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間話 魔王のしたいこと

「報告。ケイエル王国の南東プラス市に古龍種『シュトルメルィア』飛来」


 魔王の前、一人の魔人が膝をつき話す。


「損害は軽微。一人の冒険者が奇妙な巨大ゴーレムを使い、討伐したとのこと」

「ほう……なかなか才のある人間だな。名は?」

「申し訳ございません。まだ特定に至っておりません」

「そうか。急げ」

「はっ」


 身体の細い魔人がその場から一瞬で消えた。


「報告。ザドス帝国のガザス皇帝が話し合いに応じるとのこと」

「時間は?」

「明日夕刻、こちらに来るとのことです」

「そうか。誰も殺さなかったか?」

「はい。ご命令通り」

「よくやった」

「はっ」


 こうして先ほどとは別の魔人も姿を消した。


「ふはー」


 魔王はその威厳もなくだらりと椅子にもたれた。


「お疲れですか」


 全身が文字通り黒色のなにかが背後から声をかける。

 それはまるで影。


「まあなんとか。シャドウも休んでいいぞ。警護だなんて」

「いえ。例えどんな弱い敵でも、ケンジ様のお手を煩わせるわけには」

「誰もこないって」


 四大魔王の一人、ケンジ・ササヅカ。

 魔王でありながら、その姿はまるで人間そのもの。

 しかしその実力は本物だ。


 何かの気配を察して、黒い姿は影に戻る。

 また別の魔人が現れる。


「報告。シナハマメイト地区の魔物達との話し合いが終了。我らの配下に加わるとのこと」

「そうか、それは良かった」


 魔人がまた消える。


「ブイ」

「はっ」

「ダブリュー」

「はっ」

「イエット」

「はっ」

「シュトルメルィアとかいうドラゴンの様子を見に行くぞ」

「王よ。その程度のこと、誰かにやらせます」

「いい。暇だから行く」

「しかし外は危険です」

「これは命令だ」

「しかしっ」

「くどい! こうやって毎日毎日ひきこもり! 暇なんだ! アニメも漫画もない世界でひきこもるやつがこの世にいるか!!」


 何を言っているのか分からないが、とにかくご機嫌斜めということがよく分かった配下はおろおろとしている。

 

「わ、分かりました。仰せの通りに」

「分かればよろしい」


 こうして魔王はブイ、ダブリュー、イエット、シャドウの四人を連れて外へ出た。


「ああ、漫画読みてえ」


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