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第4話 神の粘土と諸々建築

 

 俺のスキル『クラフト粘土ワークス』はロボットを作るしか出来ないのだろうか。

 ドラゴン退治から一日が経ち、俺はふとそんなことを思った。


 物は試しだ。


 イメージするのは、朝飯だ。

 俺のお金も無限じゃない。

 食費もあと一週間分くらいしかないのだ。

 これが出来たら最高だ!


 ごはんにハンバーグにスパゲッティ……。

 あー、腹減ってきた。

 イメージは十分。


クラフト粘土ワークス!!」


 目の前に、器に乗ったごはんが現れる。


 マジか!!


 それに続いてハンバーグそれにスパゲッティが現れる。


「ってあれ?」


 ごはんは白い。それはいい。

 だが続くハンバーグ、スパゲッティも白い。

 

 しっぱい?

 あ、味はどうだ。


 白い箸を作ってごはんを食べる。

 なんだこれ、かたくて気持ち悪い。

 食品サンプルでも食べてるみたいだ。

 ペッと吐き出す。


「ねえご飯まだ?」


 我らが女神さまがお腹を空かせてご立腹。


「今買ってきますよ。って、あ……」


 昨日の今日で店がやってるだろうか。


 俺は様子見もかねて街に行ってみることにした。


 街には多くの人がいた。

 おそらく国の派遣した魔法使いたちだろう。

 建物は一部、復旧している。


 広場では人が列をなしている。

 どうやら食事の配給であるらしい。


「あれ、あの方は……」


 こそこそと話しをされている気がする。


「もしかしてサトヤ=グレンさんですか!」


 やせたおじさんが興奮しながら聞いてくる。


「そうですけど……」

「本当にありがとうございます! あなたのおかげで死者も出ず、本当になんとお礼を言ったらいいのか……」

「いえいえそんな」


 手を掴まれ、がっちり握手される。


「あれがサトヤさん」「ドラゴンを追い払うなんてすごいですよね」「ほんと。こうしていられるのも彼のおかげよ」


 周りに人が集まり始めてしまった。


「ほんと、気にしないで、あどうも。し、失礼します……」


 なんだか恥ずかしくなった俺はこうして逃げるようにその場を後にした。


 ご飯どうしよ……。


「すみません。まだ店がやってなくて」

「うっかり忘れてたわ。昨日の今日だものね」

「はい。あ、ところで僕のスキルって食べ物を作ったりは出来ないんですか?」

「出来るわよ」

「出来るんですか!?」


 すんなりと言うもんだから驚いた。


「で、でもなんか食品サンプルみたいのしか出来ませんでしたよ」

「あー。それはそうかも。あんたが今やってるのって、自分の魔力を使って作ってるだけだから。ご飯作るなら素材が必要よ」

「なるほど……」


 こうして俺と女神は手分けして食事の為に森を散策した。


 女神は山菜とかを。

 俺は肉を。


 どこにいるー。でてこーい。

 

 ガサガサッ


 草むらの音。


 そこだ!!


 クラフトした剣で攻撃する。


「ギヤアア」

 

 それは魔物だった。

 叫びと共にウサギみたいな魔物、『バッドラビット』が飛びついてくる。

 目が赤く、歯が鋭い。


「それっ!」


 一撃で『バッドラビット』を仕留めた。


 こいつ、食えるのかな?


 それからも遭遇するのは魔物ばかり。

 合計三体狩ってしまった。


「おかえりー、お。大量だねえ」

「そっちこそ」


 クルエが手に持ってたのは食用野菜ではなく、ポーションに使うようなものばかり。


「どうしてこの森って普通の食物がないんですか」

「そりゃあ仕方ないわよ。あの泉があるんだから」

「どういうことです?」

「あれがここら一体に魔分濃度の高い水を供給しているんだもの。当然、そういう生態系になるわけ」


 かなり合点がいった。


「これでまともな料理が出来るのかな」


 材料を前においてイメージする。


 野菜炒めに、ハンバーグ、焼き肉……。


クラフト粘土ワークス!!」


 置いてあった材料が消える。

 その代わりとして、野菜炒めに、ハンバーグ、焼き肉が現れる。


「す、凄い。ちゃんと色もある。それに匂いも……」

 

 ぐううという二人分の腹音が鳴った。


「「頂きます」」


 クラフトした箸でその料理を食べる。


「う、うまい……」

「いけるわね、これ」


 もぐもぐと無言で食べ続けあっという間に食べ終わる。


「「ごちそうさま」」


 これは、色々とイケるのでは?


 料理に手ごたえを感じた俺は色々と作ってみることにした。


 まずは、家だな。

 うーん。どんな家が良いかな。

 どうせなら大きな家がいいよな。


 よしっ。


クラフト粘土ワークス!!」


 辺りの木々がすっぽりなくなり、代わりに木造建築が完成した。


 こりゃあ、とんでもないことになってきた。


 その巨大な建築物を前にして、俺は興奮していた。

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