計画的敗北
私達はニポン皇国がどのように戦っていくべきか話し合うかの会議を開きました。
参加者は私、アベルさん、前の王のゴアさんにいつも通りミトさんもいます。他にもあまり知らない軍の関係者が数人いました。
戦争は軍だけじゃありません。国内からの支援も必要になります。そのため産業の分野からも何人が出てきました。
まずは魔術研究所の所長になったメルヘンさん。いつの間にやら研究員が増えて研究がやりやすくなったと喜んでいました。
他にもミア商会の会長になったミアさん。今ではこの国トップの商会のボスとして名をはせているそうです。結構ホワイト企業だそうで。私ものんびり働きたいです……。
私が司会役という事で話が始まりました。
「それではまずは軍の方から話を聞いてみます。何かありますか?」
「そうですね。今回は防衛を続けようと思います。数では負けてるので、引きこもるしかないでしょう。そのために陣地の作成をしたいので物資の輸送にミア商会の協力が必要です」
ミトさんがそう言いました。まぁ戦術は軍に任せましょう。私は戦略の方を頑張りますか。
「分かりました。私の商会は協力する準備ができています。後で陣地の場所を教えてください」
「ありがとうございます。軍からはそれくらいですね」
「ありがとうございました。他に何かある方はいませんか?」
「ありまーす! ありますあります!」
すごい何かを話したそうなメルヘンさんが手を上げました。このテンション……きっと魔術の事でしょう。
「どうぞ」
「新しい魔術の作成に成功しました!2つあるんですけどー……」
すごい長い間、新しい魔術の説明をされました。今度からは要点だけ教えてもらいましょう。しかし流石はメルヘンさんです。素晴らしい魔術を作ってくれました。次の戦争でさっそく使ってみましょう。
――ミト視点――
桜さんが起きたと思ったら大魔王とか戦争とか起きたんですけど。もしかして知ってたんでしょうか?
怪しいですね……。まぁそんな事は後にしましょう。
ニポン皇国もこの23年間の内に大きくなって軍隊の規模も大きくなりました。特に最近は大儲けなので装備も良いのが使えて最高です。これなら今回の戦争は楽勝です!
……と言いたい所ですが相手の数が多すぎます。というわけで私達は川沿いに陣地を作っています。まぁ物資置き場と休憩所くらいな陣地ですけどね。
何故ここを選んだのかというと、軍隊の補給には川を使うはずです。馬車だと時間がかかりすぎます。
後は高地だからですね。迂回されるかも知れませんが、それはそれで街と挟み撃ちに出来るので美味しいです。
待つ事2日間。やっと敵が来ましたか。もう同盟国の軍も合流してこちらの準備は十分です。迎え撃つ準備をしましょう。
まずは盾を持った兵士を前に。その後ろから槍で攻撃する部隊を置きます。そして後ろに弓兵で待ち構えます。
前の戦争よりも変わったのはここからです。
まずは騎馬兵が出来ました。数は少ないですが歩兵とは格が違います。この部隊が敵の騎馬兵を倒してくれなかったら蹂躙されるので一番大事な部隊です。
もう一つは魔術師の部隊です。普通は歩兵と一緒に戦いますが、ミアさんの新魔術のために新しく作られた部隊です。
今の敵の数はそこまで多くないらしいので、おそらく先遣部隊でしょうね。ここは負けてみるのもありかもしれません。計画的な撤退は難しいので最精鋭を連れていきましょう。
敵よりも小さい部隊で当たってみると明らかに敵が攻撃的になりました。勝てると思ったんでしょう。こんな小さな部隊に勝っても無駄なのに。
ある程度やり合って私はファイアアローを上空に向かって打ちました。これは合図です。これを見たこっち側の部隊が少しずつ下がり始めます。
そして隙を見て一気に逃げ出しました。
「うわぁぁぁ強すぎる!」
「こんな数じゃ勝てねーよ!ママー!」
やられ役っぽいセリフもばっちりです。2人目の人とか練習してたんじゃないかってレベルです。
しかし逃げながらも敵の攻撃は確実に避けていきます。1時間ほど逃げると敵は追うのをやめて引き返していきました。
次は決戦です。次こそ本気を見せてやりましょう。




