所のようです。えーと、どこでしょう。地図を見ながら廊下を歩いてると角で誰かとぶつかってしまいました。
「うわぁ!」「きゃっ!」
いたたたた……。これからは前を見て歩くようにしましょう。
「すみません。大丈夫ですか?」
相手はそう言って手を差し伸べてきました。見ると同い年くらいの黒髪ロングに黒い目をした女の子でした。ちょっと日本人ぽいし、アイドルとかやってそうな美少女です。羨ましい。
「ありがとうございます。こちらこそすみません。Aクラスへの道に迷ってまして」
「Aクラスですか!? 同じクラスじゃないですか。一緒に行きませんか? 道は知ってますよ」
どうやら相手も同じクラスのようです。道を知っているようなので、ありがたくついて行きますか。
「それではお言葉に甘えて。ありがとうございます。私は桜と言います」
「桜さんですか。私はトウコといいます。よろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いします。あっ教室が見えてきましたよ!」
ドアを開けるともうほとんどの生徒が揃っていました。私達2人は数少ない空いている席に座りました。
10分くらいして最後の生徒が入ってきました。
「遅れてすみません。皆さん。周りの人が離してくれなくて」
そこにいたのはニーアさんでした。同じクラスなんですか?これは忙しくなりそうです。
そうは言っても人間の慣れは恐ろしいものです。2週間もすればこの環境にも慣れてしまいました。
「ねぇねぇ桜。選択授業は何にするの?」
あれからトウコさんと仲良くなり、2人きりで行動する事が多くなりました。完全にモブの仲間入りですありがとうございます。
別校舎のミトさんは実戦訓練で人気者になって楽しい毎日を過ごしているそうです。そりゃ我が国トップクラスなんですから強いに決まってます。私も頑張りましょう。
「そうですね……。魔術は当たり前として。これはなんでしょう?戦略科?」
「あー。それは貴族とか王族が取るやつだよ。領地の運用を学んだりするんだって。架空の国家運営とかもやるらしいよ」
ふーん。面白そうですね。私にはぴったりでしょう。選択授業はこれで決まりです。
――ニーア・ガレット視点――
昔から私はたくさんの事を教えられてきた。すごく優秀と周りは言っていたし、私もそう思っていた。だから同年代で実力に見合う人はいなかった。何をしても私が勝つ。つまらなかった。
たしかに年上なら負ける事もあったけど、やっぱり同年代のライバルってものが欲しかった。憧れだった。
だから名門のこの学校に入ったの。ここに来れば面白い人材はいるよね?楽しませてくれるライバルはいるかなぁ?
お正月感謝の2話目です。




