真の仲間
数日経ってミトさんが教員をやってくれる事になり、やる事も無くなったので来年まで「眠る」機能を使うことにした私です。さっそくベッドに横になるとミトが入ってきました。
「また寝るんですか?」
「ええ。やる事も無くなったのでそうしようかと。あまり私が細かい所にまで口出しするのもよくないと思うので」
「その……桜様はこれからもこうやってどんどん時間を飛ばしていくんですよね?」
「そうですね」
「今回は……いつまでですか?」
「来年までですね。挨拶周りがあるのでその少し前には起きようと」
「桜様は……1人でこれからずっと、何千年もこうやっていくなんて悲しくないんですか?」
「どうでしょう。今は分かりませんがいつかは寂しくなるかも知れませんね。それでもこれが私の仕事ですから」
「だったら……私も最後までお供させてください!」
「えっ……それは……秘書官登録で出来なくはないですが一度なると二度と戻れないようなものですよ。私のような部外者ならとにかくこの村で生まれ育ったミトさんでは悲しむ事も多いと思いますよ」
「それでも……私は桜さんが寝ている間に自分だけ老いて置いていかれるなんて嫌です!これでも結構……その……桜さんの事を尊敬しているので…」
「ミトさん……。そこまで言うなら仕方ありません。こっちに来てください」
そう言って私はメニューから秘書官申請を行います。
いつの間にこんなに懐かれたのか……。
「これであなたの目の前には文字が浮かんでいるはずです」
「わわっ。ほんとだ」
ミトさんの目の前に
“ニポン文明の創造主[桜]の秘書官になりますか?”
という文字が浮かんでいます。
あれ? 私には見えるんですね。村人はメニューを見る事ができないようだったんですが。
「そこで、はいを押せば終わりです。ですが……本当にいいんですか? 周りの人が死んでいっても自分だけは残る。そんな感じになりますよ?」
「大丈夫です。もう答えは決まってます!」
そう言ってミトさんは迷わずはいを押しました。メニューの秘書官一覧にミトさんの名前が表示されます。
「これで終わりです。今のあなたなら大体私と同じ事ができます。体の老化も止まります」
「えっ…5年後くらいにすれば良かったかも…」
ミトはない胸を見下ろし後悔する。
もう既に私より大きいんだからいいじゃないですか。喧嘩売ってるんですか。
「もう諦めてください」
私が苦笑しているとミトさんはハッとした顔になります。
「そういえば勝手に桜さんとか呼んでごめんなさい!創造主様に失礼ですよね」
「い、いいんですよそんな事! 気にしないでください。これからは仲間なんですから。そこに上下はありません! なんなら桜と呼び捨てでもいいんですよ?」
「いえ! そこは弟子なんで譲れません。桜さんって呼ばせてもらいます。それでは……えーと、よろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いします」
こうして私に初めての仲間ができました。
「そういえば私は寝ますがミトさんはどうしますか?教員の仕事は他の人にも代われますが。」
「私は村の大事な戦力なので眠るわけにはいきません。それにみんなが生きている間は普通に過ごしたいです」
「わかりました。それじゃあおやすみなさい」
秘書官:創造主の文明の総合力によって任命出来る数が増える。基本的に創造主と同じく不老不死になる。創造主が許可すればメニューなどのさまざまな機能も使う事ができる。




