新兵器
思った通り敵は大部隊を引き連れて来ました。
「敵は予想通り大軍です。今の敵は油断しているでしょう。ここで一発決めますよ!」
そう言って私は遠くが見えるようになる魔法を使いつつ、メルヘンさんが作った新魔法を使う準備に入ります。
わざわざこのために大きな鉄の筒を引っ張ってきました。この筒だって我が国の技術を注ぎ込んでやっと作れた物です。それに新魔法をかけていきます。
筒の上に魔法陣が浮かび上がってきました。
この魔法は大量の魔力が必要なため、これまた新魔法の魔力を他人にプレゼントする魔法で、他の魔術師が私に魔力を注ぎ込んでくれます。
よーし。敵は丸見えです。盾を構えて固まって移動してますね。いい的です。今です!
筒の上の魔法陣が発動して筒から短い光線が飛び出しました。
その光線は敵の集団に吸い込めれて……大爆発を起こしました。これが我が国の新兵器。桜さんいわく。
「大砲みたいですね」
そういう訳で魔導砲と名付けられたこれは、敵の集団を大混乱にしました。まぁ魔力を使いすぎるので10発すら撃つことはできないんですけどね。
大事なのは爆発です。他の魔術師が続けて2発撃つと敵も対策を思いついたみたいです。集団ではなくばらばらになれば、被害が少なくなるだろうと思ったのでしょう。しかしこれが目的です。
「皆さん今です! 集団で突っ込んでください!」
ばらばらの敵に集団で襲いかかります。あちこちで1対5くらいになった敵はどんどん数を減らしていきます。
「くそっ! これは敵の作戦だ! もう一度集まれ!」
敵は急いで集合しようとしますが、私だってそれを見逃すほどバカじゃありません。そこにもう1発撃ち込みます。
それを繰り返すうちに敵の指揮官に光線が当たりました。敵が作った陣地が吹き飛びます。
それを見た敵の兵士達は我先にと逃げ出していきました。
「私達の勝利です!」
魔力はほとんど無くなりましたが、なんとか敵を撃退しました。しかし兵士達は浮かない顔です。
それも当然でしょう。
だって敵はまだいるんですから。先ほどメルヘンさんが来てたくさんの増援の報告をしてきました。推測される敵の数はこちらの3倍です。
「皆さん少しでも休んでください。次の敵が来るまでに出来るだけ力を回復させましょう」
みんなもう疲れ切っています。どんどん犠牲者や負傷者も増えていきます。
魔力だって無限じゃありません。魔導砲が撃てなくなるのも時間の問題でしょう。
後どれだけ持ちこたえられるでしょうか。
――桜視点――
戦場では今もミトさんや兵士達が頑張っている頃でしょう。
ここ15年間せっせと作ってきた軍用船が30隻並んでいます。これは敵の2倍です。まぁこんな時代なので軍用も民間用も大した差では無いんですけどね。
イスタンブル王国も合わせればもう少し強くなるでしょう。
「創造主様! ようこそおいでいらっしゃいました! 我々の仕事はなんでしょう?」
新しく出来た海軍の提督さんが挨拶してきました。
「海軍はイスタンブル王国やブルガリ王国と協力して海峡に展開してください。ボスポラス帝国を封じ込めるために重要な任務です」
「了解しました!」
そう。ボスポラス帝国は海峡の向こう側。それなら海をとればこっち側には来れないだろうという作戦です。
もっと仕事を上げられれば良いんですけどね。今はこれでも十分です。
実際に戦争が始まった時に軍を集めていたボスポラス帝国は今のところ宣戦布告してきていません。
もしかしたらこのまま戦争にならないかもしれませんね。
さぁ私もボーッと見てるわけにはいきません!
敵は川を使って補給しているはずです。その船を沈めてやりましょう。
私がほうきに乗って飛ぼうとした所メルヘンさんが来ました。
「私も行かせてください!」
というわけで連れが出来てしまった私は2人で川沿いに進んでいきます。
すると1隻の船が進んでいるのを見つけました。旗を見ると共和国のやつでした。
「ファイアボール!」
私とメルヘンさんは上から魔法を撃ち込んでいきます。敵の弓矢も飛んできますが結界で防ぎます。
敵の船はどんどん燃えていき、もう10発くらいで沈むでしょう。
さらに向こう側からもう1隻来ました。これぞカモがネギを背負ってきたってやつです。
「メルヘンさん。これを沈めたらもう1隻もやりましょう」
「魔力も残り少ないですし少し不安ですが……」
「大丈夫ですよ。ここで2隻沈めておきましょう」
メルヘンさんは心配症ですね。さぁ1隻沈めたので2隻目にいきますか。




